ナレッジ共有とは?手法やおすすめのツール10選を紹介

日々の業務の中で得られる「ナレッジ」は、個人に蓄積されるケースが多いでしょう。

しかし、そのナレッジを社内に共有していくことは重要です。社内で別の人が同じ状況に陥った時にすぐに問題解決ができ、事業部や社内全体として生産性が上がるためです。

ナレッジ共有の重要性を理解していても、日々の業務の中でなかなか取り組めていない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、これからツールを活用してナレッジの共有をはじめる方に向けて、簡単に利用できるツールをご紹介していきます。また、これまでツールを導入したものの、うまく活用できなかった、という方もぜひご一読ください。

ナレッジ共有とは?何を共有する?

「ナレッジ」とは、英語の「knowledge」つまり知識を意味する言葉ですが、近年の日本では、企業活動全般にポジティブな影響をもたらす会社・社員の知識や経験、事例などを指して用いられることが多くなっています。

ベテラン社員の経験やノウハウといった「ナレッジ」は、これまで共有するための時間や手段を得ることが難しく、属人化してしまうケースが多くありました。しかし、業務の効率化や企業の発展のためには、そのナレッジが従業員全員に共有されることが重要です。

ナレッジを共有することに成功すると、属人化を防ぐことができ、特定の従業員の能力に依存しなくてもプロジェクトやチームでより高い成果を出しやすくなります。

ナレッジについての詳細な解説はこちらの記事で解説しています。

「ナレッジ」とは?ノウハウとの違いやビジネスでの活用方法について
「ナレッジ」とは?ノウハウとの違いやビジネスでの活用方法について
「ナレッジ」と「ノウハウ」。一見すると同じような意味に捉えがちですが、皆さんは正しい意味を理解していますか?社内の人材の入れ替わりが激しくなり、今後は益々ナレッジやノウハウの活用が重要視されていきます。そこで今回は、改めて「ナレッジ」と「ノウハウ」の意味を掘り下げ、社内で活用するための方法を考えていきましょう。

ナレッジ共有をツールで行うメリット

そもそもナレッジとは、企業など組織にとって「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」のことを指します。

そのナレッジを社内など一部の人だけで共有するためのツールが、ナレッジ共有ツールです。最近ではほとんどのツールが月額制のクラウドサービスとなっているため、低単価でツールを利用できます。

ここでは、ナレッジ共有ツールをうまく活用できた場合のメリットを見ていきましょう。

なお、ナレッジ共有ツールの選び方のポイントやツールの種類は下記記事で詳しく解説しています。

【2022年版】ナレッジ・情報共有ツールのメリットとおすすめ14選
【2022年版】ナレッジ・情報共有ツールのメリットとおすすめ14選
「社内の情報共有を効率化するためにナレッジ共有ツールを導入しよう!」そう思ったものの、どのツールが自社に合っているのかわからない、過去に導入したけど使われなかった...そんな経験はありませんか?自社の目的に合ったナレッジ共有ツールを利用することで、業務効率化と生産性の向上に繋がります。そして、社内のコミュニケーションも活性化されることでしょう。

検索可能な状態になる

ナレッジ共有ツールを導入する最大のメリットは、ナレッジが検索可能になるということです。

世の中のありとあらゆる情報がインターネットによって検索できる時代となりましたが、社内の情報をすぐに探し出す場合はそうはいきません。それは、情報が一ヵ所に蓄積されていないためです。口頭での情報共有では過去のやりとりに遡ることはできませんし、その場にいる人のみにしか共有できません。

しかし、ナレッジ共有に特化したツールを導入することによって情報は文字として蓄積され、その場にいない複数人に対して瞬時に情報を共有できるようになります。 物理的な環境や時間帯に依存せず、いつでも好きな時に検索して自己解決できるため、業務効率化に繋がるでしょう。

業務に再現性が生まれる

ツールを導入して事例をナレッジとして蓄積することで、業務に再現性が生まれます。

業務上における課題には、ある程度の共通項があるものです。まったく同じ事象ではなくても、課題を解決していくための糸口は過去の事例から掴むことができます。

例えば、営業部において成果が出た提案や取り組みを共有すれば、他の人がそれを活用して新たな受注に繋げられるかもしれません。またカスタマーサポートの部署においては、お客様から初めて受けた要望に対する返答を共有することで、次に同じ要望が来た時に素早く対応できるようになるかもしれません。

ナレッジ共有ツールでは、取り組みをして良かった事例、悪かった事例を共有できます。また、ナレッジを感覚値で記憶しておくだけなく、言語化して他人に共有することで、再現性が生まれます。それらの大切なナレッジが、将来誰かの役に立つのです。

新人の成長が早くなる

入社したばかりの新人とベテラン社員では、当然ながら知識レベルに差があります。ナレッジ共有ツールを活用し、ベテラン社員のノウハウを共有すれば、新人はそこから学ぶことが可能となります。

口頭での情報共有では、1対1なら先輩からノウハウを学ぶことができるかもしれません。しかし、1対n(複数人)で情報共有をしようと考えた時はツールを使った方がはるかに効率的です。豊富な知識を持っている社員にとっても、常に言語化する習慣がつくため、自分の中でもより理解が深まるはずです。

上司に質問することで一つひとつの疑問を解決していくこともできますが、予め社内のナレッジが蓄積されていれば、質問する前に自己解決できる内容も多いはずです。デジタルネイティブ世代と呼ばれる現代の20代の新入社員たちは、わからないことがあれば検索することが習慣化されています。 そのため、社内の情報をすぐに検索できる状態にしておくことで、自ら主体的に学び、より早く業務を進めていけるようになります。

さらに、それを新人向けに簡単なマニュアルとしてまとめておくと、新人研修の時間削減にも繋がります。

おすすめのナレッジ共有ツール13選

ナレッジ共有のツールをはじめて導入される方、または過去に導入したけどうまくいかなかった方におすすめのツールをご紹介します。

Qast

Qast トップページ

Qastは、いつでも、どこでも、誰でも使いやすい“社内の知恵袋”で、その使いやすさから導入企業数は4,000社以上。Q&Aとメモでナレッジを共有・蓄積する「ナレッジ経営クラウド」です。簡単に質問や回答ができ、溜まった知恵はフォルダとタグで分類できます。また、検索する時に知りたい情報を探しやすい設計となっています。セキュリティやサポートも充実しているため、初めてナレッジ共有ツールを導入する方でも安心して利用できます。

https://qast.jp/

【特徴】

ツールに慣れていない社員でも使いやすく定着しやすいツールです。PDFやWordですでに文書化している文字列も検索することができます。テンプレート保存機能を利用すれば投稿作成の手間や時間を短縮することも可能で、作成した文書は既読人数や誰が読んだのかを確認できるだけでなく、スコアとして情報共有者の貢献度を可視化することもできます。

また、検索のスピードや精度が非常に高いことも特長です。複数キーワードや投稿者名での検索、ひらがな・カタカナの表記ゆれなども検索対象になります。さらに、検索範囲はQast内に直接投稿されたドキュメントだけでなく、投稿内の添付ファイルの文字列も対象となります。この機能は他のツールにはない特筆すべきQastの特徴です。

SlackやTeams、Chatworkなどのチャットツールとも連携が可能です。Qastの投稿情報がチャットにリアルタイムで通知されるため、投稿の見逃しを防止することができます。SlackやTeamsではチャットツール上での投稿内容をボタン一つでQastに蓄積していくこともできます。

NotePM

NotePM トップページ

Qastと同様、UI(ユーザーインターフェース)がシンプルで使いやすいナレッジ共有ツールです。 Markdownも対応しており、文字の装飾も簡単です。

https://notepm.jp/

【特徴】

検索時にファイル内の文字も検索対象になるため、既にPDFやWordで情報をまとめている場合、NotePMにファイルをアップしていくことでいつでも検索できるようになります。 テンプレートの作成や編集も簡単に行えるので、一度フォーマットを作っておくと次回以降の投稿の手間が省けます。 その他、既読機能や編集履歴を辿る機能等もあります。

esa.io

esa io トップページ

プロジェクトの途中でもナレッジを共有していくことが可能なツールです。とりあえず情報を公開し、都度情報を更新しながら完成させていく使い方を想定しています。

https://esa.io/

【特徴】

長期間に及ぶプロジェクトの場合、情報が確定してからナレッジを共有しようとすると、プロジェクトの前半に起きたことなどの情報は古くなってしまいがちです。しかし、ドキュメントを未完成の状態で共有するWIP機能を活用すれば、記事が不完全であっても後に更新されることが明確なので、早めの情報共有が可能となります。また記事のバージョン管理も可能で、更新の確認や過去記事へのロールバックも容易です。

英語のインターフェースのため、グローバルで運用を検討する場合におすすめです。

Qiita:Team

Qiitateam_トップページ

エンジニア向けブログサービス「Qiita」の社内版で、Qiitaで情報発信しているエンジニアにとっては使いやすいツールでしょう。

https://teams.qiita.com/

【特徴】

Markdown記法に対応しており、読みやすくきれいな表示が特徴です。Markdown記法に不慣れな方でも、記事投稿画面に書式設定ツールバーを使うことで簡単に記事の編集ができます。日報や議事録などのテンプレート機能も充実しています。

Docbase

DocBase

初めてナレッジ共有ツールを導入する方でも使いやすく、迅速に情報共有が行えるバランスの取れたツールです。

https://docbase.io/

【特徴】

Markdown記法に対応しています。複数人で同時に編集することができるため、会議中に議事録を複数人で書くことができ、投稿したナレッジや文書を社外の人に記事単位で共有することも可能です。投稿の分類はタグで行うことができますが、タグは煩雑になりやすいため、定期的に管理が必要になりそうです。

kibela

Kibela トップページ

Kibelaは、個人の発信を組織の力にするナレッジ共有ツールです。

https://kibe.la/ja

【特徴】

Blog形式とwiki形式の2種類の書き方を使い分けられるのが特徴です。個人的なメモのような即時性の強いものはBlog形式で、業務の中で得られた比較的長文のノウハウ共有はwiki形式として投稿できます。こちらもフォルダごとに分類し、その中で保存しておきたい投稿を「ピン留め」することが可能です。グループ内でノウハウを共有し、検索時にはグループごとに探せます。

Scrapbox

Scrapbox トップページ

Scrapboxは、あらゆる情報をつなげて整理できる次世代の知識共有サービスです。

https://scrapbox.io/product

【特徴】

こちらはフォルダ構造ではなく、情報を並列で整理できます。 投稿にリンクをつけておくと一つの投稿の下に関連するトピックの記事が表示されます。 同時編集が可能なため、一つの文書を複数人で編集して使うシーンが多い場合におすすめです。

Confluence

Atlassian Confluence 製品ページ

Confluenceは、海外支社のある企業やグローバル人材を採用している企業におすすめのナレッジ共有ツールです。

https://ja.atlassian.com/software/confluence

【特徴】

議事録はもちろん、製品管理や企画管理などのテンプレートがあらかじめ豊富に用意されています。「どのように文書を書き始めればいいのかわからない」といった企業にとってはテンプレートが手助けとなるはずです。

投稿された内容はpdfやWordに変換することが可能です。記事を協力して編集するだけでなくフィードバックも提供できます。また、協力を依頼するチームメンバーに対してメンションをつけたり、チームの意志決定プロセスを可視化させることもできます。 分類方法はタグやフォルダではなく「ラベル」と「スペース」という形で分類できますが、慣れるまで時間が必要かもしれません。

Notion

Notion トップページ

Notionは、ドキュメント作成、タスク管理、ナレッジ共有ができるwiki機能など、あらゆる機能が集約された多機能なナレッジ共有ツールです。

https://www.notion.so/

【特徴】

多機能なツールであるため、使いこなすことができれば非常に高い導入効果が期待できます。機能に応じて多様なテンプレートが用意されており、ITリテラシーに自信がない方でも利用がしやすく、ナレッジを含めたすべての情報を一ヵ所に蓄積したいといった企業におすすめのツールです。

Senses

Senses

AIの力を活用して営業マンをサポートしてくれるナレッジ共有ツールです。

https://product-senses.mazrica.com/

【特徴】

営業案件を分析し、取引先情報や類似案件を表示してくれます。営業部で担当している案件をボードで一覧表示できるため、直感的に誰がどのような営業活動をしているのかも一目瞭然です。

既存のアプリケーションとの外部連携も可能です。OCR機能を使えば営業先で交換した名刺や議事録の文字起こしができ、面倒な事務処理を軽減して営業活動に集中できます。

kintone

kintone

カスタマイズ性に優れ、多様な業務アプリケーションを作成できることから多くの企業で導入されているツールです。

https://kintone.cybozu.co.jp/

【特徴】

Kintoneでは、プログラミングの専門知識がなくても直感的に業務アプリケーションを作成できます。現場で働く社員が直接アプリケーション作成を行うため、業務効率化に繋がるアプリケーション作成がしやすい点が魅力です。豊富なプラグインが提供されている点、外部連携が柔軟な点から、一定のITリテラシーがあれば、より高度な活用もできます。

Freshdesk

Freshdesk

Freshdeskはヘルプデスク業務における情報共有に有効なツールです。

https://freshdesk.com/jp/

【特徴】

Freshdeskでは、さまざまなチャネルから来る問い合わせをチケットで管理し、対応状況や対応履歴を管理することができます。チケットを確認すれば過去の対応がわかるため、ナレッジの共有や業務効率化に効果的です。コラボレーション機能を利用したリアルタイムコミュニケーションも可能なため、チームワークの向上も期待できるでしょう。

Zendesk

zendesk

ZendeskはFreshdeskと同様、ヘルプデスク業務を効率化するナレッジ共有ツールです。

https://www.zendesk.co.jp/

【特徴】

Zendeskは、問い合わせをチケットで管理しヘルプデスクメンバー内でナレッジを共有できるなど、Freshdeskと同等の機能が備わっています。Freshdeskと異なるのは、CRM(顧客関係管理)に関する機能が豊富な点、多様な企業のニーズに応えるために拡張性が高い点にあります。どちらも無料トライアルがあるため、どちらが組織に適しているかを見極めたうえで選定するのがよいでしょう。

企業におけるナレッジは暗黙知と形式知

ナレッジには「暗黙知」と「形式知」の2つの種類があります。ナレッジ共有とは、「暗黙知」を「形式知」に変換する作業のことです。正しく変換作業を行うためにも、両方のナレッジの概要を正しく理解しておきましょう。

暗黙知

「暗黙知」とは、企業で働いている中で各従業員が身につけた経験やノウハウ、テクニックのことです。例えば顧客対応、特にトラブル時の対応などは経験がものをいうことが多い分野です。

言語化できない、簡単に共有ができないナレッジは「暗黙知」として分類されます。他の従業員にとっても有益な情報となりうるものであるにも関わらず属人化しているケースが多々あります。

暗黙知に関する詳細はこちらでも解説しています。

暗黙知とは?意味やナレッジマネジメントのために形式知化する方法を解説
暗黙知とは?意味やナレッジマネジメントのために形式知化する方法を解説
企業の大切な資産となりうるナレッジには「暗黙知」と「形式知」の2種類があります。その2つを管理、運用する「ナレッジマネジメント」が人材の流動が激化する現代では注目されています。これは人材不足による生産性を落とさない、従業員のノウハウやナレッジを企業の資産に変えていけるからです。しかし、ナレッジマネジメントに馴染みがないと暗黙知や形式知といった言葉の意味がわからず、取り組みづらいと感じている人も多いでしょう。

形式知

「形式知」は、文章や図表・計算式などで見える化されている情報・知識のことです。一見、個人が感覚として持つ「暗黙知」の対極のようですが、知識を見える化することで暗黙知は形式知となります。

形式知に関する詳細はこちらでも解説しています。

形式知とは?ナレッジマネジメントで知識を見える化し組織力を高める
形式知とは?ナレッジマネジメントで知識を見える化し組織力を高める
近年、導入する企業が非常に増えているナレッジマネジメントですが、効果的に活用するための「形式知」について、深く理解できている企業は実は多くないようです。ナレッジは、知識という意味である“knowledge”からきた言葉です。ビジネスシーンでは、個人が持つ知識やスキル、ノウハウなどの「企業にとって有益な情報」を指します。ナレッジには、見える化されて人に伝えやすい「形式知」と、見える化しにくく人に伝えにくい「暗黙知」の2種類があります。

ナレッジ共有の重要性

なぜ現代において、ナレッジ共有の重要性が問われているのでしょうか。その理由を4つ紹介します。

人材の流動性が高まっている

終身雇用の終焉と共に、業界に関わらず転職が当たり前の時代が到来しました。一つの会社で定年まで勤め上げる働き方は、既にマイノリティ(少数派)になりつつあります。

企業からすると自社で培ったノウハウやナレッジは個人にのみ蓄積され、本人が退職した場合、社内には残りません。日常的にナレッジを共有する文化が根付いていれば、いつ誰が転職しても、別の人がナレッジを活用できるでしょう。

働き方が多様化している

2016年9月に安倍内閣総理大臣(当時)によって「働き方改革実現推進室」が設置されて以来、一億総活躍社会の実現に向けて多様な働き方が推奨され始めました。企業は優秀な人材確保のために「副業OK」「リモートワーク可」「フレックス制導入」「在宅勤務」など、労働力を低下させないためのさまざまな働き方を模索しています。

近年では特にテレワークの導入やワークライフバランスの改善に取り組む企業が増えてきましたが、働き方が柔軟になると人材の確保に繋がる反面、これまでオフィスで普通にできていた情報・ナレッジ共有が難しくなります。

リモートワークやワークライフバランスを改善するITツールについては下記の記事で詳しく解説しています。

働き方改革やDXを実現させるには?事例やおすすめITツールも紹介
働き方改革やDXを実現させるには?事例やおすすめITツールも紹介
中小企業から大企業まで、日本の企業全体で対応が迫られる「働き方改革」。あなたの企業では、どんな取組みをされていますか? 残業時間の短縮や、労働条件の見直しなど、さまざまな角度から取組みを行う必要がありますが、ルールだけを変えても社内では混乱を招くばかりです。

業務効率を上げなければならない

2019年4月から、大企業では法律上は残業が原則禁止とされています(中小企業では2020年から)。これまで時間をかけていた社内会議やそのための準備、移動時間の短縮など、削減できる業務を削減していかなければ、これまでと同じ生産性を保つことは難しくなります。

その点、ナレッジ共有ツールを導入して前提知識を事前に共有することができていれば、会議時間の短縮に繋がるでしょう。また、ツールにナレッジを蓄積するということは過去のログが溜まるということなので、いつでも検索が可能になります。それは何度も同じ質問に対応する時間の削減や、情報を探す時間の短縮にも繋がります。

VUCA時代に対応できなくなる

昨今は、社会環境の変化が大きく先が読みにくい「VUCA時代」に突入しています。VUCAは変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)の頭文字を取った略語です。ナレッジ共有ができていないと、このVUCA時代に対応できなくなってしまう可能性があります。

VUCA時代の概要や対策については下記の記事で詳しく解説しています。

VUCA(ブーカ)とは?新しい時代を生き抜く企業になるための方法・ツールを解説
VUCA(ブーカ)とは?新しい時代を生き抜く企業になるための方法・ツールを解説
テクノロジーの進化やニーズの多様化が進む昨今では、未来を予測することが以前よりも困難になっています。そんな状況を表す「VUCA」という言葉がいま注目を集めています。今回は、VUCAの概要や新しい時代を生き抜く企業になるための方法やツールをご紹介します。

また、VUCA時代にうまく適応していくためには、社内のナレッジを共有、管理する「ナレッジマネジメント」を行い、迅速かつ柔軟に変化に対応できる環境を整える必要があります。

ナレッジマネジメントについては下記の記事で詳しく解説しています。

【保存版】ナレッジマネジメントとは?メリットや基礎理論の解説
【保存版】ナレッジマネジメントとは?メリットや基礎理論の解説
優秀な人材が不足している…これは少子高齢化が加速する日本の悩ましい課題です。2021年に発表された帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」では、正社員について「不足」していると回答した企業は37.2%で、前年同月と比較すると増加しており、人手不足を感じている企業ほど賃金のベースアップや賞与の改善を見込んでいるという結果が出ています。

ナレッジ共有不足によって起こる問題とは?

ナレッジの共有が不足していると、大きく下記の2つの問題が発生します。

業務の属人化

特定の従業員しかその業務が進められなくなる「属人化」が起こりやすくなります。属人化が起こると、万が一その従業員が病気などで休んだ場合、対応に時間を要したり、納期が遅延したりしてしまう可能性があります。それにより顧客からクレームが寄せられたり、信用を失ったりといった悪影響を企業に及ぼす可能性が高まります。

業務の属人化が発生する原因やリスクはこちらの記事で詳細を解説しています。

属人化とは?起きる原因や業務におけるリスクについて解説
属人化とは?起きる原因や業務におけるリスクについて解説
ある業務について特定の人物しか作業の手順がわからないということは、どんな企業においても少なからずあると思います。いわゆる「属人化」と呼ばれる状態です。しかし、その属人化をそのまま放置してしまうと、後々企業にとって大きなリスクとなる可能性があります。

社員の関係性の悪化

複数の部署や従業員でプロジェクトを行う場合、迅速な情報共有は不可欠です。特定の従業員間でしか情報が共有されていないことにより、「あの人は知っているのになぜ自分には知らされないのか」という不信感が高まり、従業員間の信頼関係が悪化してしまいます。関係が悪化するとさらに情報共有しづらくなり、「負のループ」に陥ってしまいます。

ナレッジ共有不足によって起こる問題と解消法はこちらの記事で詳細を解説しています。

ナレッジ共有とは?手法やおすすめのツール10選を紹介
日々の業務の中で得られる「ナレッジ」は、個人に蓄積されるケースが多いでしょう。しかし、そのナレッジを社内に共有していくことは重要です 。社内で別の人が同じ状況に陥った時にすぐに問題解決ができ、事業部や社内全体として生産性が上がるためです。ナレッジ共有の重要性を理解していても、日々の業務の中でなかなか取り組めていない方も多いのではないでしょうか。

ナレッジ共有をするメリット

ナレッジ共有が不足すると、業務効率だけでなく顧客や社員の信頼関係にまで影響を及ぼすことがわかりました。では、ナレッジを共有するとどのようなメリットを得られるのでしょうか。4つに分けてご紹介します。

近年の働き方の多様化に対応しやすくなる

働き方が多様化する中、企業は優秀な人材の確保のため「在宅勤務」「リモートワーク」「フレックス制導入」など、労働力の低下を防ぐさまざまな働き方を導入しています。しかし、ナレッジが共有できていないままリモートワークなどを導入すると、これまで近くにいる従業員に気軽に聞くことができた疑問や質問をすぐに解決することが難しくなるため、業務効率の低下を招く恐れがあります。また、そうした恐れを回避するため、結局はもとの働き方に戻ってしまうというケースも考えられます。

ナレッジが共有できていれば、気軽な質問もすぐに解決することができ、働き方の多様化に柔軟に対応できるようになります。働き方の多様化は、優秀な人材の確保にも繋がります。

ナレッジの属人化を避けられる

ナレッジが引き継がれていれば、担当従業員が体調を崩して長期間休暇する場合や離職する場合でも他の従業員が業務のフローと質を保てます。

それにより、顧客や他部署に迷惑をかけることが少なくなります。

社内の誰が何に詳しいのか把握できる

社内のナレッジ共有が進んでいれば、誰がどんなことについて詳しいかが把握できるようになります。例えば、「この業務についてだったら〇〇さんに聞いた方がよいだろう」という判断が付きやすくなり、業務が円滑に進むようになります。

特に組織が大きくなり、部署が細分化するほど効果が増します。

顧客へ提案するための社内情報連携が効率化される

顧客への提案を行う際には、顧客についての正確な情報や状況の把握が欠かせません。そういった時にもナレッジ共有は役に立ちます。

顧客に合わせた資料データを作成する際に、営業で役に立った資料データを共有・パターン化しておけば、資料データ作成時に工数を減らすことが可能です。それによって捻出できた時間で提案内容をより良いものにするといった効果も見込めます。

また、失注してしまった際の資料データも共有することも重要です。失注の原因が資料データにあった場合、どこを改善すれば良いかといった問題点の洗い出しができるからです。

営業担当が変わってしまう場合も、顧客の趣味や性格などの項目を営業部門内で共有しておくことによって、顧客とは以前の担当者と変わらない付き合いが可能です。

ナレッジ共有ツールを導入したことでR&Dから営業までの情報が可視化され、顧客への質問や情報提供にラグがなくなった、という例もあります。

成功要因・失敗要因をナレッジとして共有することで、提案資料の作成がスムーズになるだけでなく、受注率向上も見込むことができます。

営業活動の成功例を蓄積できる

営業活動をしていれば、おのずと成功や失敗を経験することになります。

営業の結果はどちらにせよ、行うべき作業は結果に至った要因の分析と共有です。「なぜ契約を取れたのか」「なぜ失敗に終わったのか」といった要因を分析し、次回以降の営業活動に活かしていきましょう。分析した営業活動の内容を営業マンの間で共有すれば、自分では気がつかなかった要因や改善点などのアドバイスをもらえる可能性もあります。

営業活動における分析結果のデータが増え、何かしらの共通点が見つかると、成功例を増やし失敗例を減らすことに繋がります。結果的に営業力の大幅なアップも可能です。

ナレッジの共有が進まない理由とは?習慣化させるプロセス

ツールを使ってナレッジ共有を行うことの課題は、「習慣化が難しい」ことです。

ナレッジ共有ツールの多くには無料トライアル期間が設けられており、メールアドレスの登録のみですぐに利用を開始できます。 そのため、ツールを使い始めること自体は簡単です。

しかし、日々の業務の中で「時間があったら取り組もう」「誰かが率先してやってくれるだろう」という心持ちでいると、ツールを導入しただけではナレッジが共有されないという状況に陥ってしまいがちです。

ナレッジ共有のためのツールはあくまでツール(手段)であり、導入することが目的ではありません。では、ナレッジの共有を習慣化させるためには何が必要なのでしょうか。

課題意識、導入メリットの共有

ナレッジ共有ツールの活用は当然、一人で行うものではありません。社内全体、もしくは事業部単位で使ってはじめて意味があります。

周囲の利用を促進させるため、まずは現状の課題、そしてツールを導入してナレッジが共有されることのメリットを利用者に伝えましょう。特にメリットについては当事者として認識してもらうことが重要です。

投稿を促進する仕組み作り

使い方、利用シーンが曖昧では、「使ってみたい」と思ってもなかなか投稿のハードルは高いものです。

例えば、「社内会議の議事録を残す」「セミナーのレポートを書く」「お客様からの問い合わせを蓄積」「改善要望はツールでしか受け付けない」等、具体的な利用シーンをルールとして定めましょう。

利用シーンを明確にしておくことで、必然的にツールを使う仕組み作りが可能となります。

担当者の積極的な活用

何も投稿がない状態で他の人に投稿を促すのは難しいでしょう。活用してもらうためには、まずは担当者が率先してナレッジを投稿することが必要です。

呼びかけを行っている人、課題意識を感じて解決しようとしている人が、まずは自分の中に蓄積されているナレッジを投稿していきましょう。そうすることで、どんな投稿をすればよいのか、どんなことができるのかをイメージしやすい環境が作れます。

ナレッジ共有ツールの導入で最も利便性を感じやすいのは、「ある程度の情報が蓄積されて検索可能な状態になった」タイミングです。 そのためにも、最初はとにかく投稿数を増やすことが重要です。

まとめ

社内でナレッジを共有し、蓄積することは、今後テレワークが社会に浸透していく中でますます重要度を増していくでしょう。そのためにも、ナレッジ共有ツールを効果的に活用して効率よく情報を一元化することは欠かせない取り組みです。また、ツールを社内浸透させるためには、担当者自らが率先してツールに投稿することが必要です。

社内のナレッジは、インターネット検索では決して出てこない価値のある情報であり、大切な資産です。 ナレッジ共通ツールの有効な活用は一朝一夕で実るものではありませんが、いずれすべての従業員がいつでも活用できる環境が構築できるよう、日々の積み重ねを意識した導入を心がけましょう。

Qastラボ編集部

Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。

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