組織づくりのコツを解説!従業員が働きやすい組織にするには?
少子高齢化やグローバル化、価値観の多様化が進む現代においては、社会の変化に柔軟に対応し従業員が働きやすい組織をつくる重要性が高まっています。しかし、現代社会の変化に適応できる組織はどのように作り上げていけば良いのでしょうか。
今回は、組織づくりの基本原則やそのために欠かせない2種類の組織構造、強い組織づくりの方法についてご紹介します。既存の組織を見直し、より持続性のある組織づくりに取り組みたい際には、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
「組織づくり」の目的とは
組織づくりというと多くの人は企業文化や風土づくりを連想するかもしれませんが、業務システムの構築や見直しなども含まれます。組織づくりの目的には、組織が持続的に成長していくための新しい企業文化や風土の醸成、システム構築など労働環境改善による従業員エンゲージメントやモチベーションの向上などが挙げられます。
企業文化の変革に関しては以下の記事で詳細にまとめています。ぜひ併せてご覧ください。
組織づくりの5つの基本原則
組織づくりには5つの基本原則があります。これらの原則を押さえれば、より柔軟で強い組織づくりを実現できるでしょう。
命令統一性の原則
「命令統一性の原則」とは、命令(指示)を出す担当者を統一する組織づくりの手法です。複数のチームで連携して作業を行う場合、各チームのトップがそれぞれ命令を出すと現場が混乱して生産性が落ちてしまうことがよくあります。また、命令の伝達において経由する人数が増えるほど、本来の意図から外れやすくなります。命令を出す担当者を統一し、迅速かつ正確に支持が伝わる組織づくりを行いましょう。
統制範囲の原則
「統制範囲の原則」とは、管理者が統制できる範囲の人数をコントロールして組織をつくる手法です。「スパンオブコントロール」とも呼ばれます。管理者が把握できないほど広範囲の業務を任せても、管理がずさんになりトラブルの原因になります。管理者を立てる際は統制可能な範囲を設定し、階層型の管理体制を整えると良いでしょう。
権限委譲の原則
「権限委譲の原則」とは、ルーティン作業やマニュアルが整備された業務など、部下同士で対応可能な業務は部下に任せ、上司はより高度な業務に集中できるようにする組織づくりの手法です。該当業務に関する権限を部下に持たせることになるため、規模の大きい組織でも迅速に業務が遂行できるようになります。部下の育成という面でも非常に有益な取り組みですが、業務の丸投げや責任のなすりつけ合いにならないように注意が必要です。
権限責任一致の原則
「権限責任一致の原則」とは、与える権限とそれに伴う責任のつり合いが取れるようにマネジメントする手法です。与える権限に対して責任が軽すぎると、業務への取り組み姿勢が雑になり、手抜きが生まれるリスクがあります。一方、権限に対して責任が重すぎるとモチベーション低下や離職に繋がってしまいます。権限と責任のバランスは、従業員が適度な緊張感を持って業務に取り組むためにも重要です。
専門家の原則
「専門家の原則」とは、従業員の効率的な育成と生産性向上のために業務を分業する組織づくりの手法です。多様な業務を行うのではなく、専業で集中することで効率良く業務を進められるようになります。ただし、専業に特化させると他の業務が手薄になった際にフォローに回れないというデメリットも生まれますので、計画的に取り入れる必要があります。
組織づくりに欠かせない2種の組織構造とは
組織づくりにおける組織構造にはチーム制やマトリクス制などさまざまなものがありますが、最も基本的で重要なのが「事業部制組織」と「職能別組織」です。
事業部制組織
事業部制組織とは、事業や商品・サービスごとに編成された組織構造です。事業部ごとに営業や人事、経理といった基本部署が設置されます。事業部内では同じ商品・サービスを扱うことになるため、部署間の連携が円滑に行えるメリットがあります。しかし、事業部ごとに同じような部署が設置されることで社内での機能が重複し、顧客や取引先などの管理が煩雑になりやすいというデメリットもあります。
職能別組織
職能別組織とは、業務内容ごとに企業全体で分業する組織構造です。業務ごとに特化した部署となるため人材の育成や業務効率化の面でメリットがありますが、部署間の関係性が希薄になりやすく、部署を横断するコミュニケーションが課題になりやすいというデメリットがあります。
強い組織を作る方法
強い組織をつくるためには具体的にどのような取り組みが有効なのでしょうか。強い組織をつくるためのポイントを5つご紹介します。
自社の課題を見つける
組織の改善を行うにあたっては課題の洗い出しが不可欠です。自社が解決すべき課題や今後起こりうる問題などを整理しましょう。
クレドを策定する
クレドとは、企業が活動するうえでの信条・行動指針を指します。クレドを適切に策定することで、洗い出した課題の解決に繋がります。業務にあたりどのような指針を持って行動すれば良いかが明確となり、従業員の積極性も高まるでしょう。
クレドに関しては以下の記事でご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
エンゲージメントを向上させる
強い組織をつくるには従業員のエンゲージメント向上が非常に重要です。従業員が自発的に行動できるようになり、業務の改善や効率化に繋がります。また、組織づくりの際に具体的な施策を講じると、それに連動して他の課題も改善に向かうでしょう。
エンゲージメント向上に関しての詳細は以下の記事で紹介していますので、併せてご覧ください。
ナレッジマネジメントを行う
柔軟な組織づくりには、円滑な情報共有が行われる環境整備が重要となります。ナレッジマネジメントとは、ナレッジ(知識)の共有を活用した経営管理手法です。組織全体でノウハウや成功事例を共有できるようになり、業務効率化や従業員間での連携強化に繋がります。
ナレッジマネジメントに関しては以下の記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
人事評価制度を見直す
従業員が仕事に対するモチベーションを高く保って働き続けるためには、適切な人事評価制度の整備が大切です。現状の制度で正しく人事評価できているか、モチベーション向上に繋がる評価方法はないかという観点で見直しを行うことで、組織力の向上に繋がります。
人事評価制度に関しては以下の記事でご紹介しています。ぜひご覧ください。
まとめ
今回は、組織づくりの基本原則や、基本的な組織構造、強い組織づくりの方法をご紹介しました。
時代の変化の中、柔軟で強い組織づくりを進めていくためには、ご紹介した基本原則をしっかり押さえた施策を講じることが重要です。組織構造のあり方にもそれぞれメリット・デメリットがあるため、企業に合った手法を選択しましょう。
この記事でご紹介した方法を試し、従業員が働きやすく、かつ発展性のある強い組織づくりにzぜひ取り組んでみてください。
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