業務効率化とは?効率化の手法や進め方のポイント、おすすめツールを紹介
ワークライフバランスや働き方改革といった言葉に注目が集まる今、不要な業務をなくし効率化を図ることは企業や組織の急務となっています。
業務効率化には、より重要な業務へのリソースの集中や従業員のモチベーションアップ実現など多くのメリットがあります。しかし、ただやみくもに業務を整理しても思うような効果が得られない可能性もあります。
この記事では、業務効率化の手法や進め方のポイント、おすすめのツールをご紹介します。
業務効率化とは?
まずは、業務効率化の意味や重要性、メリットを解説します。
業務効率化の意味や定義
業務効率化は、人事労務用語辞典によると以下のように定義されています。
業務効率化とは、コストを抑えて早く業務を進めるために、これまでの業務を見直すことを指します。業務プロセス上のムリ・ムダ・ムラを見つけて省き、効率的に業務が進むように改善を図ります。
引用元: 人事労務用語辞典
定義のなかにあるムリ・ムダ・ムラとは、具体的に以下のような状態を指します。
- ムリ:人や設備に過度な負荷がかかりパフォーマンスが低下している状態
- ムダ:目的達成に必要のない業務が発生している状態
- ムラ:人や組織、時期などによって業務に大きな偏りが発生している状態
これらのムリ・ムダ・ムラをなくし、業務をより円滑に進められるようにすることが業務効率化です。
業務効率化の重要性
現代になって、業務効率化がより重要になっている背景には、労働人口の減少や働き方改革といった動きがあります。
労働人口の減少により、多くの企業で人手不足が発生しています。今後さらに少子高齢化が進み、労働人口が減ることを考えると、少ない人手で業務に対応できるようにすることが欠かせません。
また、働き方改革によりワークライフバランスを保つことも求められています。労働者もワークライフバランスのよい企業を求めており、業務効率化によってワークライフバランスを維持できない企業は、さらなる人手不足に陥る可能性が高まります。
業務効率化のメリット
業務効率化には主に4つのメリットがあります。
コストの削減に繋がる
業務効率化の取り組みでムダを削減すれば、より少ない工数で業務に対応でき、人件費の削減に繋がります。
また人件費のコスト削減だけでなく、何も決まらず時間だけを無駄にしていた不要な会議の時間や、それに伴って発生する施設利用といった、時間コストの削減にも繋がるでしょう。
生産性の向上が図れる
生産性は、インプットに対するアウトプットの量で算出されます。インプットの削減やアウトプットの増大ができれば、生産性向上に繋がります。
業務が効率化できれば少ない工数で業務に対応できるためインプットの削減になりますし、削減した工数を別の業務に充てることでアウトプットも増大します。結果として生産性の向上が図れ、企業の利益増大に繋がるでしょう。
社員のモチベーションアップに繋がる
業務効率化によりワークライフバランスを維持できれば、社員のモチベーションアップに繋がります。
また、業務効率化でムダを削減できれば、社員のストレスのもとを断つこともできるでしょう。
社員の定着率の向上に繋がる
長時間労働を行なっていた場合、業務効率化によってムダを省くことで、労働時間の短縮ができ、効率よく仕事を進めることができます。
また、業務効率を図るためのコミュニケーションツールやビジネスチャットなどの導入により、多様な働き方を選択できるようになります。
それにより、ワークライフバランスに加え、テレワークや時短勤務など、社員にとって働きやすい環境を提供しやすくなり、結果として社員の定着率向上に繋がり、安定した組織運営を行えるようになるのです。
利益率の向上が見込める
業務効率化からは、コストの削減と生産性向上による利益増大の両方の効果を得られます。
企業が求める利益率増大を実現するためには、コストを削減するか利益を増大させるか、もしくはその両方が必要です。
業務効率化はコスト削減と利益増大の両面からアプローチできるため、より効果的な利益率向上に繋がるでしょう。
他の業務やスキルアップに使える時間が確保できる
業務効率化によって作業時間を短縮できれば、その時間をより利益に繋げやすいコア業務や従業員自身のスキルアップにあてる時間として活用できます。
コア業務への注力による利益拡大で成長に必要な投資予算をアップできる、従業員のスキルアップによりさらなる業務効率化に繋がるなど、企業内の好循環がうまれるでしょう。
業務効率化の手法・アイデア
続いて、具体的な業務効率化の手法やアイデアを5つご紹介します。
無駄な業務を省く
業務効率化の手法のなかでもすぐに着手できる方法は、現在発生している無駄な業務を省くことです。
たとえば、オンライン会議システムを導入することでリモートワークを通常の勤務体系にできれば、通勤費用や社員の通勤時間を大幅に削減できます。
定例の会議なども、その目的や内容、成果をよく吟味して他の会議に集約したり廃止したりすることで、その時間を他の業務に充てることが可能となります。
分業化したものを統合する
複雑な業務は複数の担当者やチームで行ったほうが効率が上がることもありますが、情報共有の遅延や作業の重複などに繋がる場合もあります。
分業化したことで作業効率が下がっていると感じられる場合は、一人の担当者もしくはユニットに統合することで作業効率を上げることができます。
マニュアルを作成する
マニュアルを作成しておけば、作業時に手順が分からなくなったり、判断に迷って作業が止まったりといったトラブルを防ぐことができ、業務効率化に繋がります。
また、マニュアルがあれば誰でも作業できるようになるため、アウトソーシングの利用も検討しやすくなります。
自動化・アウトソーシングの利用を検討する
単純な作業やテンプレート化しやすい作業は、自動化やアウトソーシングによって効率化を図ることができる場合があります。
たとえば、一定のデータを一定のレポートフォーマットへ変換する作業などはExcelのマクロやプログラムを組みデータを貼り付けることで対応できますし、より高度かつ操作性の高いSaaS型のツールも数多く登場しています。
また、外部の会社に委託しても問題のないタスクはアウトソーシングすることで、社員をより重要な業務に集中させることができます。
コミュニケーション・情報共有ツールを導入する
コミュニケーション・情報共有ツールも業務効率化に大きく貢献する存在です。
ビジネスチャットツールの導入によるコミュニケーションの円滑化や、情報共有ツールによるナレッジの蓄積を実現できれば、業務上の無駄なやりとりを削減でき、より円滑に業務を進められるようになります。
業務効率化の進め方
では、業務効率化は具体的にどのように進めればよいかを見ていきましょう。
現状の業務フローを可視化する
業務効率化を進めるにあたっては、まずは現在の業務フローを把握し、業務の可視化を行いましょう。業務の全体像や現状を正しく把握できれば、どの工程をどのように効率化すればよいか見えてきます。
などが可視化すべき内容となります。
全体像と現状が把握できたら、次は効率化できるポイントを精査する段階です。業務効率化の効果が見えやすい業務は以下のようなものとなります。
効率化を図る際にはすべて社内で完結させる必要はありません。外注して効率化させる方法もあわせて検討しましょう。
優先順位付けを行う
現在の業務フローを可視化したら、どの業務を優先的に効率化していくのかを決めましょう。社内で完結させるにせよ外注するにせよリソースは有限です。
優先順位の高いタスクに注力することでリソース配分を最適化し、そのリソースを売上や利益率向上に直結する業務に回すことができれば、経営基盤をより強固なものにできます。
スケジュールや計画を立てる
効率化を図る業務が決定したら、次は効率化を進めるスケジュールを計画します。
新たな作業工程はいつからスタートするのか、各担当部署への説明はどのタイミングで行うのか、外注する場合の引き継ぎにはどの程度の工数が必要かなどを検討し、スケジュールを逆算して決定していきます。
システムやツールを導入し自動化する
システムやツールを活用した自動化には大きな業務効率化の効果があるため、積極的に導入を検討しましょう。
ただし、システムやツールの導入にはコストがかかります。PoCやスモールスタートでの導入を行い、想定した効果が得られるかを検証しながら展開するのがおすすめです。
PDCAサイクルを回す
業務の効率化を行った後は、その効率化が本当に実現できているかを検証することも必要です。
場合によっては作業品質の低下や機能不全に陥っている場合もありますので、PDCAサイクルを回しながら修正し、効率化の精度を常に高める努力を続けることをおすすめします。
業務効率化を進める際のポイントや注意点
業務の効率化はただやみくもに進めればよいものではありません。ここでは効率化において注意すべき点を解説します。
効率化にこだわりすぎない
業務効率化に取り組んだはずが、業務の進め方が変わったことでかえって効率が落ちてしまうことがあります。そうした状況を避けるためには、すべての業務を一度に変えるのではなく、優先度の高いタスクから変えていくようにしましょう。
一度にすべての効率化を図るとすべてが中途半端に終わってしまう可能性があるためです。業務に携わる担当者の能力やツールの活用率などを確認しながら計画を立て、確実に一つずつ実行することをおすすめします。
効率化の目的や重要性を会社全体に周知する
業務を効率化すると、これまでの業務の進め方が少なからず変わることになります。業務の変化が社員にストレスを与え、社員からの反発を招くかもしれません。
反発を防ぐためには、効率化の目的や重要性を会社全体に周知し、社員の協力を得ながら取り組むことが大切です。
自社に合うツールを導入する
業務効率化のためにツールを導入する場合は、効率化を図りたい業務に見合ったツールを選ばなければなりません。適正なツール選定ができていないと、機能が多すぎて費用だけがかさむオーバースペックの状態に陥ったり、逆に機能が不足したりすることが考えられます。
業務効率のためのツールを選ぶ際には、ツールの操作に求められるITリテラシーや操作性をしっかりと検証しましょう。組織内でツールを利用する方はさまざまであり、ITリテラシーの差もあります。
年齢や職種を問わず簡単に使いこなせるツールを導入しなければ、使われないまま放置されてしまう可能性もあります。
ツールを導入して終わりにしない
業務効率化の失敗事例として、ツールを導入すれば自動的に業務効率化ができると考え、ツールの導入が目的になってしまうケースが多く見られます。
ツールを導入しても、現場の実態にあったツールでなければ、利用が形骸化してしまい効果を得られません。ツールの導入後もツールの活用促進や定期的に実態調査を行い、ツールの利用が定着しているか、ツールの効果が得られているかをチェックしましょう。
業務効率化ツールなら「Qast」がおすすめ
https://qast.jp/業務効率化ツールにはさまざまなものがありますが、なかでもおすすめなのがナレッジプラットフォーム「Qast」です。
Qastは個人が持っているノウハウを引き出して社内に蓄積できるツールで、個人に依存しがちな情報・ナレッジを社内で一元的に共有でき、組織全体の業務効率化を図れます。
聞きたいことがあっても誰に聞けばよいのか分からず、担当者や詳しい人を探すのに時間を要してしまうような場合でも、「誰が何に詳しいか」を組織内で共有できます。
また、業務マニュアルや議事録、社内FAQなど、社内に点在しているすべてのナレッジを一元的に蓄積・管理できるため、社員それぞれが課題を自己解決でき、それによって業務を効率化できます。
スマートフォンからもアクセスできるため、外出先から情報をチェックしたり日報を作成したりすることも可能です。
さらに、誰でも簡単に使えるシンプルなUIで直感的な操作が可能であるため、組織で定着させるハードルが低いことも大きな特徴です。
まとめ
業務効率化には、業績の拡大や社員のモチベーションアップなど多くのメリットがあります。しかし、業務の進め方を変える必要があるため、最初は担当者や担当部署に少なからず負担がかかる場合もあります。
すべての効率化を一度に行うのではなく、優先順位の高い業務や自動化しやすい単純作業から効率化を図るなどして、可能な限り負荷の少ない改革を実現しましょう。
また、ツールを導入する際には、自社の解決すべき課題を本当に解決できるツールかどうか、誰でも使いやすいシンプルなインターフェースのツールかどうかをしっかり確認したうえで選定しましょう。
Qastはシンプルなインターフェースのため、年齢や職種を問わず利用しやすいツールです。業務の効率化をお考えの際は、ぜひQastのご利用をご検討ください。