ファイルストレージとは?メリット・デメリットやおすすめのツールを紹介

近年、IT技術の進化によってますます重要性が高まっているファイルストレージ。社内の情報をコストを抑えつつ安全に保管する方法にお悩みの企業も多いでしょう。

ここでは、ファイルストレージの意味や、需要が高まっているオンラインストレージのメリット・デメリット、オンラインストレージを選ぶ際のポイントを解説します。

ファイルストレージとは?

まず、ファイルストレージのそもそもの意味や、混同されやすいストレージとの違いを解説します。

ストレージの意味

ストレージとは、貯蔵・保管・倉庫などの意味を持つ「Storage」に由来する言葉で、IT業界ではデータの保存場所・記憶領域のことを指します。

ストレージは、ファイルストレージ、ブロックストレージ、オブジェクトストレージの3種類に分類でき、データをどのように保存するかが異なります。

ファイルストレージとは

ファイルストレージ

ファイルストレージとは、テキストやPDF、動画などをファイル単位で保存するストレージです。

フォルダやディレクトリと呼ばれる場所にファイルを保存し、階層構造でデータを整理できます。WindowsやMacなどの汎用的なOSで採用されているファイルシステムであり、企業のファイルサーバーでも多く用いられています。

ブロックストレージとの違い

ブロックストレージは、データの記憶領域を「ボリューム」と呼ばれる単位に分割し、さらに「ブロック」と呼ばれる単位でデータを保存するストレージです。

ブロックストレージはファイルストレージとは違い、階層構造を持たず、ボリュームとブロックに割り当られた一意の識別番号を用いてデータにアクセスします。データには一意の識別番号のみの情報が付与されるため、一般ユーザーが利用する保存領域としては適してはいません。

一方、複雑な階層構造の情報を持たず高速でデータにアクセスできるため、主にシステムのプログラムやバックアップが利用する記憶領域として活用されています。

オブジェクトストレージとの違い

オブジェクトストレージは、個々のデータを「オブジェクト」と呼ばれる単位で保存するストレージです。ファイルストレージのようにファイル単位でオブジェクト化して保存できますが、ファイルストレージと違ってデータは階層構造を持ちません。

一方、データにファイルストレージよりも多くの情報を付加できるのがオブジェクトストレージの特徴です。データの種類や保存期間、コピー回数など、さまざまな情報でインデックスを作成でき、大規模・非構造のデータでも高速でアクセスできます。データサイズやデータ数などにも保存制限がないため、大容量のデータを保存するストレージとして活用されています。

オンラインファイルストレージのメリット

ファイルストレージのなかでも、近年ではインターネットを通してオンライン環境でファイルストレージを利用するオンラインファイルストレージの需要が高まっています。

ここでは主なメリットを5つ解説します。

場所を問わずどこでも簡単にアクセスできる

オンラインファイルストレージは、基本的にインターネットに接続できる環境があれば場所を問わずどこからでも簡単にアクセスできます。

社内のファイルサーバーは基本的に社内ネットワークからのアクセスが前提となるため、外勤時や在宅勤務先などでの利用がしにくい点が課題です。

オンラインファイルストレージであれば、自社で複雑なセキュリティー設計を行わなくても、外勤時や在宅勤務先からファイルストレージを利用できます。

複数名でファイルの共有・管理ができる

個々人の端末でファイルを編集していると、最新ファイルの世代帰りや更新ファイルをマージする手間などが生まれます。

しかし、オンラインファイルストレージであれば、オンライン上で複数のメンバーが同じファイルを共有・管理できるため、共同編集が行いやすくなります。

低コストで導入・運用ができる

自社でファイルサーバーを構築しようとすると、導入機器にかかるコストや導入までのリードタイム、運用するIT人材の確保などを考慮する必要があります。

一方、オンラインファイルストレージはサービス提供事業者がファイルストレージを提供してくれるため、導入までのリードタイムやIT人材の確保などを考慮する必要がありません。また、自社で一からファイルサーバーを立てるよりも低コストで導入・運用できます。

自動でバックアップをとってくれる

オンラインファイルストレージに保存したファイルを自動でバックアップしてくれます。ファイルサーバーを利用している際にありがちなファイルの誤編集や誤削除も、自動バックアップがあればすぐに復旧できます。

また、機器の故障や災害によるデータロストに関しても、分散されたサーバーでデータを管理しているオンラインファイルストレージであればリスク回避しやすいでしょう。

サーバー増設が簡単にできる

自社のファイルサーバーでデータの保存容量を増やそうとすると、物理的な記憶領域の購入や設置、ストレージのマウントなど、多くの費用と工数がかかります。

オンラインファイルストレージであれば、契約変更の申し込みだけで簡単にデータの保存容量を増やすことができます。自社でファイルサーバーを立てるよりも柔軟にデータ量の増加に対応できるでしょう。

オンラインファイルストレージのデメリット

オンラインファイルストレージは非常に便利なサービスですが、デメリットも存在します。

主なデメリットを4つ解説します。

オフラインではアクセスできない

オンラインファイルストレージはインターネットが繋がっていないオフライン環境では利用できません。インターネットに繋がない閉じた環境で利用したい場合は別の手段を検討する必要があるでしょう。

障害発生時にファイルにアクセスができなくなる

オンラインファイルストレージは、サービス提供事業者側で障害が発生した際にファイルにアクセスできなくなる可能性があります。

オンラインファイルストレージを利用する際は、サービス提供事業者のSLA(合意サービス水準)を確認するなどして、高可用性のサービスを選定しましょう。

柔軟にカスタマイズができない

オンラインファイルストレージの設計はサービス提供事業者に依存するため、自社でカスタマイズできる範囲には限りがあります。

自社の要件にあわせた柔軟なカスタマイズ設計はできない可能性があるため、細かな設計が必要な場合は別の手段を検討しましょう。

セキュリティーリスクの可能性がある

オンラインファイルストレージでは、サービス提供事業者の管理するサーバーにデータを保存するため、情報漏洩のリスクに注意する必要があります。

フォルダやファイルに対して適切なアクセス権を設定するとともに、サービス提供事業者のセキュリティー対策を十分にチェックしましょう。

オンラインファイルストレージを選ぶときのコツ

オンラインファイルストレージのサービスを選定する際に具体的にどのようなポイントを押さえれば良いのか、そのコツをご紹介します。

セキュリティー対策が万全かどうか確認する

オンラインファイルストレージはインターネットに繋がる環境であればどこからでもアクセスできるため、セキュリティー対策は入念にチェックしましょう。

特に、IPアドレス制限でアクセス元を制限できるか、多要素認証に対応しているか、細かな監査ログを取得できるかは重要なポイントです。

また、保存データは暗号化できるか、第三者機関によるセキュリティー監査を受けているかなど、サービス提供事業者側のセキュリティー対策もチェックしましょう。

複数のファイルストレージツールを比較する

現在では多数のオンラインファイルストレージサービスが提供されており、サービスによって特徴が異なります。

多くのファイルストレージサービスでは無料で利用できるプランが用意されているため、まずは無料プランを活用しつつサービスを比較すると良いでしょう。

また、一気に社内に全展開するのではなく、スモールスタートで利用を広げていくことも有効です。

サポート体制が充実しているものを選ぶ

オンラインファイルストレージは社外の環境を利用するため、社内のファイルサーバーなどと比べてトラブルや障害発生時の切り分けが複雑化しやすい特徴があります。

トラブルや障害発生時に迅速に切り分け・復旧ができるよう、サポート体制が充実しているサービスを選定しましょう。

目的と予算に合ったものを選ぶ

コスト重視なのかデータの保存容量重視なのか、社外メンバーとの共有が必要かなどによって、選定すべきオンラインファイルストレージは異なります。目的と予算に見合ったサービスを選定しないと、導入したのに課題解決に繋がらない、想定した予算を超過してしまうなどの問題が発生します。

導入時には、複数のサービスのなかから目的と予算にあわせたサービスを利用することが大切です。

ファイル共有をスムーズに行うために「Qast」の活用を

Qast

オンラインファイルストレージは便利なサービスですが、ただデータを保存する場所として捉えるのではなく、社内のナレッジ・情報を保管する場所として捉える視点も重要です。せっかく業務で貯まったデータが煩雑に管理されていては、ナレッジとして蓄積されず、業務効率化や生産性向上に繋がりません。

ナレッジ経営クラウド「Qast」は、社内におけるナレッジ・情報共有と蓄積に適したサービスです。オンラインファイルストレージとして社内の情報をフォルダやタグ付けで整理し、ナレッジとして蓄積できます。

これによりオンラインファイルストレージ導入の目的を達成できるとともに、社内のパフォーマンス向上にも役立つでしょう。

オンラインファイルストレージを導入する際は、ぜひQastの導入もご検討ください。

Qastについて詳しくはこちら

まとめ

ファイルストレージは、ファイルを階層構造で保存する、現在最も一般的なストレージです。近年ではファイルストレージのなかでも、インターネットを経由してオンラインで利用できるオンラインファイルストレージの需要が高まっています。

オンラインファイルストレージは、インターネット環境があればどこからでもアクセスでき、ファイルの共有・管理がしやすいため、多様化する勤務体系に適しています。

また、低コストでの導入・運用や自動バックアップ、増設の容易性から運用負担を低減できるメリットもあります。ただし、サービスの品質やセキュリティー対策はサービス提供事業者に依存してしまうため、目的や予算にあわせ、自社にあったサービスを導入することが重要です。

ぜひ、ここで解説したポイントを参考に、オンラインファイルストレージを効果的に導入・活用してみましょう。

企業のナレッジマネジメントを
成功に導くクラウドサービス

企業のナレッジマネジメントを成功に導くクラウドサービス
expand_less