ファイリングとは?目的やコツ、実践方法を紹介
業務のなかで当たり前のように行われているファイリングですが、適切なファイリングができていないと情報をすぐに探し出せず、無駄な時間が生まれてしまいます。では、効率的に情報を探し出せるファイリングはどのように行えばよいのでしょうか。
この記事では、ファイリングの種類や上手なファイリングのコツ、おすすめのツールなどを解説します。
目次
ファイリングとは
ファイリングとは、業務のなかで利用する書類を一定のルールに基づき整理・保存・破棄することを指します。紙文書は紙ファイリング、電子文書は電子ファイリングと分けて呼ばれることもあります。
書類は日々の業務で新しいものが作成されていきますが、きちんと整理されていないと必要な時に見つけることができませんし、古いものが破棄されなければ保管スペースを圧迫してしまいます。
近年はペーパーレス化が進み、電子文書として書類を保存する企業が増えていますが、すべての書類が電子文書に置き換えられるわけではありません。紙文書・電子文書のいずれであっても、ファイリングにより適切に文書を管理する仕組みを作ることが重要です。
ファイリングの目的
ファイリングを行う主な目的としては、以下の3点が挙げられます。
- 業務効率化を図るため
- 法律に対応するため
- セキュリティ性を高めるため
情報が整理して保存されていれば、どこにどの情報があるのかがすぐに分かり、効率的に情報を検索できるようになります。業務に必要な情報がすぐに見つかるため、業務効率化に繋がります。
また、契約書や請求書などの重要書類を法律に基づき適切に管理するためにもファイリングは重要です。会社法や電子帳簿保存法により、一部の書類は保管のルールが法律で定められています。法律に遵守した書類管理を行うためには、保管期間ごとに整理しておくことが重要になります。
セキュリティの観点でも、重要書類は施錠管理ができる場所で保管するなど、ルールを定めて適切に管理することが求められるでしょう。
ファイリングの種類
現在企業などで多く用いられているファイリング手法を4つご紹介します。
簿冊式ファイリング
厚型ファイルやバインダーなどにファイルを綴じ、棚に並べて保管する方法です。背表紙にファイルの内容を記載しておくことで、どのファイルに何の情報が保管されているのかが確認できます。
簿冊式ファイリングは保管スペースが大きくなりやすく、ファイルを綴じる作業に時間がかかる点がデメリットです。ただし、一度保管してからはファイルの順番が崩れにくく、時系列順に確認できるため、契約書やプロジェクト遂行資料の保管などに活用できます。
バーチカルファイリング
薄いクリアファイルに書類を入れ、ファイルボックスなどに垂直に立てて保管する方法です。どのクリアファイルに何の情報があるのかをシールなどで区別できるようにする手間はありますが、ファイルの出し入れがしやすい点が特徴です。定期的に閲覧・情報更新が必要なファイルの保管などに活用できます。
ボックスファイリング
レターケースなどにファイルをそのまま入れて保管する方法です。レターケースであれば引き出しごとに、ファイルボックスではボックスごとに入れる書類を分類しておけば分かりやすくなります。
ボックスファイリングの場合、同じ場所に書類を重ねて保管するため、書類の数が増えると目的の書類を探しにくかったり、書類の向きが上下逆に保管されていて見にくかったりというデメリットがあります。
一方、ファイルを綴じる作業が不要で管理の手間が少ないため、進行中の見積書や注文書など動きのある書類の保管に活用できます。
電子ファイリング
ファイルをPDFなどの電子データに変換して保管する方法です。電子ファイルは、ファイルサーバーなどに保存してネットワーク経由でアクセスできるようにすることでファイルの共有がしやすく、バックアップも取得しておきやすい点が特徴です。
ただし、アクセス権や保管ルールの整備が不十分だと、情報漏洩などのセキュリティインシデントに繋がりかねない点には注意が必要です。
ファイリングのコツやポイント
続いて、ファイリングのコツやポイントをまとめて解説します。
なお、業務を効率化する文書管理の方法については以下の記事でも詳しく解説しています。
不要な書類と必要な書類を分ける
保管スペースの圧迫や古い情報を手にしてしまうリスクを考えると、定期的に必要・不要な書類を棚卸しし、不要な書類は破棄すべきです。
保管期間が定められている書類は継続して保管が必要ですが、情報更新によって古い書類が不要になった場合は、そのタイミングで破棄しましょう。
カテゴリを明確化する
すぐに必要な書類を見つけられるよう、文書のカテゴリを明確化しましょう。たとえば契約書でも、財務関連なのか人事関連なのかがカテゴリ別で分かりやすくなっていれば、必要な書類を探しやすくなります。業務に適した単位でカテゴリ分けを行いファイリングするのがポイントです。
色で分ける
視覚的に文書を見つけやすいよう工夫するのも有効です。
たとえば、機密文書は赤のバインダーに保管するといったルールを決めておけば、不適切な場所に保管されたり不用意に破棄されたりということを防げるでしょう。
背表紙にシールなどを貼って色分けすることもできますが、シールを貼る・剥がす手間などが生まれるため、できるだけ負担が少ない方法で色分けを行うのがおすすめです。
ファイル名はパターン化する
ファイル名はパターン化して読みやすくしましょう。
- 【案件名】_契約書_2023xxxx
- 令和◯年◯月◯日_契約書(案件名)
同じ契約書でも、上記のようにファイル名がバラバラになっていると、ファイル名から情報を読み取るのに時間がかかります。ファイル名はパターン化し、どの部分にどの情報を記載するか明確にしておきましょう。
職種ごとにルールを設ける
企業が管理する文書にはさまざまな種類があり、たとえば、契約関連を扱う財務とシステム関連資料を扱う情報システムでは、どのようにファイリングするのが適切なのかが異なります。職種ごとにルールを設け、それぞれに適したファイリングを行いましょう。
文書管理システムの導入を検討する
文書を電子化して管理する際は、文書管理システムの導入がおすすめです。文書管理システムでは登録した文書がすぐに検索でき、必要な情報を必要なタイミングですぐに取り出せます。
また、電子帳簿保存法に対応しているツールであれば、特定期間は文書の修正・削除ができないなど、ヒューマンエラーによるトラブルを防げます。
今後社内文書を電子化して管理したい、既存の電子文書をシステマチックに管理したいとお考えの方は、文書管理システムの導入を検討してみましょう。
おすすめの文書管理システムは以下の記事で解説しています。
ファイリングする際の注意点
ファイリングは、ただやみくもにやればよいというものではありません。ファイリングを行う際に注意すべきポイントを解説します。
細かく分けすぎない
ファイルの分類は、細かすぎるとかえって分かりにくくなります。書類を見つける時間が増えるだけでなく、ファイリングを行う手間も増えるため、形骸化に繋がりやすいでしょう。あくまで社内で必要な粒度で情報を整理することが必要です。
ファイリングする時間を作る
日々の業務が忙しいからといってファイリングを後回しにすると、業務に必要な書類を探すのに時間がかかり、さらに業務負担が増すという負のループに陥ってしまいます。業務が忙しいなかでもファイリングがきちんと行われるよう、特定のタイミングでファイリング時間を確保するルールを決めておきましょう。
ファイリングにはツールの活用がおすすめ
電子文書のファイリングには、ツールを活用して取り組むのがおすすめです。ここではおすすめのツールを3つご紹介します。
Qast
【こんな人におすすめ】
- シンプルで使いやすいツールを探している方
- 汎用性の高いツールを探している方
- 文書の共有を迅速化したい方
【ポイント】
Qastはシンプルで誰でも使いやすいナレッジ・情報共有ツールです。初めてツールを使う方でも直感的に操作できます。電子文書化したPDF、Word、PowerPoint、ExcelをQast内にドラッグ&ドロップするだけで、投稿タイトルや要約をAIが自動生成。ファイルごとにナレッジの自動生成と投稿を実現します。また、ファイル内の文字列も検索対象になるので、必要な情報にいつでもアクセスできます。
文書はタグ付やフォルダ分けで整理して保管でき、アクセス権を設定することで必要な部署やメンバーのみへの共有とすることも可能です。セキュリティ対策が充実しているツールのため、機密文書の保管やテレワークでの社外閲覧などにも対応しています。非常に汎用性が高く、ファイリングに限らずあらゆるシーンで活用できる点も大きな魅力です。
【特徴的な機能】
- ファイルをドラッグ&ドロップするだけで投稿可能
- ファイル内の文字列も検索可能
- タグ付、フォルダ分けによる分類
- テンプレートによる投稿時間短縮
- 既読人数、既読者を確認できる
NotePM
【こんな人におすすめ】
- シンプルで使いやすいツールを探している方
- マニュアル類を管理したい方
- 外部と文書を共有したい方
【ポイント】
NotePMは、Qastと同様シンプルで使いやすいナレッジ・情報共有ツールです。階層式のフォルダで情報を分類・整理できます。こちらもファイル内の文字まで検索可能なため、必要な文書にスムーズにアクセスできます。
NotePMにはマニュアル類のテンプレートが複数あり、マニュアル作成・管理を効率化する際にもおすすめです。
【特徴的な機能】
- ファイル内の文字列も検索可能
- マルチデバイス対応
- 外部ページ共有
TOKIUM電子帳簿保存
https://www.keihi.com/denshichobo/
【こんな人におすすめ】
- 請求書と契約書など関連書類を紐づけて一元管理したい方
- 電子帳簿保存法対応のツールをお探しの方
【ポイント】
TOKIUM電子帳簿保存は、電子帳簿保存法に対応した文書管理システムです。紙文書の電子化には、高精度なオペレーター入力プランとAIを活用したAI-OCRプラン、自身で入力するセルフプランの3種類が用意されており、任意のプランで電子ファイリングが行なえます。登録した電子文書は関連文書と紐づけされオンラインで一元管理できるほか、電子帳簿保存法にそった保管ルールが自動適用されます。請求書や契約書など電子帳簿保存法に対応する必要のある文書管理におすすめです。
【特徴的な機能】
- 電子帳簿保存法に対応
- インボイス制度への対応も可能
まとめ
ファイリングは必要な文書をすぐに探し出すために重要です。しかし、日々業務が忙しいなかでは適切なファイリングが行われず、形骸化してしまうシーンも多いでしょう。
ファイリングを上手に行うためには、文書にあわせて保管方法を変え、できるだけファイリングの負担を抑えつつ、分かりやすい整理を行うことが重要です。
また、文書管理システムを導入することでもファイリングの負担軽減と文書管理の適正化ができます。ファイリングを効率的に行いたい場合は、ぜひ導入を検討してみましょう。