社内FAQの作り方とおすすめツール10選を紹介!自己解決で効率アップ
「FAQ」とは‟Frequently Asked Questions”の略で、頻繁に尋ねられる質問のことをいいます。
皆さんがよく見かけるシーンとしては、ホームページ上の「FAQ」や「よくある質問」などでしょうか。FAQツールとは、顧客や社内でよくある質問や問い合わせを質問と回答の形式でデータベース化し、回答を簡単に検索することができるツールです。
今回はFAQツールを社内で蓄積して活用することのメリットや、おすすめのツールをご紹介していきます。
目次
社内FAQを作る際は、ナレッジ経営を促進させる「Qast」のようなツールの利用が適しています。
Qastはシンプルで使いやすい操作性を実現しているため、社内の誰もがストレスなく社内FAQを作成できます。
さらに、Qastにはフォルダ作成機能やタグ付け機能が備わっているため、自分が探したいFAQを無駄な時間をかけることなく見つけられます。
社内FAQとは?
誰もが思う疑問や何度も聞かれる質問。社内におけるそんな「よくある質問とその回答」をまとめたものが社内FAQです。
誰もが簡単に社内FAQを参照できれば、知っていそうな人を探したり回答のための情報を集めたりする手間が省けます。また、社内FAQの量と質が充実すれば自己解決できる比率が高まり、業務効率がアップします。
FAQとQ&Aの違いとは?
Q&Aとは質問と回答のことですが、FAQはQ&Aの中から「よくある質問と回答」を選び出したものです。つまり、社内FAQを作るためにはまず社内Q&Aを集めることが必要になります。
社内Q&Aについて下記の記事でも詳しくまとめています。ぜひ併せてご覧ください。
社内FAQを導入するメリットとは?
社内FAQを導入するとどのようなメリットが得られるのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。
問い合わせや顧客応対の効率が上がる
社内FAQ導入の最大のメリットは、社員からの問い合わせ対応の効率化です。同じ内容の質問への回答を都度行う手間を減らせます。さらに、社内FAQがまとまっていることで知りたい情報にたどり着くスピードが速まれば顧客応対の品質も上がり、顧客満足度の向上に繋がります。
新人教育にかかるコストが削減される
社内FAQはこれから業務に携わる新人にとってはノウハウの宝庫といえるものであり、新入社員の成長に大いに役立ちます。それにより、新人教育のコスト削減にも貢献します。
ナレッジが蓄積される
社内FAQには会社のナレッジの多くが蓄積されます。そのため、仮に社員の入れ替わりがあった場合に引き継ぎがうまく行われなかったとしても、社内FAQを会社のナレッジとして共有することでスキルやノウハウを継承していくことができます。
社内FAQはツールで管理するのがおすすめ
業務にさまざまなメリットをもたらす社内FAQですが、紙などを使ったアナログな管理では情報が探しにくく、また更新されにくい面があります。更新がなされず古いままの情報をFAQとして使ってしまうと業務が非効率になりかねません。
そんな場合はデジタルツールで社内FAQを管理するのがおすすめです。社内FAQツールを利用すれば、FAQの登録・更新・参照がしやすくなり、効率化に大きく貢献します。
社内FAQの導入で業務が効率化された例
エンジニアのスクール運営・人材派遣業を手掛ける株式会社ポテパン様は、Qastを導入し、講師と受講生が利用できる社内FAQを構築しました。以前利用していたSlackでは情報が流れやすく見失いやすいという課題がありましたが、社内FAQであれば情報の蓄積ができ、過去の情報を検索して自己解決できるようになりました。また、講師の負担が減るだけではなく、受講生もすぐに回答が得られることで、効率的なスクール運営が可能になりました。
社内FAQツール導入のメリット
社内FAQを蓄積し管理するにあたって、ツールを導入することのメリットを具体的に見ていきましょう。
現場対応のスピード向上
社内FAQツールを導入する最大のメリットは、なんといっても問い合わせへの対応のスピードアップです。
特に顧客からの問い合わせを受ける部門においては、即時性が重視されます。
回答者の頭の中にすべてのQ&Aが記憶されていれば、すばやく対応できるかもしれません。しかし問い合わせの数や種類が増えていくと、個人の記憶だけで対応するには限界があるでしょう。
社内FAQツールで過去のFAQが参照できれば、同じような質問に対してすぐに回答することができます。
顧客対応の均質化
社内FAQツールの活用は、顧客対応の質にも好影響を及ぼします。
FAQを社内で共有し誰もが参照できれば、過去のFAQと同じ問い合わせに対しては、誰もが同じように適切な回答をすることができます。
FAQは社内のナレッジです。ナレッジを共有することで、誰が行っても均質な回答ができるようになるのは、ツールによるFAQ共有のメリットといえます。
陳腐化しない鮮度の高いFAQを実現
同じ問い合わせであっても、最新の回答は過去の回答とは異なるものになるかもしれません。そのため、単純に回答を記録していくだけでは質的に陳腐化してしまう恐れがあります。
社内FAQツールならば、紙などアナログな方法やExcelファイルの利用などと比べて新しいFAQの追加や共有が容易です。一度作っただけで終わらない鮮度の高い社内FAQが利用価値の高い状態で維持できるようになるでしょう。
社内FAQツール導入のデメリット
社内FAQツールの導入にはデメリットもあります。メリットだけでなくデメリットも理解したうえで導入を検討しましょう。
導入にコストがかかる
ツールの導入には当然コストがかかります。また、ツールそのものの料金だけでなく、導入のための環境づくりや適切な運用のための人員の配置も必要となります。それらにかかるコストと期待できるメリットを導入前に見積もっておきましょう。
まずは機能が制限された少額のプランからスタートし、活用状況に応じて機能を増やしていくといった使い方もおすすめです。
浸透しなければ無駄になってしまう
ツールは必要とする人の間に浸透し有効に活用されてこそ価値が生まれます。社内FAQツールの場合、FAQの数が十分でなかったり、必要な人がすぐに参照できる状態になっていなかったりすれば、ツールは無駄になってしまいます。
社内FAQツールの選び方
社内FAQとして利用できるツールは数多く登場しているため、選び方が非常に重要です。この項目では、選び方のポイントを3つご紹介します。
自社が必要としているシステム・機能があるか
社内FAQを作成するためのツールには、それぞれさまざまなシステム・機能が備わっています。一見すると多くのシステム・機能が備わっていたほうが便利に見えますが、多過ぎると使いこなすのが難しく、かえって業務効率化の妨げになることもあります。
社内FAQツールを選ぶ際は、投稿方法や検索、分類機能など、自社が必要としている要件を確認したうえで、それを満たすツールを選ぶようにしましょう。
使いやすい仕様になっているか
社内FAQを作成するにあたっては、ツールが使いやすいかどうかがとても重要です。利用できる社員が限定されると、蓄積される情報に偏りが出てしまいます。ITリテラシーが高くない人も含め、社員全員が扱えるユーザーインターフェースになっているか、直感的に操作できる機能になっているかなどの仕様をしっかりと確認しましょう。
他のツールと連携できるか
社内FAQツールは単体でも業務効率化に繋がりますが、他のツールと連携することでより大きな効果が得られます。たとえばコミュニケーションツールとして利用されるSlackと連携できれば、チャット上でやりとりした情報をFAQとして蓄積できるようになります。したがって、社内FAQツールを選ぶ際には社内で利用している他のツールとの親和性にも注目すると良いでしょう。
使われる社内FAQの作り方と運用方法
では、「使われる社内FAQツール」にするためにはどのような作り方や運用をすれば良いのでしょうか。6つのポイントをご紹介します。
FAQを整備するリーダーを決める
社内FAQの質と量を充実させるには社員がそれぞれ自発的に新しいFAQを追加・更新されていく必要がありますが、FAQを整備するリーダーは決めておきましょう。
社内FAQ整備リーダーは、社内FAQツールとそこに蓄積されたFAQを維持管理し、積極的に利用を呼びかける役割を担います。
徐々に増やしていく
利用者の自己解決を可能にするためには一定量の社内FAQの蓄積が必要です。しかし、大勢が一気にFAQを登録すると質的な調整が追いつかないことがあります。
まずはQ&Aを十分蓄積し、そこから徐々にFAQを選択する期間を設けるようにしましょう。十分な質と量の社内FAQが蓄積されれば、利用者の自己解決に結びつくような活用が可能となっていくはずです。
運用ルールを設ける
社内FAQの活用が始まったら、利用者全員が守るルールを設けます。たとえば、いきなり問い合わせをするのではなく、まずは必ず社内FAQを参照して解決の糸口を探ること、それで解決できずに問い合わせをした場合はその内容を社内FAQツールに登録することなどを盛り込むと良いでしょう。
また、利用者全員がしっかりとそのルールを守るよう、リーダーは運用ルールの周知に努めなければいけません。
定期的にブラッシュアップする
使われる社内FAQにするためには内容が常に更新されている必要があります。定期的に社内FAQの重複を取り除いたり、古いFAQを更新したりするなど、定期的なブラッシュアップを行い、鮮度と品質の高い状態を維持することが必要となります。
集計を行い解決率を向上させる
社内FAQでわかりにくい情報があると参照されることがなくなり、FAQとしての効果が薄くなってしまいます。FAQを見たユーザーが疑問を解決できたかどうかを集計するボタンを設置し、解決率を計測しましょう。解決率が低いFAQを改善していけば、より効果的なFAQが作成できます。
検索されているが設置出来ていないQAを作成する
ユーザーが検索している=疑問を抱えている内容を把握し、設置できていないQAがあれば積極的に作成しましょう。疑問を抱えている人が一人見つかれば、より大勢の人が疑問に感じている可能性があります。
早い段階でQAを設置できれば、効率的に疑問の解決に導くことができるでしょう。
おすすめの社内FAQツール10選
では、社内FAQの導入におすすめのツール10選をご紹介します。
Qast
【特徴】
「Qast」はとにかくシンプルなナレッジ経営クラウドです。シンプルな操作性で、誰でも簡単に社内FAQを作ることができます。
投稿されたQ&Aはフォルダとタグで分類でき、フォルダは階層式になっているため、大カテゴリ/中カテゴリ/小カテゴリなどと区分が可能です。タグ付けをうまく行っていれば、キーワードを入力せずともタグをクリックするだけで探したいFAQが見つかります。
また、質問者は匿名で疑問を投稿することができるため、質問しづらい内容でも聞きやすい環境をつくれるでしょう。質問や回答が投稿されたタイミングで、メールやSlack、Teams、チャットワークなどで通知を受け取ることができるため、投稿を見逃す心配もありません。
権限設定も柔軟に行うことができ、投稿者を限定する、閲覧者権限を持つ人のみが閲覧や検索を行うことができる、といった設定が可能です。管理者権限であれば、他者の投稿を編集することもできます。
加えて「エンタープライズプラン」にはダッシュボード機能があり、どのようなFAQが多く読まれているのか分析することも可能です。活用することで、自社にとって有益なナレッジは何かを効率良く見つけ出せます。
【対象者】
- 職種問わず
- 小規模〜大規模企業
- 誰でも簡単に質問/回答の投稿を行いたい企業
【Qast サービス紹介】
ALPHA SCOPE
【特徴】
「ALPHA SCOPE」は、顧客サポートに必要なナレッジ(社内FAQ・トラブルシューティング・ドキュメント)を作成からメンテナンスまで一元管理し、ユーザーの自己解決とオペレーターの業務効率向上を実現するクラウド型のナレッジソリューションです。お客様が自分で疑問を解決できるユーザー向けのFAQシステムと、お客様から問い合わせを受けたオペレーターが瞬時に回答を見つけられるFAQシステムの2種類に分けることができます。
編集も簡単に行えるため、プログラミングの知識があまりない人でも操作可能です。
【対象者】
- コンタクトセンターの顧客対応窓口
- オペレーターの負担軽減や人件費の削減を考えている企業
ドコモAIエージェントAPI🄬
https://www.nttdocomo.co.jp/biz/service/ai_agent_api/
【特徴】
「ドコモAIエージェントAPI」は、ドコモが提供する音声・テキストユーザーインターフェースをセットにした対話型AIのASP(Application Service Provider)です。GUIで簡単な対話を設定でき、AIMLを利用すれば複雑な対話の設定も可能です。
QAリストをもとに自動でFAQチャットボットを作成できるため、応対の手間がなくなります。お客様窓口として設定すれば、いつでもお客様の疑問や悩みを解決できるでしょう。また、LINE WORKS、Microsoft Teamsなどの社内向けチャットとの連携もできます。
【対象者】
- チャットボット形式の社内FAQを設置したい企業
- LINE、Teamsなどを導入しており連携できるツールを探している企業
TRUE TELLER
http://www.trueteller.net/knowledge/faq.html/
【特徴】
「TRUE TELLER」は野村総合研究所が自社開発したテキストマイニングツールで、世界情報技術産業会において「WITSAグローバルICTエクセレンスアワード2014」を受賞しています。
テキストマイニングツールとは、大量のテキストを分析し目的に応じた情報を抽出できるツール。微妙な表現の揺らぎも考慮した精度の高い検索ができ、必要なFAQを素早く的確に抽出することができます。社内FAQの利用状況や検索ログなどを材料としてさまざまな分析を行い、その結果をわかりやすく可視化することも可能です。
社内サーバーにインストールするオンプレミス型とSaaS型の2種類があり、企業に応じたインストール方法を選べることも魅力の一つです。
【対象者】
- コンタクトセンターの顧客対応窓口
- 顧客向けWEBサイト等でのFAQを提供し、入電数を削減したい企業
ナレッジリング
http://www.faq-system.com/index.html
【特徴】
「ナレッジリング」は、ユーザー間のQ&A機能、キーワード分析機能などを備えたクラウド型ナレッジ共有サービスです。一つの画面で記事や社内FAQの登録から公開まで行うことができ、PCスキルがあまりない人でも簡単に操作することが可能です。
また、ファイル内のテキストと文書(Word/Excel/PowerPoint/PDF)を含む「ファイル内検索」や、検索数・閲覧数が多い情報をトップ画面に表示させる「知識ランキング」機能によって、探している情報をすぐに見つけることができます。
【対象者】
- コンタクトセンターの顧客対応窓口
- 社内のナレッジ共有を簡単に共有したい企業
ヘルプデスクの達人
https://www.accelatech.com/product/faq
【特徴】
「ヘルプデスクの達人」は、ヘルプデスク向けのクラウド型FAQシステムです。問い合わせ対応に必要な情報を一元管理することで、オペレーターは情報を参照しながら、顧客対応を行えるようになります。
また、タグで社内FAQを分類することで、探している情報を絞り込むことができます。そのため、具体的な検索キーワードが思いつかなくても数回のクリックで簡単に検索結果まで到達することができます。ナレッジベースに蓄積されたナレッジの一部を顧客向けサイトに公開することも可能ですので、顧客自身が求めている情報を得ることも容易です。
【対象者】
- 社内に各種申請等の共通事項を共有したい企業
- 国内外の販売代理店/パートナー向けに商品マニュアルを作成したい企業
- 製品ユーザに対して、トラブル時の対応手順をマニュアルや動画を提供したい企業
Kintone
【特徴】
「Kintone」は業務ごとに独自のアプリを簡単に開発できるツールです。社内FAQ専門のツールに比べると、テンプレートを利用してアプリを作成するというひと手間がかかります。しかし、自社が使いやすいようにカスタマイズした社内FAQを実現することができる利点もあります。
【対象者】
- 社内FAQを独自にカスタマイズしたい企業
- さまざまなアプリを開発して業務効率化を行いたい企業/パートナー向けに商品マニュアルを作成したい企業
Stock
【特徴】
「Stock」は、多機能ではありませんが情報の蓄積に特化した機能を搭載しており、誰でも簡単に情報の蓄積ができます。
社外のクライアントや取引先のメンバーを人数無制限で招待できるため、社外メンバーにもナレッジ情報を共有したいという場合に便利です。
【対象者】
- ITの専門知識がない社員が多い企業
- 社外メンバーも含めたFAQ構築を行いたい企業
Zendesk
【特徴】
「Zendesk」はヘルプセンターに特化したFAQツールです。ユーザーが自力で問題解決ができるようになることで、カスタマーエクスペリエンスの向上が期待できます。もちろん社内FAQとしても活用可能で、社内のヘルプデスク業務の効率化にも役立ちます。
また、FAQの検索結果に他のブログやサイトの情報を表示することができるため、ナレッジを作る手間の削減も可能です。Zendeskが提供する他のソリューションと連携できる点も魅力といえるでしょう。
【対象者】
- カスタマーサービスを提供している企業
- 社内ヘルプデスク業務を効率化したい企業
Docbase
【特徴】
「Docbase」は「セキュアな情報共有」をコンセプトにした社内FAQツールです。シングルサインオンや2段階認証、操作履歴の保存機能などを実装しており、高いセキュリティを誇ります。そのため、テレワークなど社外で勤務する社員が多い企業におすすめです。エディターはQastなどと同様にシンプルですので、扱いやすい点も魅力といえます。
【対象者】
- シンプルなFAQツールを探している企業
- テレワークなど社外で勤務する社員が多い企業
まとめ
本記事でご紹介したように、ツールを活用して社内FAQを作成し、よくある疑問は自己解決する環境づくりが可能です。
ツールのトライアル期間やデモを利用して、どのような機能があるのか、容易に運用できそうかのチェックから始めてみるとよいでしょう。
社内FAQシステムを導入して、業務の効率化を目指しましょう。
Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。