「ナレッジ」とは?ノウハウとの違いやビジネスでの活用方法について
「ナレッジ」と「ノウハウ」。
一見すると同じような意味に捉えがちですが、皆さんは正しい意味を理解していますか?
社内の人材の入れ替わりが激しくなり、今後は益々ナレッジやノウハウの活用が重要視されていきます。
そこで今回は、改めて「ナレッジ」と「ノウハウ」の意味を掘り下げ、社内で活用するための方法を考えていきましょう。
目次
ノウハウやナレッジを企業全体の生産性向上に用いるには、「Qast」のようなナレッジ経営クラウドの利用が最適です。
Qastには社内で生まれる疑問を投稿する「Q&A」や自らの知見を発信する「wiki」機能があり、それらを用いてノウハウやナレッジを蓄積することにより、組織のパフォーマンスを最大化できます。
さらに、誰でも使いやすい「シンプルさ」を追求したUIにより、さまざまな業種や職種で初めてツールを使う方でも簡単に操作できます。
ナレッジの意味とは
ナレッジ(knowledge)
- 知識・情報。
- 企業などの組織にとって有益な知識・経験・事例・ノウハウなど付加価値のある情報。→ナレッジマネジメント
【引用】コトバンク
ナレッジとは、「知識」「知見」といった意味の「knowledge」からきた和製英語です。一般的に使われるナレッジとは、そのままの意味で知識のことを指します。例えば、新聞や本など文章化された内容から得られる知識のことです。
一方で、ビジネスシーンにおけるナレッジとは、前述の引用の2にあたります。企業にとっての「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」のことを指します。生産性の向上や有効的な経営手法に役立つ重要な要素となっています。
ノウハウの意味とは
ノウハウはもともと英語のKnow-howに由来する言葉ですが、日本で使われるノウハウは「知恵」のような意味で捉えられています。この場合の知恵とは、「こうすればうまくいく」「これはうまくいかない」など、日々の業務における過去の失敗や成功の蓄積により獲得される方法論を指す場合が多いでしょう。
ノウハウについては下記の記事で詳しく解説しています。
ナレッジとノウハウの違い
では、「ナレッジ」と「ノウハウ」の違いとは何でしょうか。他の類語も交えて説明します。
- ナレッジ(knowledge)
- ノウハウ(know-how)
- エクスぺリエンス(experience)
- テクニック(technic)
- スキル(skill)
「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」
「手続き的知識」
経験。個人が実際に見たり聞いたりし、また実際に行うなど「体験から得た知識や技術」
技術・技巧・技法。
「処理する際の手段や方法」
技術・技能・腕前。
実体験を通して、「身につけた専門的な能力」。
ノウハウはどちらかというと「基本的な知識や技術」を指し、スキルは「深い理解に基づいた知識・技術」を指します。両者には、理解度や専門性といった点において違いが見られます。
テクニックは、マニュアル化がしやすく誰であっても一定の成果を期待できるものを指します。一方スキルは、個人の意思決定や状況判断などの側面があり、その人の資質によって成果が左右されます。また、テクニックは習得しやすい代わりに忘れやすいのに対し、スキルは習得に時間がかかる分、忘れにくいという点も異なります。
図に表すと、このようなイメージです。
ここで改めて「ナレッジ」と「ノウハウ」の違いについて着目しましょう。
ビジネスシーンで使用される「ナレッジ」は、前述のように組織や企業にとって有益な知識や情報、または付加価値のある経験を意味します。本や人との会話の中などから得られた表面的な情報が「ナレッジ」です。
「ナレッジ」は役に立つ情報の集まりですが、そのままでは意味がありません。これを実践に移していく必要があります。その経験の中で得られた情報こそが「ノウハウ」なのです。
「ナレッジ」=「知識」、「ノウハウ」=「知恵」と考えると2つの違いが理解しやすくなると思います。「ナレッジ(知識)」をもとに実際の業務の中で試行錯誤をして身につけた自分なりの「コツ」が「ノウハウ(知恵)」となります。
その「ノウハウ」をもとに、さらなる実体験の中で身につけられるのが「テクニック」や「スキル」となり、それを体系化(=言語化)することで更に新しい「ナレッジ」になるという流れです。このような流れを繰り返し行っていくことで情報量が豊富になり、あらゆる事象に対して即座に対応できるようになります。
ナレッジの関連用語
ナレッジとセットで語られることの多い関連用語の概要を解説します。
ナレッジマネジメント
ナレッジマネジメントとは、企業など組織にとって「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」であるナレッジをマネジメント(管理)することです。
社員が業務上で得た知識やノウハウは、個人の中に蓄積されていきます。例えば、「この顧客の対応は電話の方が良い」「目玉商品は左上の陳列棚の方が良く売れる」等、経験していくうえで培う知識は多々あるでしょう。培ったその知識をまた経験の中で活かしていくことで知識はさらに深まり、新たなナレッジへと変化を遂げます。そのサイクルが繰り返されることで、個人の中に自然とナレッジが蓄積されます。
ナレッジマネジメントは、この個人の中にあるナレッジを組織内で共有し、企業のものとして蓄積・有効活用することで、企業全体における生産性の向上を図る経営手法のことをいいます。
ナレッジマネジメントについては下記の記事で詳しく解説しています。
ナレッジベース
ナレッジベースとは、企業など組織にとって「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」であるナレッジをデータベース化し、すぐにナレッジを取り出せるようにしたものです。ナレッジは、ただ蓄積しただけでは過去の情報が埋もれてしまい、必要な情報を必要なタイミングで取り出すことが難しくなります。ナレッジをデータベース化したナレッジベースを構築すれば、蓄積した情報を誰でも簡単に取り出し、参照できるようになります。
ナレッジベースについては下記の記事で詳しく解説しています。
ナレッジワーカー
ナレッジワーカーとは、企業など組織にとって「有益な情報」「付加価値のある経験や知識」を生み出す知識労働者です。マニュアル通りに作業を行うマニュアルワーカーと異なり、自身の知識を活用して新たなアイデアや価値を生み出します。情報があふれる現代において、知識から企業の新しい価値を生み出すナレッジワーカーは非常に重要な存在です。
ナレッジワーカーについては下記の記事で詳しく解説しています。
ビジネスにおけるナレッジとは
では、ビジネスにおけるナレッジとはどのような意味を持つのでしょうか。
ビジネスにおける意味
例えば、
- 「あなたの前職でのナレッジはここでも活用できるね」
- 「ナレッジを蓄積させても活用しないと意味がないよ」
- 「ナレッジを部署内で共有しよう」
など、ビジネスシーンにおけるナレッジという言葉は、一般的な意味である「知識」と違い、「企業に対して有益であり、付加価値を生み出す事例や経験、体系的な知識」を意味しています。企業経営においてプラスになる要素と紐付けられた知識と考えると良いでしょう。
共有と蓄積で業務を効率化
ナレッジを共有・蓄積し適切なナレッジマネジメントを行えば、全社員が必要な時に必要な業務情報を知ることができる状態になります。結果として社員が業務を効率的に遂行できるようになると共に、ナレッジからまた新たなナレッジが生まれ、生産性が向上しやすくなります。人材育成も効率的に進められるようになるでしょう。
ナレッジを蓄積できる情報共有ツール5選
ナレッジやノウハウを属人化させず、社内に蓄積していくには、ツールの導入が有効です。ここからは、ナレッジマネジメントに役立つおすすめツールをご紹介していきます。
Qast
QastとはQ&Aとメモで社内の属人化を防ぐ「ナレッジ経営クラウド」です。いつでも、どこでも、誰でも使いやすい“社内の知恵袋”。
【こんな人におすすめ】
- ツールに慣れていない社員が多く、シンプルなツールを探している方
- 既にPDFやWordで文書化している情報を一箇所に集約したい方
- 投稿が活性化される仕組みが必要だと感じる方
- セキュリティを重視している方
導入企業数はすでに3,000社を超えている、日本発のナレッジマネジメントツールです。
「ヤフー知恵袋の社内版」のようなイメージで、誰でも簡単に質問や回答ができ、フォルダとタグで分類できるため、知りたい情報をすぐに探し出すことができます。また、セキュリティ面の担保や、サポートが充実している点も特徴です。
とにかくシンプルで使いやすく、はじめてツールを導入する方でも簡単に操作できるでしょう。
【主な機能や特徴】
【特徴】
- ファイル内の文字列を検索
- スコアで情報共有での貢献を可視化
- テンプレートを保存し、投稿作成の時間短縮ができる
- 既読人数、誰が既読か、を確認できる
- 大手向けのセキュリティプラン(IP制限、アクセスログ抽出、シングルサインオン、社員IDログイン)あり
特徴はシンプルな操作性の他、Q&A形式でも情報を溜められることです。
Q&Aとして社内でよくある質問や、お客様からよく聞かれる質問を蓄積しておくことで、何度も同じ質問に回答する時間を削減できます。
ナレッジマネジメントツールの選定において、検索機能は重要な要素の一つですが、Qastの場合、スピードが格段に早いためストレスがない上、精度も非常に高いです。
複数キーワードや投稿者名での検索、ひらがな検索時にカタカナも検索対象になる等、他のツールにはない機能を備えています。
また、投稿内にファイル添付しておくと、添付されたファイル内の文字列も検索対象になることがポイントです。この検索機能は、他のツールにはありません。
既にWordやPowerPoint、PDF化された文書が多い場合、Qastに添付しておくことで一箇所で情報が検索できるようになります。
また、チャットツール(Slack/Chatwork/Teams)と連携が可能なため、Qastで投稿した際にリアルタイムでチャットに通知できるため、最新の投稿の見逃しを防ぎます。SlackやTeamsであれば、チャットツール上で投稿した内容をボタン一つでQastに蓄積していくことも可能です。
その他にも階層式のフォルダ/タグ付けで分類、テンプレート保存、ピン留め、閲覧権限の設定、既読者の可視化、スマホでの使いやすさ、セキュリティ対応の充実等、シンプルながらも充実した機能を揃えており、最もおすすめのツールです。
Evernote
個人利用されている方も多いかと思いますが、ビジネスプランでナレッジマネジメントツールとして利用することも可能な情報整理ツールです。
【主な機能や特徴】
大きな特徴は、PDFや手書きの文字情報も検索対象になることです。
既に資料が溜まっていて、その中の文字情報を検索できるようにしたい場合におすすめです。
また、音声の録音機能やスマホからの音声入力にも対応しています。
元々スマホアプリでリリースされたこともあり、アプリの使い勝手は突出しています。
外出先でメモを取ることが多く、スマホアプリでの利用を前提に考えている方は、一度試してみると良いかもしれません。
Scrapbox
デジタルツールでありながら手書きの文書が作成できるツールで、現場ごとにタブレットが支給されており、図を使ってすぐにイメージを共有したい企業におすすめのツールです。もちろん、文字を入力して投稿することもできます。
【主な機能や特徴】
記事の分類は、階層式のフォルダやタグではなく、[ カッコ ]をつけて囲むだけでリンク化され、関連記事として表示されます。分類や整理は不要の考えの下、ページは単語のリンクを通じて自動で繋がり合い、簡単に検索できる状態を保ってくれます。
また、重要な情報はピン止めをすることで、漏れなく共有を促すことができます。
同時編集が可能で、編集権限さえあれば複数人で書き込んでいくことができます。全ての変更がリアルタイムに閲覧できます。
インターフェースが英語のため、グローバルでの利用に適しています。
CSS、JSで表示をカスタマイズできるため、カスタマイズすることを考えると少し上級者向けのツールと言えるでしょう。
Slack
チームのコラボレーションを促進するビジネスチャットツールです。
【主な機能や特徴】
チャット形式のため、メールのような挨拶文や定型文は存在せず、すぐに本題に入ることができます。
1対1のチャットはもちろんのこと、会話の内容ごとにチャンネルを作ってコミュニケーションを分類することが可能です。部署やチーム、プロジェクトごと、または社外とのやり取りなどチャンネルを使い分けて整理ができます。
誰でも使いこなせるシンプルなUI(ユーザーインターフェース)や、動作のスムーズさ等、使い勝手の良さは抜群です。外部ツールと連携しておけば、さらに利便性が増すことはメリットの一つでしょう。
また、Slackではリアクションボタン(絵文字)を押して、「いいね」以外の反応を返すことができます。絵文字をオリジナルで作成(カスタム絵文字)することも可能で、無機質なテキストにも感情が伝わります。その他、ビデオ通話機能もあり、オンラインミーティングを行うこともできるでしょう。
Chatwork
国産のチャットツールであるChatworkは、メール・電話・会議に代わる社内コミュニケーションツールとして成長を遂げています。
【主な機能や特徴】
テクノロジーに精通していない人でも簡単に使えるのが特徴です。
そして機能がとにかく豊富なことがメリットと言えます。
チャット機能の他にも、ビデオ通話/音声通話、タスク管理、ファイル共有なども可能です。チャット機能一つにしても、6つの機能が備わっているなどさまざまな使い方ができるツールです。
その他の特徴として、マルチデバイスに対応、ショートカットキーの豊富さ、そして他サービスとの連携が挙げられます。
まとめ
「ナレッジ」と「ノウハウ」の違いについて、理解を深められたでしょうか。
両者の言葉は一見似通っているような印象を受けますが、知識を裏付ける経験の有無という点で違いがありました。しかしどちらにも共通して言えることは、ビジネスシーンにおいて欠かせないものだということです。日々個人の中で蓄積されていく「ナレッジ」や「ノウハウ」を企業としての「ナレッジ」として保存することが重要です。属人化したままでは、将来社内の財産ともなり得る有益な知識は失われてしまうかもしれません。
その対策として、今回紹介したナレッジマネジメント用のツールを導入し、社内で蓄積することが当たり前になる風土を醸成しましょう。
そのようなツールを活用することでノウハウが生まれ、さらなるナレッジの蓄積という素晴らしいループが回り始めれば、業務効率が大きく改善され、品質の安定化を実現できるでしょう。
Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。