ノーコード・ローコード開発とは?DX推進で欠かせない2つの手法
近年の日本ではプログラマーなどのIT人材が不足しています。プログラミングスクールなどに通ってプログラミングを学ぶ方が増える一方、プログラミングの工程を省力化するノーコード・ローコードといった開発手法が2018年ごろから注目を集めています。
今回は、ノーコード・ローコード開発の概要やメリット・デメリット、DX推進への効果などを解説します。この記事を参考に、ぜひノーコード・ローコード開発を上手く取り入れてみてください。
目次
ノーコード開発とは
ノーコード開発とは、アプリケーションなどのプログラムをソースコードの記述なしに開発する手法を指します。通常プログラムを開発する際には、CやJavaといったプログラム言語を用いたソースコードを書く必要がありますが、ノーコード開発ではソースコードの記述なしに開発が可能です。
ノーコード開発のメリット
ノーコード開発の大きなメリットは、プログラミングの知識がなくても開発できることです。アプリケーションを作成するうえではある程度のIT知識は必要となりますが、プログラミングの知識がない従業員でも開発環境さえ整っていればアプリケーションの開発が可能となります。
ノーコード開発のデメリット
一方ノーコード開発のデメリットは、開発環境に依存してしまう点です。開発環境によって開発できるもの・できないものがあることに加え、セキュリティ対策やサポートは開発環境を提供するプラットフォームに依存することになります。プラットフォームが突然サポートを終了してしまった場合などに、セキュリティリスクを抱えた状態に陥るリスクがあります。
代表的なノーコード開発アプリケーション
ノーコード開発は2018年頃から注目を集め始めた手法で、現在では多くのプラットフォームが提供されています。ここでは代表的なノーコード開発プラットフォームを3つご紹介します。
Amazon Honeycode
Amazon HoneycodeはAmazonが提供するAWS(Amazon Web Service)の一つです。スプレッドシートをベースにした操作画面でアプリケーション開発ができるため、Excelに慣れている方であればプログラミングの知識がなくてもスムーズにノーコード開発ができるでしょう。
Microsoft Power Platform
Microsoft Power Platformはマイクロソフト社が提供するノーコード開発プラットフォームです。Microsoft Office製品を利用したことがある方であれば、Excelでの関数やパワーポイントでの資料作成のようなイメージでアプリケーション開発ができます。Power PlatformのなかにはPower Automateによるシステム連携、Power BIによるデータ集約・分析ツールも含まれています。
BUILDBOX
BUILDBOXはゲーム作成に特化したノーコード開発プラットフォームです。オブジェクトやパーツを組み合わせることでプログラミングの知識なしにカジュアルにゲーム作成ができます。テンプレートもさまざまなものが用意されており、初心者でもゲーム作成が可能です。
ローコード開発とは
ローコード開発とは、アプリケーションなどのプログラムに必要なソースコードの記述量を大幅に減らした開発手法を指します。
ローコード開発のメリット
ローコード開発は従来の開発に比べてプログラミング工程の労力を削減できます。プログラミングの知識は必要になるものの、ゼロベースでソースコードを書くことに比べて必要な人材や技術的なハードルを下げることができます。
ローコード開発のデメリット
ローコード開発のデメリットは、ノーコード開発と同様、開発可能なアプリケーションが開発環境に依存してしまう点です。複雑なアプリケーションの開発には適していないことに加え、ローコード開発だけに依存するとプラットフォームのサポートが終了した場合などに運用・保守が難しくなるリスクを抱える可能性があります。
代表的なローコード開発アプリケーション
ノーコード開発と同様、ローコード開発も現在では多くの組織から注目を集めており、さまざまなプラットフォームが提供されています。ここでは代表的なプラットフォームを2つご紹介します。
Microsoft PowerApps
Microsoft PowerAppsはマイクロソフト社が提供するローコード開発プラットフォームです。PowerAppsはMicrosoft Power Platformの一部であり、シンプルなアプリケーションであれば必要なパーツのドラッグ&ドロップなどで開発することができます。カスタマイズ性を持たせた開発も可能であり、柔軟でさまざまな環境に活用できるプラットフォームです。
Oracle APEX
Oracle APEXはOracle社が提供するローコード開発プラットフォームです。Oracle社自体がデータベースに強みを持った企業のため、データベースを活用するようなアプリケーションの開発に優れています。Excelなどで集計している業務データを収集・分析し、業務効率化を図ることも可能です。
ノーコードとローコードの違いとは
ノーコード開発とローコード開発の違いは、ソースコードの記述量です。ノーコードはソースコードの記述を一切しないのに対し、ローコードはソースコードを記述します。ローコード開発は多少のソースコード記述が必要になる分、ノーコード開発と比べて自動化処理やAPI連携などのカスタマイズ性が高いことも特徴です。
ただし、昨今ではMicrosoft Power PlatformのPower Automateのようにシステム連携させるサービスも出ているため、ノーコードでも自動化処理などのカスタマイズがしやすくなっています。
ノーコードやローコードはDX推進に役立つ?
ノーコード・ローコード開発はDX推進にも役立ちます。
経済産業省が公開しているDXレポートでは、日本においてDXが進まなかった場合に想定される経済的損失予測が最大で年間12兆円にも上るという「2025年の崖」が指摘されています。この「2025年の崖」が発生する大きな要因は、既存システムの複雑化・ブラックボックス化です。
その点、ノーコード・ローコード開発を取り入れれば複雑な開発を行わない分、属人化やブラックボックス化を防ぐことができ、DX化の推進もしやすくなります。
DX推進については以下の記事でも詳しくまとめています。ぜひ併せてご参照ください。
Qastの導入でファイル・進捗の管理・コミュニケーションが円滑に
ノーコード・ローコード開発を取り入れる場合であっても、開発中のコミュニケーションや進捗管理、ドキュメントなどのファイル管理は重要です。これらのファイル・進捗の管理、コミュニケーションの円滑化に適したツールが、ナレッジ経営クラウド「Qast」です。
Qastはシンプルな情報・ナレッジの蓄積・共有ツールで、誰でも簡単に画像やテキストなどのファイル共有が可能です。メンション機能などを使ったコミュニケーションも取りやすく、ノーコード・ローコード開発に適したさまざまな機能が備わっています。
まずは資料請求から、ぜひQastの各種機能を確認してみてください。
まとめ
今回は、ノーコード・ローコード開発の概要やメリット・デメリット、DX推進への効果などを解説しました。
ノーコード開発はソースコードの記述なしにプログラムを開発する手法、ローコード開発はソースコードの記述を大幅に減らし少ない労力でプログラムを開発する手法です。DX推進に繋がるメリットもあり注目を集めている開発手法を、ナレッジ経営クラウド「Qast」を活用しながら取り入れてみてはいかがでしょうか。
Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。