マルチタスクとは?シングルタスクとの違いや克服するためのコツを解説
近年、人手不足や業務効率化などを背景に業務の担当領域が拡大し、マルチタスクで業務を行うことが当たり前の現場が増えています。しかし、タスクを並行して行うこと、タスクの途中で別タスクが割り込むことに苦手意識を感じている方も多いでしょう。
ここでは、マルチタスクとシングルタスクの違いや、マルチタスクのメリット・デメリット、上手にマルチタスクを行うコツを解説します。
目次
マルチタスクの定義とは?
マルチタスクとは、複数のタスクを同時並行、もしくは短時間で切り替えながら同時進行で進めていく能力や手法を指します。たとえば、案件Aのアポイント調整を進めながら案件Bのプレゼン資料を作成する場合などがマルチタスクにあたります。
近年ではマルチタスクで業務を行う現場が一般化しており、業務遂行能力の一つとしてマルチタスクを求める企業が増えています。
シングルタスクとの違い
シングルタスクとは、一つのタスクに集中して業務を遂行することを指します。シングルタスクはタスクを個々に着手・完了していくためわかりやすい進め方ではありますが、必ずしもマルチタスクより効率的にタスクを進められるわけではありません。
シングルタスクとマルチタスクでどちらが効率的にタスクを進められるかは、職場環境やタスク内容、担当者の能力などによって異なります。
マルチタスクのメリット
では、マルチタスクの主なメリットを4つ解説します。
全体像が明確になる
マルチタスクの場合、複数の案件や業務領域のタスクを同時進行で行うため、業務の全体像を把握しやすくなります。
たとえば、複数の営業案件に対応していることで自社の顧客層の特徴を把握しやすい、営業だけでなくその後の事務処理も担当することで成約後も含めた一連の流れを把握しやすい、といったメリットが挙げられます。
業務の全体像が明確になれば、担当者の新しい気付きやスキルアップに繋がるでしょう。
複数のタスクを同時進行できる
日々業務を行っていると、突発的な割り込みタスクが入ることが多々あります。日頃からマルチタスクの能力を鍛えていれば、重要度や緊急度に応じて柔軟に、かつ同時進行で立ち回れるようになるでしょう。
円滑なコミュニケーションが取れるようになる
マルチタスクにより業務の全体像が把握できていると、上司や部下、関連組織などとのコミュニケーションが円滑になります。特定領域の視点だけでなく全体的な視点を持つことで、相手がどのような情報を求めているのかが判断しやすくなるためです。
コミュニケーションが円滑になれば、タスクをより効率良く進められるようになります。
タスク進行がスムーズになる
類似したタスクや関連するタスクにまとめて対応することで、タスクを効率良く進められます。
また、マルチタスクにより得られた別案件の実績や他の業務領域の知識を活かすことで、よりスムーズなタスク進行にも繋がるでしょう。
マルチタスクのデメリット
マルチタスクには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
主なデメリットを3つ解説します。
生産性が低下してしまう可能性がある
マルチタスクでは、一つのタスクの合間に複数のタスクを行うことになるため、頭を切り替えるのに時間がかかり、生産性が低下する可能性があります。
過去の対応内容を思い出すのに時間がかかりタイムロスが発生する、集中力が散漫になりミスを誘発するなどの問題に注意が必要です。
プレッシャーを感じてしまうことがある
マルチタスクでは常にさまざまなタスクに対して頭を働かせる必要があるため、焦りやプレッシャーを感じやすくなります。常に時間に追われている感覚が生まれ、担当者の心理的負担が大きくなる点に注意が必要です。
マルチタスクにより脳にストレスがかかり、時間が細切れになった感覚に陥る現象は「時間汚染」と呼ばれ、今やるべきことに集中できなくなる要因と考えられています。
キャパシティーオーバーを招く恐れがある
マルチタスクでは、抱えているタスクの内容や優先度、納期、自分のタスク処理能力などに応じて適切なスケジューリングを行う必要があります。しかし、一度計画が狂うとそこから立て直しが効かなくなり、キャパシティーオーバーに繋がるケースが多くあります。
マルチタスクを行う際は、担当者がキャパシティーオーバーにならないよう、適切にフォローできる環境が重要です。
マルチタスクが苦手な人の特徴
マルチタスクのメリット・デメリットを踏まえ、マルチタスクが苦手な人の特徴を見てみましょう。
完璧主義な人
一つひとつのタスクを完全に終わらせてから次に進みたい、ミスが許せないという完璧主義の人は、マルチタスクに向いていない傾向にあります。
一つのタスクに時間をかけすぎてしまうため、他のタスクがおろそかになり、タスクの遅延を招きやすいでしょう。
優先順位が付けられない人
業務に優先順位が付けられない人は、抱えているタスクをまんべんなく進めていこうとするため、柔軟にタスク進行を行うことが苦手な傾向にあります。
緊急度・重要度の高いタスクが入ってもそれ以外のタスクを優先してしまうため、タスク遅延によるトラブルが発生しやすいでしょう。
スケジュール管理が苦手な人
スケジュール管理が苦手な人は、目の前にあるタスクから着手し始めるため、マルチタスクに向いていない傾向にあります。
当初は納期が十分にあり、優先度の低かったタスクでも、後回しにし過ぎて納期間近になってくると優先度が一気に上がります。計画的にタスク進行ができていないと、常に納期間近のタスクに追われ、キャパシティーオーバーを招きやすいでしょう。
マルチタスクを克服するためのコツ
マルチタスクが苦手な人でも、マルチタスクを上手に進めていくコツはあります。以下の4つのコツを意識してみましょう。
現状のタスクを洗い出す
自分が現在抱えているタスクを洗い出し、把握できるようにしましょう。全体的なタスクが見えていないと、目に付いたタスクから着手してしまい、場当たり的な対応になりがちです。
頭のなかだけでなく、できるだけ視覚的に、タスク内容や優先度、期日などを一覧で把握できるようにしましょう。
時間を決めて取り組む
一つのタスクに時間をかけ過ぎないことはマルチタスクにおいてとても重要です。
脳への負担や集中力の観点でも、外的要因ではなく自分でタスクを切り替えることが有効とされています。
タスクにかける時間をあらかじめ決めておき、完璧でなくてもその時間内に終わらせることを目標にしましょう。
関連するタスクはまとめて進める
類似するタスク、関連するタスクはまとめて進めたほうが作業効率は良くなります。
タスクを洗い出した際、タスクの分類もあわせて行い、どのタスクが類似・関連しているのかをまとめておきましょう。
ツールを活用する
タスクの数が増えれば増えるほど頭のなかだけでは管理できなくなり、紙やデータにタスク状況をまとめる負担も大きくなります。
タスク管理に適したツールを活用すれば、タスクの洗い出しや進捗管理が効率化でき、マルチタスクを上手に進められるでしょう。
タスク管理のためのツールを活用しよう
マルチタスクを上手に進めるために、タスク管理ツールの活用をおすすめします。タスク管理ツールのなかでもおすすめなのが、社内におけるナレッジ・情報共有に適したナレッジ経営クラウド「Qast」です。
Qastを活用すれば、タスクの洗い出しや分類がしやすくなる他、テンプレート活用によるタスク整理の効率化、進捗共有による組織内での連携強化が実現します。
マルチタスクは担当者の心理的負担やキャパシティーオーバーのリスクが大きく、フォローできる環境が欠かせません。Qastを使って担当者のタスク状況を把握できるようになれば、マネジメントの面でも役立つでしょう。
Qastなどのタスク管理ツールについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
マルチタスクとは、複数のタスクを同時進行で進めていく能力や手法を指します。マルチタスクを行えば、担当者の視野が広がり、効率的なタスク進行やコミュニケーションの円滑化、担当者のスキルアップなどに繋がります。一方、生産性の低下や担当者の心理的負担、キャパシティーオーバーには注意する必要があるでしょう。
マルチタスクのデメリットを抑え、上手にマルチタスクを行うためには、タスク管理ツールの活用がおすすめです。ここで紹介したコツやタスク管理ツールを参考に、すべてのスタッフがスムーズにマルチタスクをこなす環境を実現しましょう。