シフト勤務とは?メリット・デメリット、交替勤務との違いを解説
シフト勤務は多くの企業で用いられている一般的な勤務形態ですが、どのようなシーンで利用される勤務形態なのでしょうか。また、シフト勤務によるメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、シフト勤務の種類や形態、メリット・デメリットなどを解説します。
目次
シフト勤務とは
シフト勤務とは、曜日や時間帯ごとに担当者を入れ替え、交代で仕事をする勤務形態を指します。労働基準法では、1日や1週間単位での所定労働時間の上限が定められていますが、所定労働時間を超える営業が必要な業界・業種も多数存在します。シフト勤務はそのような業界で一般的に利用されています。アルバイトやパートの雇用形態では、業界・業種を問わずシフト勤務が用いられるケースが多くなっています。
また、シフト勤務にはいくつか種類があります。それぞれ解説します。
完全シフト制
あらかじめ決められた複数のシフトパターンの中から、どのシフトパターンになるかによって勤務する曜日・時間帯を確定する勤務形態です。
シフトパターンはずっと固定ではなく、週次・月次など一定期間で変わるのが一般的です。
固定シフト制
勤務する曜日・時間帯が固定されている勤務形態です。
半年や1年でシフトの見直しが行われることもありますが、他のシフト制と比べて短いスパンではシフトが変更されない点が特徴です。
自由シフト制
勤務する曜日・時間帯が決まっておらず、労働者と雇用先で自由に調整してシフトを決定する勤務形態です。
アルバイトやパートの雇用形態では自由シフトが用いられているケースが多く、あらかじめシフトの希望を出しておき、雇用先がシフトの調整を行うのが一般的です。
主な勤務形態
シフト勤務(シフト制)は交代勤務とも呼ばれており、2交代制と3交代制の勤務形態があります。それぞれどのような勤務形態なのか解説します。
2交代制の勤務形態
2交代制は、1日の勤務時間を2分割して交代で勤務する形態です。 たとえば、1日の勤務時間が10時から翌2時であれば、10時~18時と18時~翌2時といったように分割して勤務します。日勤・夜勤などで区切って勤務する業界・業種でよく利用されています。
3交代制の勤務形態
3交代制は、24時間を3分割して交代で勤務する形態です。 基本8時間勤務となり残業がないため、労働者の負担が少ない一方、しっかりと休息を取れるようシフト間隔に配慮する必要があります。24時間営業が必要な業界・業種で利用されています。
フレックスタイム制との違い
フレックスタイム制とは、勤務する曜日・時間を労働者自身が選択できる制度です。一般的にはコアタイムと呼ばれる必須の勤務曜日・時間が設定されており、完全に自由というわけではありませんが、労働者がある程度の裁量権を持って勤務できます。
フレックスタイム制とシフト制は、どちらも勤務する曜日・時間が常に一定というわけではない点では共通しますが、フレックスタイム制は勤務する曜日・時間の決定権が労働者にあるのに対し、シフト制は雇用先にあるという違いがあります。
また、フレックスタイム制は総労働時間のうち所定労働時間を超えた分を時間外労働として扱う一方、シフト制では1日8時間・1週40時間を超える労働を時間外労働として扱う点で異なります。
シフト勤務が導入されている業界の例
続いて、シフト勤務が導入されている具体的な業界・業種をご紹介します。
サービス業
ホテルやコールセンターなどのサービス業ではシフト勤務が用いられているケースが多くなっています。対応が集中するコアな曜日・時間帯はある程度決まっているものの、いつ顧客対応が必要となるか分からないため、いつでも対応できるようシフト勤務が用いられています。
製造業
製造業でも、24時間稼働している工場などでシフト制が用いられています。工場では、製品を安定して製造・供給するため、製造設備を稼働してから一定期間は常に稼働させ続けるのが一般的です。あらかじめ計画されている工場の休日にあわせ、シフト勤務で労働者を調整しています。
シフト勤務のメリット
シフト勤務にはどのようなメリットがあるのでしょうか。主な3つのメリットを解説します。
業務・営業時間を長くできる
シフト勤務で労働時間を分割することにより、長い業務・営業時間を確保できるようになります。
業界・業種の特性上、業務・営業時間を長くする必要がある場合には、シフト勤務を取り入れると効果的でしょう。
仕事とプライベートの両立がしやすい
シフト勤務では、自分が働きやすいシフトを従業員自身が希望できるため、プライベートの事情に合わせた働き方がしやすくなっています。
また、シフト時間を超える業務は次のシフトの担当者に引き継がれるため残業が発生しにくく、仕事とプライベートの両立がしやすいでしょう。
人材不足の解消に繋げられる
シフト勤務の導入は、働きやすい職場環境の提供に繋がります。
従業員に合わせて柔軟にシフトの調整ができれば従業員の離職防止が図れますし、多様な働き方を提供できることで人材を確保しやすくなり、人材不足の解消も期待できます。
シフト勤務のデメリット
シフト勤務には、メリットだけでなくデメリットもあります。想定される2つのデメリットをご紹介します。
シフト管理が煩雑である
シフト勤務になると、シフトの調整や管理が煩雑になります。シフトの希望に対して従業員の多い・少ないがあれば調整が必要ですし、従業員の急なシフト変更や希望シフトの提出遅れなどにも対応しなければなりません。
マネジメントが難しい
固定勤務であればマネジメント層と従業員が同じ曜日・時間で勤務しているため管理しやすいですが、シフト勤務では必ずしもマネジメント層と従業員が同じ曜日・時間で勤務するとは限りません。勤務状況の把握やコミュニケーションが難しくなるため、固定勤務と比べてマネジメントの難易度も高くなりやすいでしょう。
シフト勤務の課題解決の方法を紹介
前述の通り、シフト勤務には管理が煩雑になることや、マネジメントが難しいといったデメリットがあります。それを解決するためには、コミュニケーションツールを導入して情報連携とコミュニケーションを円滑化するのがおすすめです。
社内コミュニケーションツールの導入
ビジネスチャットなどの社内コミュニケーションツールを導入すれば、従業員とのコミュニケーションが取りやすくなり、急な連絡にも迅速に対応できるようになります。
また、ビデオ会議ツールを導入すれば顔を合わせての面談ができ、よりマネジメントがしやすくなるでしょう。
おすすめの社内コミュニケーションツールについては以下の記事でご紹介しています。
社内掲示板ツールの導入
社内掲示板ツールは、勤務時間帯が異なる従業員に対して一斉に連絡をする際などに有効です。希望シフトの入力を社内掲示板で行えば、従業員が空いた時間で対応しやすいでしょう。社内掲示板ツールには既読人数や既読者の確認機能が備わっているものもあるため、情報がきちんと伝わっているかの確認にも便利です。
おすすめの社内掲示板ツールは以下の記事でご紹介しています。
まとめ
シフト勤務を取り入れれば、雇用側は長い業務・営業時間に対応できるようになり、従業員側は自身が働きやすい曜日・時間帯での勤務を選べるようになります。一方、シフトの管理・調整が煩雑になり、マネジメントが難しい点には注意が必要です。
シフト勤務のデメリットを解決するためにも、コミュニケーションツールを導入して情報連携とコミュニケーションの円滑化を図りましょう。