自己解決とは?自己解決力を高めるメリットや自己解決力が高い人の特徴を紹介

「自己解決」はさまざまな場面で耳にする言葉ですが、しかし、何を指しているのか具体的に説明できないという方も多いのではないでしょうか?

この記事では、自己解決の意味や定義、自己完結との違い、自己解決力を高める方法やメリットをご紹介します。

自己解決とは?

自己解決とは、ある人物が自分自身の力で問題(課題や疑問など)を解決することです。ビジネスシーンでは「顧客視点」と「社員視点」の2種類があります。

  • 顧客視点:顧客がサポート窓口などに質問せず自ら問題を解決すること
  • 社員視点:社員が上司や同僚などに質問せず自ら問題を解決すること

この記事でご紹介する「自己解決」は後者、社員視点のものです。自己解決力の高い社員を育成し、自社の生産性を飛躍的に高める方法を解説します。

まずは、自己解決にまつわる基礎知識、また関連用語との違いを確認しましょう。

自己解決の定義

自己解決という言葉に統一的な定義はありません。コトバンクでは、「自己」と「解決」について、それぞれ以下の通り定義しています。

じ‐こ【自己】
  1. おのれ。自分。自身。「自己を欺く」
  2. 哲学で、同一性を保持して存在するあるものそれ自身。人格的存在以外にも用いられる。⇔他者。

【引用】コトバンク

かい‐けつ【解決】
  1. 問題のある事柄や、ごたごたした事件などを、うまく処理すること。また、かたづくこと。「紛争を解決する」
  2. 疑問のあるところを解きほぐして、納得のいくようにすること。また、納得のいくようになること。「疑問が解決する」

【引用】コトバンク

2つを組み合わせると、自己解決とは「自分自身で問題をうまく処理したり疑問を解消したりすること」だと定義できます。

自己解決力の意味

自己解決力とはその名の通り、自己解決ができる力、または、どの程度の問題まで自分自身で解決できるのかを意味する言葉です。具体的には、以下のような能力を複合的に要します。

  • 問題発見力:何が問題なのか本質を見極める力
  • 問題解決力:問題に適した解決策を検討する力
  • 創造力:過去事例にとらわれない解決策を生み出す力
  • 実行力:検討した解決策を実際のアクションに移す力

自己解決力が高い社員は、困難に際して何が問題なのかを自ら見極め、必要な解決策を検討し、実行できます。反対に、自己解決力が低い社員は、本質から外れた部分に注力したり、一人では適切な解決策を見つけられずにそこで業務が停滞してしまったりします。

自己完結との違い

自己解決に似た用語として挙げられるのが「自己完結」です。自己完結とは、自分の中だけで何かを納得したり解決したりすることを指します。

自己解決と自己完結は、強調されるニュアンスに違いがあります。自己解決は自分で問題を解決できるという、独り立ちした強さを示すポジティブな意味で使われます。

一方、自己完結という言葉では独りよがりな側面が強調され、ネガティブな意味合いで用いられる傾向にあります。

自己解決の重要性や高めるメリット

社員やチームメンバーがそれぞれ自己解決できる状態であることは、集団としての生産性を高めるために重要です。「○○さんと連絡がつかないから」といった業務の停滞を防げるのはもちろん、自分で問題を解決した経験が自信や誇りを生み出し、仕事へのモチベーションを高めてくれます。

また前述の通り、自己解決力は問題発見力、問題解決力、実行力などさまざまな能力で構成されています。自己解決力を高めることは、ビジネスパーソンとしての飛躍に役立つこれらのスキルを鍛えることに直結します。それによって社内・チーム内の人材のレベルアップを図れることも、自己解決力の向上に取り組むメリットです。

自己解決力がある人の特徴

では、どのような人物が自己解決力があるといえるのか、その特徴・人物像を確認していきましょう。

論理的思考を持っている

自己解決力のある人は、物事を体系的に理解し、感情や直感に頼らない客観的な分析をする考え方=論理的思考(ロジカルシンキング)ができます。

問題を自己解決するためには、原因と結果を対応させ、「それなら次はこう行動すべきだ」と筋道の通った解決策を見出す必要があります。その過程において論理的思考は必須のスキルです。

行動力があり報連相が上手

自己解決力のある人は、自ら問題を解決すべく動き出す行動力に加え、報連相の巧みさにも優れています。

自己完結とは異なり、自己解決力のある方は独りよがりではありません。不要な確認は省いたうえで問題の解決後に報告ができたり、独力では困難だと判断した場合は速やかに上司へ申し出たりと、柔軟なコミュニケーションを取ることができます。

タスクや課題に対して優先順位つけができる

タスクや課題の優先順位を見極められるのも、自己解決力のある人の強みです。自己解決力の低い方は業務の本質が理解できず、ベテランから見るとさほど意味のない作業に注力してしまうことがあります。

一方、自己解決力のある人は本質を見極める力に優れているため、取り組むべき作業の取捨選択ができます。応用の利く人材として幅広い業務で活躍が可能です。

必要なリソースや時間を正確に予測できる

自己解決力のある人は、論理的思考を活かして問題の対処に必要なリソース・時間を正確に見積もることができます。

そして、予測の結果を元に、「現実的に問題を解決できるのか」「独力で対処すべきか協力を求めるべきか」「ほかの課題との優先度合いは」「そもそも解決コストに見合った価値はあるのか」などと思考を深められます。

上司やリーダーに言われたままに作業をする指示待ち人間ではなく、主体的に行動できる高度な人材が自己解決力のある人です。

社内・チーム内の自己解決力を高める方法

社内・チーム内の自己解決力を高める方法

社内・チーム内の自己解決力を高める方法には、大きく次の4種類があります。

課題・問題の本質を考える

まず取り組むべきは、課題や問題の本質を考える習慣を社内・チーム内に浸透させることです。自己解決は問題の本質を見極める作業から始まるものであり、そこが見えていなければ課題の解決は円滑に進みません。

リーダー視点では、単に「○○をして」と命令するのではなく、作業の意図やゴールを共有する工夫が日頃から求められます。日々の業務も、「何のための作業なのか」「理想のゴールはどのような内容か」を担当者が理解していれば、的外れなアクションは少なくなるでしょう。

色々なフレームワークを試してみる

自己解決力を高めるための具体的な方策として、論理的思考力が身に付くフレームワークの活用もおすすめです。代表的なフレームワークには以下が挙げられます。

フレームワーク名概要
MECE
  • 物事を整理するためのフレームワーク
  • 「Mutually(お互いに)」「Exclusive(重複せず)」「Collectively(全体に)」「Exhaustive(漏れがない)」の4つの観点から要素を分類していく
  • 読み方は「ミーシー」
As is / To be
  • 現状(As is)と理想(To be)の比較を行うフレームワーク
  • 両者のギャップから必要な要素・行動を洗い出す
  • 読み方は「アズイズ」「トゥービー」
ロジックツリー
  • MECEを踏まえた、思考整理に役立つフレームワーク
  • 樹形図を用いて物事を深掘りしていく
  • 「要素分解」「原因追及」「問題解決」「KPI」の4種類のツリーがある

上記のなかでもMECEは論理的思考の基礎として重宝されており、ロジックツリーのような応用的なフレームワークの活用にも繋がります。

詳細は以下の記事をご確認ください。
MECE(ミーシー)の概念や必要性とは?フレームワークの活用方法についても解説
ビジネスにおいて物事を論理的に思考するロジカルシンキングは非常に有効です。しかし、具体的にどのような思考をすれば良いのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。そんな時役立つのが「MECE(ミーシー)」です。 この記事では、MECEの概要やロジカルシンキングに役立つフレームワーク、活用方法を解説します。

なぜ問題が発生したのか・失敗したのか分析する

フレームワークを有効に活用するためには、あらゆる物事に「なぜ?」と理由を探る視点が求められます。なぜ問題が発生したのか、なぜ作業の失敗が発生したのかと深掘りしていくことで論理的思考が身に付き、自己解決力も鍛えられます。

社内・チーム内に「なぜ?」の視点を浸透させる方法には、なぜなぜ分析の導入が有効です。

なぜなぜ分析とは、ある事柄に対してあらかじめ決めた回数の「なぜ?」を見つけ出し、原因や解決策を探る方法です。詳細は以下の記事で解説しています。

なぜなぜ分析のやり方や活用方法とは?ポイントや注意点についても解説
なぜなぜ分析のやり方や活用方法とは?ポイントや注意点についても解説
ビジネスにおいてトラブルが発生した際には、迅速に対処を行うのはもちろん、いかに再発防止を図るかも重要です。 問題の再発を防止する際、製造業やITベンダーを中心に広く利用されている手法が「なぜなぜ分析」です。この記事では、なぜなぜ分析の方法や活用法、注意点などを解説します。

ツールを導入する

論理的思考や「なぜ?」の意識の熟成と並行して、自己解決しやすい環境を作るためのツールの導入も重要となります。

たとえば、過去に発生した問題の原因・対処法・結果を手軽に検索できるITツールがあれば、社員が自ら情報を調べることができ、独力で問題を解決しやすくなります。

自己解決を推進するためには、このような問題解決のハードルを下げる工夫も取り入れるようにしましょう。

社内・チーム内の自己解決力を高めるためにQastの導入を!

Qast

社内・チーム内の自己解決力を高める具体的なITツールをお探しの際は、Qastの導入をご検討ください。

Qastの機能

Qastは組織の知の循環を目指したナレッジプラットフォームです。シンプルな操作のコミュニケーションツールで、社内版の知恵袋やWikipediaのような機能があり、個人の中に散らばりがちなナレッジの集約を実現します。

たとえば、新人の質問に対して口頭で回答するようなケースでは、翌年以降も次の新人との間で同じようなやり取りが発生することが想定できます。しかし、Qast上に質問と回答を蓄積できれば、翌年の新人はその情報を検索するだけで自己解決できるようになります。

検索アルゴリズムの質が高く、必要な情報を簡単に取り出せるのもQastの特徴です。たとえば、「テレワーク」と「リモートワーク」のような同義語は自動的に同じ意味とみなして検索するため、わずかな表記のブレで情報が出てこない非効率な事態を避けられます。

事例

小売り・フィンテック業の分野で活躍する丸井グループは、Qastを活用して社内の自己解決を促進することに成功しています。

年に2度、会社の垣根を越えた1,000人~2,000人単位の人事異動がある丸井グループでは、グループ内の情報共有に大きな課題を抱えていました。人事異動の後には担当部門への電話による問い合わせが急増し、その対応に追われるなど、生産性のない業務に時間を取られていました。

そこで、疑問を検索し自己解決できる知識の集合場所としてQastを導入。ツール内にナレッジを蓄積していった結果、「とりあえずQastで調べる」という自己解決の習慣が社内に浸透したそうです。

グループ全体で共有して自己解決を促進。もうQastがないと困ります

まとめ

自己解決を促進することは、社内・グループ内の生産性を高めるために重要です。ただし、実際に促進を図るには、物事の本質を捉えるなどの意識付けはもちろん、問題解決のハードル自体を下げることも求められます。

自己解決の促進を図りたいとお考えの際は、高度な検索機能を持ち誰もが疑問を自己解決しやすくなる「知識の集合場所」Qastの導入をぜひご検討ください。

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