一目置かれる議事録の書き方のコツは?フォーマットやツールについても紹介

会議において議事録の作成が習慣化している企業もあれば、議事録の文化がなかなか浸透しないと悩んでいる企業もあるでしょう。

適切な議事録を作成できれば、会議で決定した内容を確実かつ円滑に遂行できるようになります。この記事では、議事録を書く目的や作成のメリット、議事録に書くべき内容を解説します。

議事録を書く目的やメリット

議事録は、会議で話し合った内容や決定事項を記録し、会議関係者に共有するためのものです。また、議事録を書くことで以下のようなメリットが得られます。

責任の所在を明確化できる

議事録には、誰がどのような発言をし、決定事項に対して誰がどのようにアクションを行うのかを記載します。議事録が会議関係者における共通認識となるため、後から「言った」「言わない」の問題が発生することを防げます。責任の所在が明確化できるため、決定事項に対するアクションも取りやすくなるでしょう。

「言った」「言わない」問題の対策は以下の記事で詳しく解説しています。

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業務の効率化が図れる

議事録が作成されていないと、会議終了後に会議の内容を再確認しなくてはならないなど非効率的な作業が発生します。会議の中で洗い出された今後のアクション実施に必要な業務を議事録に記載しておけば、効率的に業務を遂行できるようになります。

優先順位が明確になる

会議の中で各議題の重要度やアクションの期限を話し合い、議事録に記載しておけば、後から議事録を見直した際に業務の優先順位が明確になります。

従業員によっては、多くの案件に参加し、さまざまな業務に対応している方もいるでしょう。議事録があれば、重要度や期限に応じた優先順位が明確になり、複数の業務にもスムーズに対応しやすくなります。

現状課題が明確になる

議事録を作成して会議の内容を整理すると、現状の課題が明確になります。たとえば、プロジェクトの進捗報告において複数の工程でリソース不足による遅延が発生していれば、プロジェクト全体でどうリソースを配分すべきかを明確にできるでしょう。

一つひとつの議題からでは見つけにくい課題も、議事録を作成して全体を俯瞰することで見つけやすくなります。

情報の共有ができる

議事録を見ればプロジェクトの進捗や会議の内容が把握できるため、改めて会議の内容を口頭で伝える手間がなくなります。

会議の参加者だけでなく、欠席者や途中参加者、関連のステークホルダーなどへの情報共有を効率化でき、プロジェクト進行の円滑化に繋がるでしょう。

分かりやすい議事録を書くコツ

分かりやすい議事録を書くコツ

議事録の目的やメリットをご紹介しましたが、同じ議事録でも書き方次第でメリットを得られる度合いが変わってきます。ここでは、議事録のメリットを最大化するため、分かりやすい議事録を書くコツをご紹介します。

必要な項目を記載しておく

議事録には必要な項目を漏れなく記載しましょう。

たとえば、次のアクションが記載されていたとしても、いつまでに実施するのかが記載されていなければ、優先順位付けやスケジュールの組み立てができません。会議の種類ごとにテンプレートを作成し、必要な項目が漏れないようにしましょう。

会議の目的に沿った内容を記載する

会議の目的をあらかじめ明確にしておき、目的に沿った内容を議事録に記載しましょう。

会議では、途中から話が脱線し、本来の議題から離れた話が続くことがあります。本来の議題から離れた話を細かく議事録に記載してしまうと、本来の目的を読み取りにくくなり、何のための会議だったのかが分かりにくくなります。

重要な単語や数字をメモする

重要な単語や数字は漏れなく議事録に記載するようにしましょう。会議の中核となる単語が記載されていれば、全体をざっと見直しただけでも話の流れを掴みやすくなります。また、具体的な数字があれば、決定事項に至った経緯や今後のアクションが明確になります。

決定事項を記載する

会議で決まった決定事項は簡潔に記載しましょう。会話の内容はもちろん重要ですが、多くの方が確認したいことは「会議で何が決まったか」「今後どのようなアクションが必要になるか」です。決定事項が簡潔に記載されていれば、会議の内容もスムーズに読み解けるようになります。

5W1Hを意識してメモを取る

5W1H(When、Where、Who、What、Why、How)を意識してメモを取っておくと、人に伝わりやすい議事録を作成できます。

逆に5W1Hが不足していると、誰がした発言なのかが分からない、なぜこの決定に至ったのかが分からないなどの問題が発生します。5W1Hが明確な議事録は誰が読んでも分かりやすく、効率的に議事内容を伝えることができるでしょう。

要点はあとで整理する・まとめる

議題に関する業務知識が不足していたり、議事録を取ることに慣れていなかったりすると、5W1Hや要点の整理がスムーズにできないこともあります。その場合は、とにかく会議内容を全てメモし、後から要点を整理しましょう。

会議のスピードについていけない場合には、録音や録画を活用するのがおすすめです。尚、機密情報などを不用意に録音・録画すると情報漏えいに繋がるリスクがあるため、録音・録画する場合は予め参加者に伝えておきましょう。

資料のURLを記載する

会議の中でオンラインで閲覧できる資料を使った場合は、議事録に資料のURLを記載しておきましょう。議事録に資料のURLが記載されていれば、資料を探す手間がなくなり、どの資料をもとに会議が行われたのかをスムーズに確認できるようになります。

議事録を書く際の注意点

続いて、分かりにくい議事録になってしまうことを防ぐため、議事録を書く際の注意点をご紹介します。

誰が発言した内容か分からない

誰が発言した内容かが分からないと、責任の所在が不明確になります。

たとえば、決裁者の承認を得たつもりで決定事項として動いていたのに、実際にはチーム内のみの承認で決裁者の承認を得ていなかったとすると、大幅な手戻りが発生する可能性があります。議事録の中では、誰が発言したかを記載し、責任の所在を明確化しましょう。

結論・着地が明確になっていない

結論や着地点が明確になっていないと、次のアクションが不明確になります。

たとえば、プロジェクトの進捗報告の議事録で「遅延が発生している」と書かれているだけでは、遅延に対してどう対応すべきかが分からず、誰もアクションを起こせない可能性があります。結論や着地点を明確化するとともに、何かしらのアクションが必要な場合はアクションの期日や担当者を明確に記載しておきましょう。

事実と主観が一緒になっている

会議の中で話された事実と議事録作成者の主観的な考えが混ざると、何が決定事項なのかが分からなくなります。議事録には主観を混ぜず、会議の中であった事実のみを記載しましょう。

議事録内に主観的な考えを記載する必要がある場合には、どこからどこまでが主観なのかを明確にすることが重要です。

議事録の種類や基本フォーマット

一般的な議事録には、例えば「会議報告書」「理事会議事録」「株主総会議事録」などの種類があります。それぞれ記載すべき項目やフォーマットは異なりますし、法律によって作成ルールが定められているものもありますが、議事録として記載すべき項目には共通するものが多くあります。

ここでは、議事録の基本項目やフォーマットの例をご紹介します。

基本項目

議事録の基本項目および書き方を以下にまとめました。

項目書き方
会議名会議の内容が端的に伝わる会議名を記載
OK:プロジェクトA進捗報告会議
NG:予算についての打ち合わせ
開催日時開催日、開始・終了時刻を記載
開催場所会議室やWeb会議ツールなど開催場所を記載
参加者部署横断会議の場合は部署名、クライアント会議の場合は役職や様を付け、役職順に記載 (役職順が不明な場合は「順不同」と明記)
目的、議題会議の目的や議題を箇条書きなどで記載
決定事項会議の決定事項を簡潔に記載
議論詳細決定に至った議論を要点に絞って記載
今後のアクション、課題今後のアクションや課題を記載、アクションには担当者と期日を明記
次回開催予定日次回の開催予定があれば予定日を記載
参考資料会議で用いた資料があればURLなどを記載
備考補足事項などがあれば記載

議事録のフォーマット

続いて、具体的な議事録のフォーマット例をご紹介します。

フォーマット例1

社内プロジェクトの進捗報告などに活用できるフォーマット例です。前回からの進捗を明確にしたうえで、どのような議論が行われ、今後のアクションがどう決定したのかが明確になるフォーマットとなっています。

  • 会議名:
  • 開催日時:
  • 開催場所:
  • 参加者:
  • 欠席者:
  • 議題:
  • 前回からの進捗:
  • 決定事項:
  • 議論詳細:
  • 今後のアクション:
  • 懸念事項:
  • 次回開催予定日:
  • 参考資料:
  • 備考:

フォーマット例2

クライアントとの商談などに活用できるフォーマット例です。提案が複数ある場合には、提案ごとに決定事項や課題を記載するとよいでしょう。

  • 会議名:
  • 開催日時:
  • 開催場所:
  • 参加者:
  • 目的:
  • 議題:
  • 決定事項:
  • 議論詳細:
  • 今後のスケジュール:
  • 課題:
  • 次回開催予定日:
  • 参考資料:
  • 備考:

議事録の作成におすすめなツール

議事録の作成を効率化するためには、議事録の自動作成ツールや補助ツールの導入がおすすめです。

議事録の自動作成ツールは、会議のやり取りを音声で聞き取り自動でテキスト化するツールです。会議の本筋でない話もテキスト化されるデメリットはありますが、議事録作成の負担を大幅に削減できます。

議事録作成の補助ツールは、テンプレートや文書共有など、議事録作成をサポートする機能が備わったツールです。自動作成ツールよりも安価に導入でき、議事録作成を効率化できます。

議事録の自動作成ツール・補助ツールについては以下で詳しく解説しています。

議事録自動作成ツールと補助ツールおすすめ10選!導入メリットなどを解説
社内で会議をする時に、皆さんはどのような方法で議事録を残していますか? そもそも議事録を取っていなかったり、Wordやメールを使って議事録を作成している方もまだまだ多いのではないでしょうか。 今回は、議事録作成ツールを活用することで得られるメリットや、おすすめの議事録作成ツールをご紹介していきます。

議事録の作成や共有にはQastの活用を

Qast

議事録作成を効率化する補助ツールなら、ナレッジプラットフォームの「Qast」がおすすめです。

Qastはシンプルで誰でも扱いやすい情報・ナレッジ共有ツールです。テンプレート機能やAIによる文書作成・要約機能があり、議事録の作成を効率化できます。必要な項目の記載をテンプレートで設定できるだけでなく、作成した議事録はフォルダや自動タグ付けなどの機能で分類し保存でき、高度な検索機能によって過去の議事録もすぐに参照できます。

TeamsやSlackなど外部ツールとも連携できるため、Qastで議事録を作成したことをTeamsやSlackの任意のユーザーに自動通知するなど、効率的な共有が実現します。

Qastについて詳しくはこちら

まとめ

議事録は、会議のやり取りや決定事項を記録として保存する重要なものです。議事録があれば、会議における責任の所在や今後必要なアクション、優先順位、課題などを明確化できます。

しかし、多くの案件があり日々複数の会議を行っている場合、議事録を書く負担が大きくなってしまうケースもあるでしょう。そんな議事録作成の作業を効率化するため、自動作成ツールや補助ツールの導入をぜひ検討してみてください。

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