導入したのに情報共有が進まない?ナレッジマネジメントツールが使用されない原因と企業側が行うべき施策
働き方の多様性が求められる現代において、ナレッジマネジメントに取り組む企業が増えてきています。
一方で、組織内のナレッジ管理を目的に、コストをかけてツールを導入したものの、定着化せず活用しきれていないといった悩みを抱える企業も多いのです。
ナレッジマネジメントツールにおいては導入よりも定着化させることが大切で、情報共有が積極的に行われる場をつくる必要があります。
今回は企業がナレッジマネジメントツールを導入しても使われない原因や、効果的な運用を続けていくために必要な取り組みを解説します。
目次
ツール導入企業の悩み
ナレッジマネジメントの一環でツールを導入するかどうかは経営層に一任されるため、さほど難しくはありません。
企業が抱えている悩みの種は、ナレッジマネジメントツールが職場に定着化せず使われないということです。
いくら企業側がナレッジマネジメントに取り組もうとしても、従業員側が能動的でないとナレッジマネジメントの効果を得ることができないものです。
ツールを導入した企業の悩みを解決するためには、ナレッジマネジメントツールを活用できるような仕組みをつくることが重要であるといえます。
ツールが使われない原因
ナレッジマネジメントツールの導入・情報共有の促進をするためには、ツールを使ってもらえない原因を探すところからはじめてみましょう。
ここでは一般的に考えられる4つの原因を解説します。
経営層のトップが導入したツールを使っていない
どの企業においても見落としがちな原因として、ナレッジマネジメントツールの導入を決めた経営層のトップたちがそもそもツールを使っていないという点が挙げられます。
従業員をマネジメントする立場のトップ層が「情報共有するためのツールを導入したからあとはすべて任せる」といったやり方では誰もついてきません。
ナレッジマネジメントツールを導入して一任するのではなく、自らが積極的にツールを活用し、情報共有していくことが大切です。従業員に能動的な行動を求めるのではなく、自分から積極的に行動することで従業員にも参加を促すようにしていきましょう。
従業員がツールの利用メリットを十分に理解していない
ナレッジマネジメントツールを使うことによって、従業員にどのようなメリットがあるのかを理解していない場合があります。
例に挙げると、営業マンは自分が働いていくなかで得たナレッジを共有するメリットを感じづらいといえます。なぜなら、業績を上げるためのノウハウを共有したことによってほかの営業マンが業績を上げられるようになり、相対的にナレッジ共有した営業マンの評価が下がってしまうからです。
営業マン以外にも本来の業務に「ナレッジ共有」というタスクが追加されるため、勤務時間の貴重な時間を割いてまで実行するメリットがなければ動きづらいものです。
企業にとってはメリットしかなくても、従業員にとってメリットを感じられなければ情報共有は促進できず、ツールを活用する機会は訪れないでしょう。
これまで使っていたメールやファイル共有から脱却できない
ナレッジマネジメントツールに限らず、新しい制度や規則を導入し、定着化させることは大変です。
なぜなら既存のツールで回っていた組織のサイクルを組み直さなければならないからです。
情報共有にはその場で発信する「フロー型」と、マニュアル化して知識財産として共有する「ストック型」の2種類に分けられます。
フロー型ではメールでの伝達を行い、ストック型ではドライブでのファイル共有などを行う方法が一般的です。
すでにメール・ファイル共有といった方法が定着化しているため、すべての情報共有をツールに統一するためには情報共有の仕組みを一から構築する必要があるのです。
ツールの操作性が悪い
ナレッジマネジメントツールで情報共有することに抵抗がなくても、ツール自体の操作性が悪く、積極的に使いたいと思えないといった原因もあります。
とくに情報共有は日報をはじめ、毎日のように行う場合が多いです。ツールの操作性が悪いとそれだけでストレスを生み、業務効率も下がってしまいます。
ツールそのものが原因の場合は、自社が求めている機能を持ちながら毎日使いたくなるような操作性であることが重要です。
導入後に運用を続けていくために必要なこと
ナレッジマネジメントツールを導入し、社内での情報共有を活発化させるためには、ただツール導入すれば良いというわけではありません。導入したあとの運用においてどのような対策を行うかが重要です。
ここからは、ナレッジマネジメントツールの運用を続けていくために必要なことについて解説します。
ツールへの理解力を高める
ナレッジマネジメントを行うにあたって、ツールを活用して情報共有することへの理解を高める必要があります。
どうしてツールを導入したのか、どのようにツールを使うのか、ツールを活用するとどうなるのかなどを経営層のトップ陣が従業員へ向けてプレゼンを行うのも良いでしょう。
ツールの必要性を従業員に理解してもらうことで、積極的な情報共有の場をつくることができます。
評価制度の導入
ツールを活用した情報共有にメリットを感じられない従業員には、評価制度の導入でメリットを提示しましょう。
情報共有した数や有益性など独自の評価基準を明確にし、ツールと評価制度の導入をあわせて従業員へ伝達します。評価基準があいまいだと従業員に響かないため「自分以外の従業員のいいね数」「生産性の向上率」など数字のデータをベースにした基準を設けると良いでしょう。
情報共有そのものを評価してあげれば、営業マンが業績や評価の低下を心配して情報共有をためらうこともなくなります。
リーダーの育成・選定
ツールを早く定着化させるために重要な存在が、社内インフルエンサーです。ツールを導入した当初は「こんな情報でも共有していいのか」という不安や悩みがあるため、活発な情報共有が難しい状況になると考えられます。
そのような場面で、社内で影響力を持つ従業員を選定し、ナレッジマネジメントツールを広めるためのリーダーとして役割を与え、能動的に情報共有をしてもらいます。
ツールを定着化させるにあたってリーダーが担う役割は、情報共有へのハードルを下げることです。選定したリーダーがほかの従業員を先導することによって情報共有しやすい環境が構築され、ツールの活用へとつながります。
情報共有におすすめのツール「Qast」
企業におけるナレッジマネジメントツールの導入、活用を促進したいのであれば「Qast」が適しています。
Qastはシンプルさを追求したナレッジマネジメントツールです。シンプルゆえに直感的な操作が可能で、機械に弱い従業員でもメモの投稿機能やQ&Aを使った情報共有が簡単にできます。
投稿数やメンバーの反応数によってスコアが可視化され、ナレッジマネジメントにおける貢献度は一目瞭然。評価制度を取り入れる際の指標や情報共有の促進として活用が可能です。
これからツールを導入する企業はもちろん、すでに別のナレッジマネジメントツールを導入したものの「しっくりこない」と感じている企業でも、ツールの乗り換えを検討する価値があります。
まとめ
ナレッジマネジメントツールにおける課題は、ツールの導入と社内での定着です。継続的な情報共有を行うには、ツールを日頃から利用するような環境づくりが大切といえます。
組織全体でナレッジマネジメントツールが定着化しない原因を洗い出し、社内インフルエンサーの起用や情報共有に対する評価制度の導入、自社に適した機能を持つツールを検討してみてはいかがでしょうか。
Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。