CPQとは?導入のメリット・デメリットやマスカスタマイゼーションへの活用方法
製造業界を中心にCPQやマスカスタマイゼーションという言葉が注目を集めています。国際競争が激しくなり、より生産的・効率的な改善が求められる昨今では、CPQやマスカスタマイゼーションの理解が必須です。
今回は、CPQやマスカスタマイゼーションの概念、CPQ導入のメリット・デメリットなどを解説します。本記事を参考にCPQを導入し、マスカスタマイゼーションを実現しましょう。
目次
CPQとは?
CPQとは、「Configure(製品仕様・構成)」「Price(価格)」「Quote(見積もり)」の頭文字をとったものです。製品仕様・構成の選定から見積もりまでの一連の流れを指す場合と、顧客が求める製品仕様や構成を適切な価格で見積もることをサポートするITツールを指す場合があります。ここでは後者のITツールとしてのCPQについてご紹介してます。
多様な製品仕様や構成を扱う製造業などでは組み合わせによって膨大な製品数があり、人の計算では非効率かつミスが発生するリスクが高くなります。CPQを導入すれば、煩雑化した仕様選定から見積もりまでのプロセスを効率的・自動的に実施できるようになります。
CPQ導入のメリット
CPQの主な導入メリットは、精度向上と時間短縮、属人化防止、顧客満足度向上と信頼獲得の3点です。それぞれ詳しく解説していきます。
精度の向上と時間短縮できる
CPQの概要で紹介した通り、多様な製品仕様・構成を扱う製造業では顧客の要望に対して何を提供するかを判断するために煩雑な情報処理が必要になります。
これを人が実施しようとすると、時には要望にあわない製品を選定したり、見積もり金額を間違えたりというミスが発生することもあります。しかし、CPQであれば機械的に情報処理ができるため、人が行うよりも精度が高く、かつ効率的に実施ができます。
属人化が防げる
これまでの製造業では、製品を選定し見積もりを取るためには長年の勘や経験が必要とされ、自社の製品はもちろん製造業界全体の相場感など、さまざまな知識も求められました。
しかし、CPQを導入すればツール上で一連のプロセスを実施できるため属人化防止に繋がり、ツールの利用方法が分かれば誰でも対応できます。
顧客満足度の向上・信頼獲得に繋がる
顧客にとって重要なことは、要望に沿った製品をいかに迅速かつ安定的に供給してくれるかです。
しかし、対応する人が異なると対応の差が生じることもあります。その差によって「前の担当がやってくれた時は早かったのに、今度の担当は何でこんなに時間がかかるの?」などという不満が挙がる可能性もあります。CPQを導入し製品選定から見積もりまでのプロセスを一定の品質で提供できれば、顧客満足度の向上・信頼獲得に繋がります。
CPQ導入のデメリット
CPQの導入時には気をつけるべきポイントもあります。具体的には以下の2点に注意しましょう。
今までの作業手順の見直しが必要
企業によってこれまで見積もりに使っていたツールからCPQに移行することで、作業の手順に大幅な変更が必要になる可能性があります。CPQの利用方法だけではなく、業務フローやトラブルシューティングのマニュアル整備などの見直しが必要になります。
操作できるITリテラシーの高さが必要
CPQはITツールであり、仕様選定から見積もりまでのプロセスにおけるさまざまな機能が備わっています。CPQを使いこなすためには一定のITリテラシーの高さが必要になるでしょう。加えて、誰もが業務に利用できるようにするためには十分なマニュアルの整備も必要です。
CPQに必要なコンフィグレーションとは
CPQに必要な要素である「コンフィグレーション」とは、顧客の要望に対する仕様の選定を行うルールを指します。CPQはこのコンフィグレーションを基に仕様選定を行うので、そもそものルール策定がうまくいかなければ適切な製品選定ができません。専門知識がない担当者でも適切な製品選定ができるようにするためにも、コンフィグレーションの作成は入念に行いましょう。
マスカスタマイゼーションの実現に繋がる「CPQ」
昨今の製造業においては「マスカスタマイゼーション」という概念が非常に重要なものになっています。その概要をご紹介します。
マスカスタマイゼーションとは?
マスカスタマイゼーションとは、生産・販売の大量生産を維持しつつ、それぞれの顧客ニーズに合わせたカスタマイズ製品の生産・販売にも対応できるようにすることです。
生産・販売の量を下げても構わないのであれば多様化する顧客ニーズにも対応しやすいでしょう。ですが、下げた分の売り上げを確保するのは簡単ではありません。
この「売り上げ拡大のため大量生産と個別の顧客ニーズ対応両方に対応しようとする取り組み」が、マスカスタマイゼーションです。
CPQをカスタマイゼーションに活用するために
CPQの導入はマスカスタマイゼーションの実現に有効です。顧客のニーズに的確に応えるためには多様な製品群から迅速かつ過不足なく製品を選定し、見積もりまでの一連のプロセスを効率的に行う必要があります。CPQを使えば、手作業で行うよりも正確かつ迅速な対応ができます。
CPQの活用方法
ここでは、CPQを導入し有効に活用するためのポイントをご紹介します。
CRMシステムと連携
マスカスタマイゼーションを実現するためには、受注から販売までのプロセスをシームレスに連携させる必要があります。
たとえば、顧客管理を効率化するシステムであるCRMとCPQを連携させれば、顧客の管理によって受注を増やすとともに見積もりまでのプロセスを効率的に行えるようになるでしょう。
CRMについては以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
クラウドシステムで導入
CRMや統合的システム環境を構築するERPなどのシステムを導入する場合、既存のシステム環境を刷新して導入するのが一般的です。
一方、CPQはクラウドのツールが一般化しており、クラウド環境での導入であれば既存のシステム環境に影響を与えず、導入までのリードタイムも大幅に短縮できます。初期費用も比較的安価で済むため中小企業でも導入しやすいでしょう。
CPQの導入時にはQastが活躍
CPQを導入して有効に活用するためには、内部間の情報共有を円滑にすることやコンフィグレーションの見直しのために過去の見積もり情報を蓄積することが重要です。そんな時に効果を発揮するのが、ナレッジ経営クラウド「Qast」です。
Qastを導入すれば、シンプルなユーザーインターフェースで誰でも簡単に情報共有ができ、社員間での連携がスムーズになります。また、優れた検索機能により蓄積した過去の見積もり情報をすぐに取り出すことができます。CPQを導入する際には、あわせてQastの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、CPQやマスカスタマイゼーションの概念、CPQの導入メリット・デメリットなどを解説しました。
CPQを導入すると、製品選定から見積もりまでのプロセスの精度向上と時間短縮、属人化防止ができ、顧客満足度や信頼向上に繋がります。また、マスカスタマイゼーションの実現にも繋がります。CPQをCRMなどのシステムと連携させたりクラウドツールを利用したりすることで、より有効的に活用もできるでしょう。
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