報告書の書き方やポイントとは?基本構成やシーン別の例文もあわせて紹介!

さまざまなビジネスシーンで提出が求められる報告書ですが、毎回報告書を作成するのが面倒と思っている方もいらっしゃるでしょう。しかし、分かりやすい報告書を作成すれば仕事が円滑に進むようになり、上司や周りからの評価も上がります。

この記事では、報告書に記載すべき内容や例文、分かりやすい報告書を書くためのポイントをまとめます。

報告書とは

報告書とは、業務における特定の事柄を報告するために作成する文書です。報告書の提出先は、チームメンバーや上司、顧客など多岐にわたります。しかし、いずれの報告書においても、報告書を確認する側にとって分かりやすい内容になっていることが重要です。

分かりやすい報告書を作成するためには、報告書を作成する目的を理解し、確認する側が求める情報を端的に記載する必要があります。

報告書を作成する目的

報告書を作成する目的はシーンによってさまざまですが、いずれのシーンにおいても根本にあるのは情報やナレッジの共有です。つまり、報告相手に対して報告すべき事柄を伝え、理解してもらう必要があります。

相手に内容が伝わらない報告書を作成しても報告書を作成する目的は達成されません。

報告書の作成にはスピードが求められることも多いため、迅速かつ分かりやすい報告書を作成することが大切です。

日報やレポートとの違い

報告書と同様、業務のなかで作成することの多い日報やレポートとの違いを解説します。

日報との違い

日報とは、その日に行った業務内容を報告する文書です。

報告を行う文書という点では報告書と同じですが、業務における特定の事柄を記載する報告書とはフォーカスしている部分が異なります。

また、日報は主に社内の上司などに報告する文書ですが、報告書の報告対象は社内外を問いません。

レポートとの違い

レポートとは、報告書と同様に業務における特定の事柄を報告する文書です。

報告書との違いは、報告者の主観をどの程度盛り込むかにあります。報告書は基本的に客観的な事実に基づき記載するものですが、レポートは客観的な事実に加え報告者の意見や所感なども含めて作成します。

報告書は相手が求める情報にフォーカスして記載するもの、レポートは報告者が伝えたい情報にフォーカスして記載するものとも捉えられるでしょう。

報告書を書く際に必要な基本項目

報告書に記載する内容はシーンによってさまざまですが、多くの報告書に共通する基本項目は下記の通りです。報告書を作成する際は、

下記の基本項目に必要な項目を加えて作成しましょう。

基本となる項目

日付(提出日)

報告書を作成・提出した日付を記載

作成者 

報告書の作成者の氏名を記載

宛名

報告書の提出先の宛名を記載

場所

報告事項が発生した場所や報告を行う場所の名称を記載

参加者

報告事項が発生した際の関係者や報告会の参加者を記載

表題

報告事項が端的に伝わる表題を記載

概要

報告事項の概要を記載

詳細

報告事項の詳細を記載

添付資料

報告事項を補足する資料があれば記載

報告書作成の流れ

分かりやすい報告書を作成するためには、いきなり報告書を書き始めるのではなく、基本的な流れにそって情報を整理することが大切です。

ここでは報告書作成の基本的な流れを解説します。

作成の目的を明確化する

報告書では、伝えなければならない情報とともに相手が求める情報を報告しなければなりません。まずは、伝えなければならない情報は何か、その際に相手が求める情報は何かを整理し、明確化しましょう。

たとえば、プロジェクトの遅延を報告する場合、伝えなければならない情報は「遅延する事実」であり、相手が求める情報は「遅延が発生した理由や遅延による影響」だと考えられます。

このように、自分が伝えたい情報だけでなく、相手が求める情報を先回りして考えておくことが重要です。

素材を集める

次に、報告する内容を伝わりやすくするため、相手に納得してもらえるだけの素材を集めます。

プロジェクト遅延の例でいえば、遅延の発生に至った経緯やプロジェクト全体に遅延の影響が発生しない客観的な事実が該当します。報告内容や報告相手によってどのような素材が重要になるかは異なるため、それぞれに合わせて素材を集めておきましょう。

構成を考え落とし込む

報告する素材が集まったら、どのような構成で伝えれば理解・納得が進むかを考え、報告書に落とし込んでいきます。

報告すべき重要事項の前に細かい情報が入りすぎると重要事項が分かりにくくなりますし、いきなり重要事項を報告しても報告に至った経緯が分かりにくくなります。

初めのうちは他メンバーや上司にフィードバックをもらいながら落とし込んでいくと良いでしょう。

【シーン別】報告書の書き方例文

続いて、シーン別に報告書の具体的な例文をご紹介します。

業務報告書

業務報告書の書き方例は下記の通りです。

最初に報告日や提出先、所属、氏名を記載します。次に、実際に行った業務の名前や概要、詳細といった流れで記載していきます。

報告日2023年XX月XX日

業務報告書

報告書提出先

所属

氏名

◯◯部□□殿

◯◯部××課

◇◇ ◇◇

標題の件につき、下記のとおりご報告いたします。


業務名:◯◯社設備Aの定期メンテナンス 
担当者 :◇◇
実施日時:2023年XX月XX日(X)X時~X時

業務概要
1.設備Aの点検
2.設備データのバックアップ

業務詳細
1)設備Aの点検
計画通り完了。

2)設備データのバックアップ
計画通り完了。

特記事項
経年劣化による設備部品の劣化が見受けられた。ただちに影響はないが、お客様に内容を報告し、部品交換の提案を実施。

添付資料
・設備メンテナンスチェックシート

研修報告書

研修報告書の書き方例は下記の通りです。

業務報告書と同じように、報告日、提出先、所属、氏名を記載し、研修名やどのような研修内容であったのか、概要や詳細の他に所感についても記載します。

報告日2023年XX月XX日

研修報告書

報告書提出先

所属

氏名

◯◯部□□殿

◯◯部××課

◇◇ ◇◇

標題の件につき、下記のとおりご報告いたします。

研修名:チームビルディング研修
講師 :◯◯株式会社◯◯様
受講日時:2023年XX月XX日(X)X時~X時

研修概要
成果を生み出すチームを作るために必要となるチームリーダーの基礎スキルを習得する

研修詳細
・チームビルディングの基礎知識
・成果を生み出すチームの条件とは(ワークショップ)
・メンバーとのコミュニケーション(ロールプレイング)
・アクションプランの策定

所感
チームビルディングにおいてメンバーとのコミュニケーションが非常に重要であることを学んだ。上長やメンバーのフィードバックを得ながらアクションプランを実践していく。

添付資料
・チームビルディング研修資料

出張報告書

出張報告書の書き方例は下記の通りです。

報告日、提出先、所属、氏名を記載したあとに、出張先や訪問理由、訪問内容、今後の展望について記載します。

報告日2023年XX月XX日

出張報告書

報告書提出先

所属

氏名

◯◯部□□殿

◯◯部××課

◇◇ ◇◇

標題の件につき、下記のとおりご報告いたします。

出張先:◯◯株式会社
訪問先の担当者 :◯◯部◯◯様
日時:2023年XX月XX日(X)X時~X時

訪問概要
1.新商品Aのご紹介
2.クライアントニーズのヒアリング

訪問詳細
1)新商品Aのご紹介
資料を用いて新商品Aの機能概要を説明。新商品Aの機能Bに興味をもっていただき、より詳細な情報をご要望いただいた。

2)クライアントニーズのヒアリング
ヒアリングシートを用いてヒアリングを実施。◯◯社では現在セキュリティ対策に注力しており、セキュリティを強化するソリューションを探しているとの回答があった。

今後の展望
新商品Aにおいて、機能Bを中心に導入のメリットを提案予定。あわせてセキュリティ商品Cのご紹介を行う。

添付資料
・新商品A紹介資料
・ヒアリングシート

クレーム対応報告書

出張報告書の書き方例は下記の通りです。

報告日、提出先、所属、氏名を記載し、いつどこでクレームが発生したのか、その内容や原因、今後の対応について記載します。

報告日2023年XX月XX日

クレーム対応報告書

報告書提出先

所属

氏名

◯◯部□□殿

◯◯部××課

◇◇ ◇◇

標題の件につき、下記のとおりご報告いたします。

受付日時:2023年XX月XX日(X)X時
発生日時:2023年XX月XX日(X)X時
発生場所:◯◯株式会社オフィス内
顧客情報:◯◯株式会社 ◯◯部◯◯様

クレーム概要
◯◯株式会社オフィス内で利用しているプリンターにおいて、先週の不具合対応後も不具合が発生しているとのことで、対応内容にご指摘があった。

対応内容
謝罪のうえすぐに担当者を向かわせ、不具合対応を実施。不具合解消をお客様にもご確認いただいた。

発生原因
不具合対応時の対応に漏れがあり、対応後に不具合が解消されたかを確認する工程も抜けていた。

対策
不具合対応のマニュアル、チェックシートを作成し、対応漏れの防止を行った。

添付資料
・不具合対応マニュアル
・不具合対応チェックシート

報告書の書き方のポイントや注意点

ここまで、報告書作成の流れや例文をご紹介しましたが、より相手に伝わりやすい報告書を作成するためのポイントや注意点をまとめて解説します。

誰に向けたものなのか明確にする

報告書で求められる報告内容やエビデンスは報告対象によって異なります。あらかじめ報告対象を明確にしておき、報告対象にあわせた情報を揃えておきましょう。

5W2Hを意識して書く

分かりやすい文章を書くには、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How Much(いくらで)」の5W2Hがポイントになります。報告書作成時には、この5W2Hを明確にすることを意識しましょう。

事実と所感を混合しない

事実と所感が混ざってしまっていると、読み手は何が事実なのか把握しにくく、伝わりにくい報告になってしまいます。報告書の作成時には客観的な事実と主観的な所感を明確に分けるようにしましょう。

数字や単位、名前に誤りはないか確認する

報告書に記載をする名前の間違いには注意が必要です。報告書を読む相手の名前を間違えるのはもちろん、訪問報告書などの訪問先の相手の名前の間違いなどには特に気をつけるようにしましょう。

また、数字や単位についても報告内容が正確に伝わるよう、提出前に誤りがないかを十分チェックしましょう。

「ですます調」「である調」は統一する

「ですます調」「である調」が混在していると、報告書が非常に読みにくくなります。語尾の形式を統一し、読みやすい報告書になるよう意識しましょう。

専門用語を多用しない

専門用語は読み手によって理解できるかできないかが分かれます。読み手が理解できない専門用語を多用してしまうと、内容が正しく伝わらなかったり、読み手が用語を調べる手間が発生してしまいます。できる限り専門用語は使わず、誰が読んでも分かりやすい言葉で書くようにしましょう。

グラフや表を活用する

数字や単位などはテキストのみで伝えようとすると、読みにくさや、内容がなかなか伝わりにくいといったデメリットがあります。 グラフや表など、視覚的に情報を把握しやすい表現を用いれば、読み手への伝わりやすさが格段にアップします。データなどを報告する際はグラフや表を活用しましょう。

ツールを導入・活用する

報告書を毎回ゼロから作成するのは非効率であり、作成者の負担が大きくなります。ツールを用いてテンプレートで報告書の作成を効率化する、またツール上で情報共有を行える環境を整えれば、分かりやすい報告書をスムーズに提出できるようになります。

効率的に報告書の作成・提出を行うためにも、ぜひツールの導入も検討してみましょう。

報告書の作成や情報の共有にはQastの活用を!

Qast

報告書の作成や情報の共有を効率化するためのツールとして、ナレッジプラットフォーム「Qast」をおすすめします。Qastにはテンプレート作成機能があり、報告書の作成を効率化できます。

また、Qastはナレッジの蓄積に適したツールであり、報告書の内容をナレッジとして蓄積できるとともに、AIによる自動要約機能で報告内容を速やかに把握できます。

Qastはとてもシンプルな情報共有ツールのため、ITリテラシーを問わず幅広い部署で活用可能です。報告書の作成・提出を効率化したいなら、ぜひQastの導入をご検討ください。

Qastについて詳しくはこちら

まとめ

報告書は読み手に対して必要な情報を共有するための手段として非常に重要な文書です。読み手に対して分かりやすい報告書を作成するためには、基本項目をおさえつつ、伝えなければならない情報と読み手が求める情報を網羅する必要があります。

しかし、報告書を都度ゼロから作成しては非効率ですし、作成者の負担も大きくなります。効率的に分かりやすい報告書を作成・提出するために、この記事で解説したポイントとあわせ、ツールの導入も検討してみましょう。

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