目標管理シートとは?効果的な活用方法や書き方のポイントを徹底解説
従業員やチームがそれぞれの業務目標を達成するために、そして目標達成を図るなかで従業員の成長を促すために、目標管理シートを導入している企業は多いでしょう。
しかし、目標管理シートの意図が従業員と上司で共通認識になっておらず、形骸化しているケースも多々あります。
この記事では、目標管理シートの目的や必要性、効果的に活用するためのポイントなどを解説します。
目次
目標管理シートとは
目標管理シートとは、従業員個人やチームが業務における目標を設定し、目標達成までの具体的なプロセスや進捗度を可視化するものです。
目標管理シートを作成すれば、目標達成に向けてどのような行動を行えばよいかが明確になるため、目標達成までのプロセス効率化や達成率アップなどに繋がります。
目標管理シートの目的や必要性
目標管理シートは、従業員個人やチーム単位で作成・管理し、上司と共有するのが一般的です。
作成する主な目的としては以下が挙げられます。
- 従業員が自身の業務や課題に対する理解を深めるため
- 従業員が自身の目標達成に向けたプロセスを整理し行動を明確化するため
- 従業員が自身の目標の達成率を向上するため
- 上司が適宜フォローを行い従業員の成長を促すため
- 上司が従業員の評価を適切に行うため
働き方改革や労働人口の減少などを背景に、現代は今まで以上に業務効率化と生産性向上が求められる時代となっています。
業務効率化と生産性向上を図るためには、従業員が主体的に自身の業務や課題と向き合い、モチベーション高く業務を遂行するとともに、さらなるスキルアップを図る必要があるでしょう。それらをサポートするためのツールとして、目標管理シートが重要な役割を担っているのです。
目標管理シートの活用方法
目標管理シートで設定する目標は職種によってさまざまです。主な活用シーンや活用によって得られる効果を解説します。
設定する目標内容
営業職では、組織的な営業目標の達成に向けて、商談数や売上げ、成約率などを要素として目標管理シートを活用します。
広報・マーケティング職では、取引先企業やSNSフォロワーの数、議案通過率などが数値目標として設定しやすいでしょう。
事務職は数値目標として設定できる要素が限られているため、対応件数や作業時間、ミスの発生回数、経費などがよく用いられます。
サービス系職では、事務職の項目に加えて顧客からの評価なども定量的な要素として用いられます。
技術職や医療・介護職では、事務職の要素に加え、対応に必要なスキルの習得も目標値として活用できるでしょう。
ただし、スキルは目に見えにくい部分もあるため、何ができればスキルを習得しているとみなすかの判断基準を明確化しておく必要があります。
活用することで得られる効果
営業職で目標管理シートを活用すれば、組織として安定的に営業目標を達成できるようになり、業績アップが期待できます。また、広報・マーケティング職においても、目標達成が業績アップに繋がりやすいでしょう。
事務職では、業務効率化や経費削減により企業の支出を抑える効果が期待できます。サービス職や技術職、医療・介護職では、業務効率化や経費削減に加え、サービス品質向上による顧客増が期待できるでしょう。
目標管理シートの活用例
営業職、事務職、医療・介護職それぞれの目標設定例をご紹介します。
営業職
営業職は数値目標として設定できる要素が比較的多く、商談数や成約率、売上げなどが目標に設定されるケースが多いでしょう。目標値を設定したら、そこから具体的な行動目標を設定していきます。
【目標設定例】
・今月は10件の商談を行い、売上げを先月より100万円増やす。10件の商談を獲得するために、月のアポイント数100件、週あたり20~30件のアポイントを行う。
・営業ルートを見直し、月間の訪問件数を10件増やす。営業ルートを見直すために、ルートの各訪問先と訪問タイミングの調整を行う。
事務職
事務職は定型的な業務が多く、目標設定できる要素が限られています。そのため、対応件数や対応あたりの作業時間、ミスの発生回数などが多く用いられます。
【目標設定例】
・今月中に備品の発注先を見直すことで、備品にかかる経費を5%削減する
・3ヵ月後までに業務の一部をマクロに置き換えることで、業務にかかる作業時間を1件あたり10分短縮する
医療・介護職
医療・介護職では、対応件数や対応あたりの作業時間、ミスの発生回数、対応に必要なスキルの習得などが目標値としてよく用いられます。
【目標設定例】
・今月中に担当者間で診療内容のダブルチェックを行う仕組みを導入し、月間の診療トラブル0件を達成する
・半年後までに資格◯◯を取得し、対応業務の幅を広げる
目標管理シートの書き方
続いて、目標管理シートに記載すべき項目や書き方を解説します。
目標項目
目標として設定する内容を具体的に記載します。目標達成までの期日や目標達成基準となる数値・行動を明確に記載しましょう。
評価基準
目標達成に向けた行動に対する評価基準を記載します。目標値を客観的な数値で表せるなど評価基準が明確な場合には問題ありませんが、目標に対する進捗がわかりにくい内容の場合は、何をもって評価基準とするかをあらかじめ検討しておきましょう。
達成のための計画
目標達成に向けた計画を記載します。現実的に実行可能かを考慮しながら、無理のない計画を立てましょう。
現実と乖離した計画を立ててしまうと、後々自分で自分の首をしめてしまう結果となります。
成果・結果
目標管理シートに基づき行動した成果・結果を記載します。成果・結果には客観性が求められるため、主観を交えず事実を記載しましょう。
また、成果・結果は具体的な数値で示すなど、評価者がわかりやすいよう記載することが重要です。
振り返り・気づき
目標達成に向けて行動した結果の振り返りや気づきを記載します。振り返りや気づきは今後の目標設定に役立ち、評価者からフィードバックを受けるべきポイントにもなるため、例え目標達成できていた場合でも、振り返りや気づきをおろそかにしないよう注意しましょう。
目標管理シートを書く際のポイント
目標管理シートを書く際に注意すべき点を4つ解説します。
目標を厳選する
目標を多く設定しすぎると、どれも中途半端な結果に終わるリスクが高まります。
同時に設定する目標は多くても3つ程度に抑え、目標達成に向けた行動を着実に行えるようにしましょう。
達成基準を数値化する
達成基準は具体的な数値に落とし込みましょう。達成基準が不明確だと、達成できているかの判断が難しく、上司から適切なフィードバックをもらいにくくなります。
5W2H・SMARTの法則を意識して書く
目標管理シートは上司とも共有するものであるため、記載内容が上司に伝わるかも重要なポイントです。
5W2H※1やSMARTの法則※2などを意識し、上司に伝わりやすいように整理しましょう。
※1「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How Much(いくらで)」それぞれの英単語の頭文字をとった言葉で、情報の整理や伝達をするために活用するフレームワーク。
※2「具体的であること(Specific)」「測定可能であること(Measurable)」「達成可能であること(Attainable)」「目標に関連性があること(Relevant)」「期限があること(Time-bound)」の頭文字からとって言葉で、ジョージ・T・ドランが提唱したマネジメントの原則。
現実味のある目標と計画を立てる
現実的に達成が難しい目標や計画を設定してしまうと、達成できずにかえって自身のモチベーションが下がる要因となります。
目標や計画を設定する際は、他メンバーや上司にも相談し、客観的な意見をもらいながら行いましょう。
目標管理シートのスムーズな作成に「Qast」を活用しよう!
目標管理シートを作成する際は、あらかじめテンプレートを作成しておくことでスムーズに作業できます。また、目標管理シートを作成・利用するうえでの相談や共有が円滑にできれば、目標管理シートをより効果的に活用できるでしょう。
Qastは、社内におけるナレッジ・情報共有や社内ポータルサイトに適した「ナレッジ経営クラウド」です。Qastを利用すれば、テンプレートを作成して目標管理シートの作成を効率化できるとともに、相談や共有もQast上で一貫して行えます。
また、ナレッジの蓄積に強いツールのため、目標管理シートをタグ付けやフォルダ分け機能で整理して保存しておけば、後の目標設定にも役立つでしょう。
目標管理シートの活用を見直す際は、ぜひQastの導入もご検討ください。
まとめ
目標管理シートとは、業務における目標を設定し、目標達成までのプロセスや進捗度を可視化するものです。目標管理シートを活用すれば、従業員が自身の業務や課題への理解を深め、モチベーション高く目標達成に向けて行動できるようになるとともに、上司が適切なフォローや評価を行いやすくなります。
設定する目標値や活用シーンは職種によってさまざまであり、それぞれの職種にあわせて活用する必要があります。また、目標管理シートを書く際には、目標を厳選する、達成基準を明確にする、読み手に伝わりやすい内容にする、現実味のある目標と計画設定を行う点などを意識する必要があります。
作成・活用を効率化する際、目標管理シートの活用を見直す際には、ぜひ「Qast」のようなツールの導入も検討してみましょう。