情報共有の不足で起こる問題と解決方法とは?情報共有ツールも合わせて紹介
組織における情報共有は、組織の円滑な運営だけでなく、取引先からの信用にも関わるものです。企業間におけるトラブルの多くは情報共有の不足によって発生していると言っても過言ではないでしょう。
ここでは、情報共有の不足によって起こる具体的な問題と共に、情報共有不足の解決策や解決の手助けとなるおすすめの情報共有ツールを紹介します。
目次
社内・業務における情報共有とは
情報共有の不足によって起きる問題を考える前に、情報共有とは一体何なのか、どういう要素が必要であるのかを整理しておきましょう。
実用日本語表現辞典では、情報共有は次のように定義されています。
情報共有「見聞や知識、ノウハウを、仲間に伝達し共有すること。組織やメンバー間で知識や情報などを伝達し合うことで認識などを揃える、といった文脈などで特に使われる表現。」
引用元: weblio辞書
情報共有不足におちいる組織が見落としがちなポイントは、情報共有は伝達することが目的ではなく、共有(認識を揃えること)が目的だということです。社員のほとんどが見ていないような場所で周知を行っても、それは情報が共有された状態とは言えません。情報共有不足を解決するためには、共有する側と共有される側で認識のズレが生じない環境を整える必要があるのです。
情報共有の不足がもたらす3つの問題
情報共有が不足すると、具体的にどういった問題が発生するのか、ここでは多くの組織で発生しがちな3つの問題を解説していきます。
業務の属人化が起こる
業務情報が一人の社員から他の社員に共有されないことで、その社員しか特定業務が進められない状態、いわゆる「属人化」が起こります。その社員が病気などの理由で休んだ場合、対応できる社員がいないために納期の遅延などが発生し、顧客からのクレーム等、組織にとってマイナスの影響を及ぼしてしまう可能性が高まります。一時的な不在ならまだしも、入院や退職等で社員が抜けてしまった場合には、体制を一から見直す必要が生じます。
共有した・共有していない問題が起こる
複数の部署間をまたぐようなプロジェクトでは、業務情報を「共有した」「共有していない」でトラブルが起きることがしばしばあります。そうなると当然プロジェクトはうまく進まず、責任のなすりつけあいに発展してしまいます。相手の落ち度を見つけるためだけに時間を費やすのはあまりに非効率です。
社員同士の信頼関係・チームワークの悪化が進む
業務情報が特定の社員間でしか共有されていないケースもよく見られます。情報共有されていない社員がトラブルに巻き込まれてしまうと、「あの人がきちんと共有してくれなかったから」「自分のせいではないのに」などと社員間で信頼関係が悪化し、さらに情報共有がされにくくなる負のループにおちいってしまいます。
情報共有不足を起こさないための解決策3つ
では、情報共有不足を起こさないためにはどのような対策を取ればよいのでしょうか。3つの具体的な解決策を解説します。
目標と目的を明確にする
情報共有の定義でもお伝えした通り、情報共有は共有する側と共有される側の認識が揃っていいて初めて成り立ちます。そのためにはまず、情報共有の目標と目的を明確にし、情報共有の重要性を組織に周知させる必要があります。
例えば、「顧客満足度を10%向上させるため、営業部に届いた要望やクレームはどんな小さなことでも品質管理部に共有する。品質管理部はその容貌やクレームにどう対処したかを営業部に共有し、顧客にフィードバックする」といったような目標と目的を明確にし、繰り返し伝えることで、情報共有が当たり前に行われる風潮を作っていく必要があります。
ルールを設ける
情報共有を行う際にルールを設けることも重要です。ルールがない場合、伝達が一方通行となり共有のレベルに至らない可能性があります。
- どのような情報を共有するべきか
- どのようなタイミングで共有するべきか
- どこで共有するべきか
については必ず明確にしましょう。
例えば、顧客からのクレームはすぐにチャット上でチーム内に共有する、翌日の外勤スケジュールは前日午前中までにスケジューラ上で共有するといったルールです。テンプレート化することで抜け漏れを防ぐ方法もあるでしょう。
ツールを導入する
情報ごとに共有場所や共有方法が異なると、情報共有の形骸化や抜け漏れにつながります。一方、ツールを導入すれば情報共有の場所を固定できますし、必要な情報をテンプレート化しておくことで「どの情報を共有すればいいかわからない」という問題の解決にもつながります。
おすすめの情報共有ツール5選
ここからは、情報共有不足を解決する手助けとなるおすすめの情報共有ツールを、それぞれの特徴や強みを含めて紹介していきます。
Chatwork
国産のビジネスチャットツールです。チャットがメインのツールではありますが、他にも、ビデオ通話/音声通話、タスク管理、ファイル共有等の機能も利用が可能です。ITに詳しくないという方でも手軽に利用できるため、さまざまな年代層で利用されています。
Microsoft Teams
Microsoftが開発したコミュニケーションツールで、Word、Excel、PowerpointといったOffice製品と連携できることが特徴です。Teams上でOutlookの予定共有、WordやExcel等の資料の共同編集等ができることから、社内でMicrosoft365のライセンス配布を行っている企業で特に多く活用されています。
Qast
ナレッジ経営クラウド「Qast」は非常にシンプル、かつさまざまなシチュエーション利用ができる、操作性に優れた社内wikiツールです。
社内全体に周知しやすい
投稿機能がシンプルで実用的なため、ITに詳しくない人でも簡単に投稿できます。また、投稿ごとに既読人数や誰が読んだかがわかるようになっているため、情報がきちんと共有できているかがすぐにわかります。SlackやTeamsなど他のツールとも連携できるためバラバラになった情報共有の場を集約しやすいのも特徴です。
ログの検索が容易
検索機能の精度が高く、PDFやWordなどのファイル内の文章まで検索が可能です。ひらがなとカタカナの相互変換を自動的に行ってくれるため、表記の揺れによる検索の漏れを防げます。
操作がシンプルでコミュニケーションが取りやすい
Qastの操作画面はシンプルなデザインで、操作マニュアルを読まなくても直感的な操作が可能です。もしも操作方法でわからないことがあっても、カスタマーサポートにチャットですぐに相談することもできます。
NotePM
NotePMはドキュメント管理に特化した社内wikiツールです。高性能のエディターを搭載しており、シンプルかつ手軽に情報共有ができます。更新履歴を自動で記録し更新箇所をハイライトでわかりやすく表示してくれるため、マニュアルの管理などに適しています。
Kibela
ブログ形式とwiki形式の使い分けができることが特徴の情報共有ツールです。ブログ形式はSNSへの投稿と同じ感覚で利用できるため、社員の情報発信を促進できます。wiki形式では情報を蓄積できることに加え、重要な情報をピン留めすることもできます。
おすすめの情報共有ツールは下記の記事でも詳細にまとめています。記事を参考に、自社に適した情報共有ツールを探してみましょう。
まとめ
今回は、情報共有という言葉の定義から、なぜ情報共有不足が起きるのか、また情報共有不足がもたらす問題とその解決策、解決の手助けとなる情報共有ツールまでを紹介しました。
情報共有不足は、情報を共有する側と共有される側の認識のズレが原因で発生します。情報共有不足によって起きる業務の属人化や信頼関係の崩壊は、組織内だけでなく対外的な悪影響にもつながるため、必ず解消しなくてはいけません。今回紹介した解決策やツールの導入により、あらゆる情報がスムーズに行き交う風通しのよい組織作りをぜひ実現してください。
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