【2023年度版】ファイル転送サービス10選!無料と有料の違い徹底比較
大容量のファイルでも安全に外部と送受信できるファイル転送サービス。現在では多くの企業で利用されており、企業活動における重要なサービスの一つとなっています。では、ファイル転送サービスとは具体的にどのような機能があり、どのように活用できるのでしょうか。
この記事では、ファイル転送サービスの概要とおすすめのファイル転送サービスをご紹介します。
目次
ファイル転送サービスとは
ファイル転送サービスとは、インターネットを経由してファイルを転送できるサービスです。送信者がサービス提供者のサーバー上にファイルをアップロードし、受信者にダウンロード用のURLとパスワードを通知することでファイルの送受信ができます。現在ではさまざまなファイル転送サービスが登場しており、ファイルの送受信に加え、チャット機能や多様なセキュリティ機能を搭載しているファイル転送サービスもあります。
ファイル共有サービスとの違い
ファイル共有サービス(ファイルサーバー)は、社内外でのファイル共有を目的としたサービスです。自社内にサーバーを設置するオンプレミスの環境でファイルがやりとりされ、社内サーバーへのアクセス権を持ったユーザー同士でファイルを共有できます。社外のユーザーともファイル共有を行うことは可能ですが、アクセス権設定のミスや管理不足による情報漏えいなどのセキュリティリスクに注意する必要があります。
基本的には、内部でのファイル共有はファイル共有サービス、外部とのファイル共有はファイル転送サービスを利用するという使い分けを行うのが良いでしょう。
ファイル共有サービスの詳細については以下の記事で解説しています。
クラウドストレージ・オンラインストレージとの違い
クラウドストレージ・オンラインストレージとは、サービス提供事業者のサーバー上にインターネット経由でファイルをアップロードし、ファイルを共有できるサービスです。
こちらもサーバーへのアクセス権を持ったユーザー同士でファイルを共有できますが、ファイル共有サービスと同様、アクセス権の管理などには注意が必要です。プロジェクトなどで長期的にやり取りする必要がないのであれば、外部とのファイルのやりとりはファイル転送サービスを活用するのが良いでしょう。
クラウドストレージの詳細については以下の記事で解説しています。
ファイル転送サービスのメリット
ファイル転送サービスの主なメリットは以下の3つです。
- 手軽に無料で利用できるサービスが多い
- 転送できるファイル容量が大きく保存期間も長い
- セキュリティ機能が充実している
外部にファイルを送信する場合、従来はメールにZipファイルにパスワードを設定し添付して送付、別メールでパスワードを送る「PPAP」と呼ばれる形態が一般的でした。しかし、メールの添付だとファイル容量に制限があること、受信者が暗号化を解除する手間が必要になること、暗号化されていることで受信者側のセキュリティ機構をすり抜けてしまうことなどの問題がありました。その問題を解決する手段として、現在では多くの企業でファイル転送サービスが利用されています。
ファイル転送サービスのデメリット
一方、ファイル転送サービスにもデメリットは存在します。主なデメリットは以下になります。
- パスワードを設定していないと、URLを知っている誰もがファイルをダウンロードできてしまう
- 誤送信やサービス提供事業者のサーバーが攻撃を受けた場合に、情報漏えいが発生するリスクがある
これらのデメリットを最小限に抑えるためには、サービスでの送信を可とするファイルと不可とするファイルを厳密に分けるなど、適切な判断基準でファイル転送サービスを選択する必要があります。
ファイル転送サービスを選ぶポイント
ファイル転送サービスのデメリットを踏まえ、サービスを選ぶ際のポイントを解説します。
セキュリティや安全性
情報漏えいのリスクを抑えるためにも、セキュリティや安全性は非常に重要です。保存されたファイルや送受信の通信が暗号化されているか、IPアドレスでのアクセス制限や多要素認証などセキュリティ機能が充実しているかに注目しましょう。また、サービス提供事業者が過去に情報漏えいなどのトラブルを起こしていないかをチェックしておくことも重要です。
ファイルの容量
転送できるファイルの容量も事前にチェックしておきましょう。業務で送るファイルの容量と照らし合わせ、十分なファイル容量になっているかをチェックします。動画や音声などのデータを取り扱う場合は、ファイル容量が大きくなりがちなため注意が必要です。
運用コスト
有料のファイル転送サービスを利用する場合には、運用コストも重要なポイントです。ユーザー数やファイル容量による従量課金か、基本プランでの定額課金かなど、課金方式はサービスごとに異なります。自社で必要な容量や機能と照らし合わせ、運用コストがどの程度かかるかをチェックしておきましょう。
無料と有料の違いとは
ファイル転送サービスには無料・有料それぞれが存在しています。無料のものはファイル容量や保存期間、セキュリティ機能などに違いがあります。また、無料のファイル転送サービスではWebサイト上に広告が表示されている場合が多く、広告経由で不審なWebサイトに誘導される、不審なファイルをダウンロード・インストールしてしまうといったトラブルが発生する可能性があります。ビジネスで利用する場合には、無料版のデメリットに注意したうえでサービスを選ぶようにしましょう。
【無料】おすすめのファイル転送サービス5選
無料で手軽に利用できるおすすめのファイル転送サービスを5つご紹介します。
データ便
データ便は非常にシンプルなファイル転送サービスです。操作画面がわかりやすいため、初めての人でも迷わず利用できるでしょう。会員登録なしで500MB、無料会員登録で2GBまでのファイルを送信できます。容量無制限となるビジネス向けの有料プランもあります。
データ便は、通常のデータ転送に加え、受信者がダウンロード申請を行い送信者がダウンロード許可をするというプロセスを経る「セキュリティ便」が特徴です。誤送信が発生してしまった際にも情報漏えいを防ぐことができます。
ライトプラン | フリープラン | ビジネスプラン | |
---|---|---|---|
利用料金 | 0円 | 0円 | 送信のみ:330円/月 |
転送サイズ | 500MB | 2GB | 無制限 |
データ保存期間 | 3日 | 3日 | 30日 |
主なセキュリティ機能 | SSL暗号化 共有サーバー | SSL暗号化 共有サーバー | SSL暗号化 専用サーバー |
firestorage
firestorageは、未登録でも2GBまでのファイル転送が行えるファイル転送サービスです。送信時にセキュリティチェックが行われる国産サービスが無料版でも付いています。画像ファイルに特化したphotostorageや、QRキーを使ったダウンロードなど、多様な機能を搭載しています。
未登録・無料 | ライト | 正会員 | |
---|---|---|---|
利用料金 | 0円 | 1,037円/月 | 2,085円/月 |
転送サイズ | 2GB | 5GB | 10GB |
データ保存期間 | 無期限(2GBまで) | 無期限(25GBまで) | 無期限(100GBまで) |
主なセキュリティ機能 | ファイル送信時のウイルスチェック 不正アクセス対策 | ファイル送信時のウイルスチェック 不正アクセス対策 SSL暗号化 | ファイル送信時のウイルスチェック 不正アクセス対策 SSL暗号化 |
ギガファイル便
ギガファイル便は登録不要で300GBまでの大容量ファイルを転送できるサービスです。個人でもビジネスでも無料で利用ができます。有料プランが存在していないため、より高いセキュリティ機能を求めることはできませんが、最も手軽に大容量のファイルを転送できるサービスといえるでしょう。
全プラン | |
---|---|
利用料金 | 0円 |
転送サイズ | 300GB |
データ保存期間 | 最大100日 |
主なセキュリティ機能 | アンチウイルス 国内サーバー保存 |
おくりん坊
おくりん坊は、会員登録なしで500MB、会員登録で2GBまでのファイルを転送できるサービスです。会員登録を行えば送信履歴の確認やアドレス帳などの便利機能も利用できるようになります。操作画面がとてもシンプルで使いやすいファイル転送サービスです。企業向けの別サービス「おくりん坊Biz」も提供されています。
会員登録なし | 会員登録あり | |
---|---|---|
利用料金 | 0円 | 0円 |
転送サイズ | 500MB | 2GB |
データ保存期間 | 最大7日 | 最大7日 |
主なセキュリティ機能 | ファイル削除 | 送信履歴確認 ファイル削除 |
Filemail
Filemailは、会員登録なしで5GBまでのファイルを転送できるサービスです。無料で利用できるサービスとしては、、比較的転送サイズが大きいサービスといえます。転送は電子メールとダウンロードURLの2つから選ぶことができ、暗号化も行われます。
無料 | Pro | BUSINESS | ENTERPRISE | |
---|---|---|---|---|
利用料金 | 0円 | 12$/月 | 18$/月 | 48$/月 |
転送サイズ | 5GB | 250GB | 無制限 | 無制限 |
データ保存期間 | 7日 | 30日 | 無制限 | 無制限 |
主なセキュリティ機能 | HTTPS暗号化 アンチウイルス | HTTPS暗号化 アンチウイルス パスワード保護 | HTTPS暗号化 アンチウイルス パスワード保護 | HTTPS暗号化 アンチウイルス パスワード保護 多要素認証 SAML/SSO認証 |
【有料】おすすめのファイル転送サービス5選
ビジネスで利用する際におすすめの有料ファイル転送サービスを5つご紹介します。
tenpu
tenpuは充実したセキュリティ機能と広告が一切ない快適さが魅力のファイル転送サービスです。「受け取る人も喜ぶファイル転送サービス」をコンセプトとして掲げており、ファイル共有ツールはもちろん、今後はブランディングツールとしても活用できる機能をアップデートしていくと明言しています。無料プランや有料プランの2週間お試しも提供されているため、まずは無料で使用感を試してみると良いでしょう。
無料 | Pro | BUSINESS | ENTERPRISE | |
---|---|---|---|---|
利用料金 | 0円 | 1,078/月 11,000/年 | 2名〜15名:88,000/年 16名〜50名:165,000/年 51名〜100名:330,000/年 | 要見積もり |
転送サイズ | 1GB | 20GB (1ファイル10GB) | 20GB (1ファイル10GB) | 20GB (1ファイル10GB) |
データ保存期間 | 3日 | 任意設定可能 | 任意設定可能 | 任意設定可能 |
主なセキュリティ機能 | データ・通信暗号化 | データ・通信暗号化 パスワードハッシュ化 | データ・通信暗号化 パスワードハッシュ化 送信履歴確認 | データ・通信暗号化 パスワードハッシュ化 送信履歴確認 ウイルススキャン |
クリプト便
クリプト便は、セキュリティが重視される金融業界で多くの導入実績を持つファイル転送サービスです。各認証に準拠したセキュリティ対策が行われていることに加え、オプションとして管理者操作ログの取得や端末認証など、より強固なセキュリティ機能を使うこともできます。ユーザー数や送信件数によって3つのプランがあります。いずれのプランでも初期費用がかかる他、プランを超過した利用分については別途超過料金がかかるため、コスト面には注意しましょう。
エントリー | ライト | スタンダード | |
---|---|---|---|
利用料金 | 1,000円/ユーザー/月 (※20ユーザーまでの利用) | 1,000円/ユーザー/月 (※50ユーザーまでの利用) | 900円/ユーザー/月 (※100ユーザーまでの利用) |
転送サイズ | 4GB | 4GB | 4GB |
データ保存期間 | 20MB以内・・最大25日まで設定可能 20MB以上・・最大7日まで設定可能 | ||
主なセキュリティ機能 | ISO/IEC 27017、ISO/IEC 27018認証 PCI DSS準拠 セキュリティ監査 | ISO/IEC 27017、ISO/IEC 27018認証 PCI DSS準拠 セキュリティ監査 | ISO/IEC 27017、ISO/IEC 27018認証 PCI DSS準拠 セキュリティ監査 |
Bizストレージファイルシェア
Bizストレージファイルシェアは、ディスク容量とユーザー数で細かく料金プランが選択できるファイル転送サービスです。有料のファイル転送サービスは、ユーザー数ごとの課金制の場合、利用人数が増えるほど運用コストが高くなってしまう、という問題がありますが、Bizストレージファイルシェアであればディスク容量ごとの課金制のため、大人数でも実際の利用容量に応じてお得に利用ができます。
全プラン | |
---|---|
利用料金 | 初期費用22,000円+ディスク容量ごと月額 (1GB:16,500円/月、2GB:28,600円/月など) |
転送サイズ | 2GB |
データ保存期間 | 最長30日 |
主なセキュリティ機能 | ウイルスチェック データ・通信暗号化 不正アクセス検知・遮断 2要素認証 アクセス・管理者操作ログ取得 |
グローバルセキュアデータ転送サービス
グローバルセキュアデータ転送サービスは、独自のセキュリティ技術を導入したファイル転送サービスです。秘密分散技術と呼ばれる技術により、転送するデータを解析できないレベルに分割します。分割された状態ではデータを読み取ることができないため、万が一転送途中のデータが漏えいしたとしても安心。セキュリティを重視する企業におすすめのサービスです。
全プラン | |
---|---|
利用料金 | 30,000円~ |
転送サイズ | 無制限 |
データ保存期間 | 30日 |
主なセキュリティ機能 | 通信・データ暗号化 メールの秘密分散技術 MACアドレス認証 グローバルIPアドレス制限 |
EASY FILE EXPRESS
EASY FILE EXPRESSは、シンプルな操作画面とコストパフォーマンスの高さが魅力のファイル転送サービスです。ダウンロードキーワードの送信を自動化し手間を省くとともに、送信先を制限するID発行機能で誤送信の防止ができます。英語版のインターフェースも提供されているため、グローバルに拠点を持つ企業におすすめです。
共有型 | 専有型 | パッケージ版 | |
---|---|---|---|
利用料金 | 3,000円~/月 | 要問い合わせ | ライセンス:58,000円~ 年間保守:9,200円~ |
転送サイズ | 2.5GB | 無制限 | 無制限 |
データ保存期間 | 7日 | 任意設定可能 | 任意設定可能 |
主なセキュリティ機能 | ID発行機能 操作ログ管理 通信暗号化 アンチウイルス | ID発行機能 操作ログ管理 通信暗号化 アンチウイルス | ID発行機能 操作ログ管理 通信暗号化 |
ファイル転送サービスを使う際の注意点
ファイル転送サービスを利用する際には、サービスだけでなく使い方も重要です。特に注意すべき点としては以下が挙げられます。
- 通信が傍受される恐れがあるため、公共のWi-Fiでサービスを利用しない
- 誤送信が発生しないような仕組みを取り入れる
- パスワードをかけずにファイルを転送しない
安全にファイル転送サービスを利用するために、これらの基本的なセキュリティ対策を徹底するようにしましょう。
社内で安全にファイルを共有するならQastがおすすめ
今回は外部と安全にファイルを転送できるファイル転送サービスをご紹介しましたが、セキュリティを担保しつつファイルのやりとりを行う際には「Qast」のご利用も非常に有効です。
Qastであれば、社内で簡単にファイルを共有できると同時に、情報の蓄積や高い検索性により、やりとりしたデータをいつでも閲覧できます。また、信頼性の高いAWSのサーバーを利用しており、通信・データ暗号化や24時間体制の不正アクセス監視、二段階認証など、セキュリティ対策も万全です。
社内でのファイル共有をお考えの際は、ぜひQastを試してみてはいかがでしょうか。
Qastについて詳しくはこちらまとめ
ファイル転送サービスは、外部とファイルを安全にやりとりする際に有効なサービスです。無料で手軽に大容量のファイルを転送できるサービスがあることに加え、セキュリティ機能やファイル転送の手間を省く便利機能が充実した有料サービスもあります。
従来のメール添付でのファイル送信は、セキュリティ面でも送受信時の手間の面でも、ファイル転送サービスに劣ることが一般認識となっています。「Qast」を含め、この記事を参考にぜひファイル転送サービスの導入・活用を検討してみましょう。