社内コミュニケーションとは?重要性や活性化させるメリット、おすすめのツールを紹介
業務を円滑に進めていくためには社員間のコミュニケーションが欠かせません。社内コミュニケーションが活性化されると作業の効率化や社員の定着率向上にも繋がり、優秀な人材を確保し続けることが可能となります。結果、強固な組織が出来上がり、業績の向上が実現します。
本記事では、社内コミュニケーションとは何か、またコミュニケーション向上によるメリットやツールをご紹介します。
目次
社内コミュニケーションとは?目的や重要性
社内コミュニケーションとは、社員が業務のナレッジやノウハウなどあらゆる情報を共有し合い関係性を深めることです。
組織は働く個人の集団です。各担当業務の積み重ねによって、グループや部署、会社の事業が成り立っています。業務によっては部を横断してチームプレーで業務を進めていく必要もあるため、社内コミュニケーションは不可欠です。
コミュニケーション不足は業務の障害になるが9割
HR総研が実施した社内コミュニケーションに関するアンケートによると、「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると思うか」という質問に対し、69%の方が「大いにそう思う」、25%の方が「ややそう思う」と回答しています。合計すると9割以上の方が、社員間のコミュニケーション不足が業務の障害になると考えていることになります。
この結果からも、業務を円滑に進めるためには社内コミュニケーションが不可欠であることが分かるでしょう。
社内コミュニケーションの重要性
では、社内コミュニケーションが不足すると、実務において具体的にどのような影響が出るのでしょうか。
たとえば、業務が縦割りでメンバーや部署、チーム間の情報共有がなされない状態だと、業務が属人化し、担当者の休暇や進捗遅れが発生しても誰もフォローできない状態になります。また、各社員のノウハウが共有されないため、業務効率化や生産性向上も図りにくくなるでしょう。
このように、社内コミュニケーションが不足すればさまざまな悪影響が発生します。そのため組織の成長において、社内コミュニケーションの促進は非常に重要です。
社内コミュニケーションを活性化させるメリット
社内コミュニケーションを活性化させることで得られる具体的なメリットを解説します。
社員定着率の向上を狙える
厚生労働省の調査によると、入職者のうち入職前1年間に就業経験のある「転職入職者」が前職を辞めた理由として挙げられるのは、個人的理由のなかの「その他の個人的理由」をのぞくと、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が男性9.1%、女性10.8%となっており、続いて「職場の人間関係が好ましくなかった」が男性8.3%、女性10.4%と、辞めた理由として多い結果となっています。
社内のコミュニケーションを活性化すれば、組織の上下や横の連携が深まり、社員にとって働きやすい職場環境の整備が可能となります。社員に居心地のよい職場環境を提供することは定着率向上に繋がり、優秀な人材の長期的な確保を可能にします。
社員のモチベーション向上に繋がる
経営者と管理職、上司と部下などの関係が良好でない場合、社員満足度が低くなり社員のモチベーション低下に繋がります。社員の業務に対する認識や進捗を共有し、上司と共有できる環境を整えることが必要です。そうすることにより活発な議論が生まれ、社員も自分の考えを意見できるようになり、担当業務へのモチベーション向上、ひいては社員の満足度の向上にも繋がっていきます。
新しいアイデア・イノベーションが生まれる
新たなアイデアやイノベーションを生むうえでも社内コミュニケーションは必須です。コミュニケーションが取れなければ、上司や同僚への不要な気遣いにより社員が意見できず、有効な議論は実現しません。
イノベーションを起こすには、自由にアイデアを出し合える組織風土の醸成が必要です。社内コミュニケーションが活性化されていれば前向きな意見が飛び交うようになり、自由なアイデアやイノベーションが生まれるようになるのです。
ナレッジやノウハウの共有で業務の標準化を狙える
社内コミュニケーションが活発でない状況では、社員同士の意思疎通に必要以上の時間を擁したり、意思疎通において大きな心理的抵抗を感じたりするなど、「コミュニケーションコスト」が大きくなります。
企業の大小を問わず、一人で完結できる業務は多くはありません。ほとんどの業務はさまざまな部署と連携して遂行されます。社内コミュニケーションを改善し認識を合わせることができれば、コミュニケーションコストが削減され、業務の効率化や標準化を図れます。
顧客満足度の向上に繋がる
コミュニケーションの活性化は顧客満足度の向上にも寄与します。それは、上下や横との連携によって業務間に協力体制が生まれ、顧客からの要望に対して迅速な対応ができるようになるからです。
社内コミュニケーションがもたらすメリットは、一見社内のみにあると思われがちです。しかし実際には、顧客満足度など外部からの評価とも密接に関係しているのです。
企業理念やビジョンが浸透しやすくなる
社内コミュニケーションには、経営層から新入社員まで、すべての社員におけるコミュニケーションが含まれます。社内コミュニケーションを促進するなかで企業理念やビジョンに関する発信を増やし、それに対して社員がリアクションできるようにすれば、企業理念やビジョンをより浸透させやすくなるでしょう。
企業理念やビジョンを理解することで、社員が企業と一致した方向性で積極的に企業利益に貢献できるようになるため、企業の組織力アップや利益増大に繋がります。
社内コミュニケーションが不足する原因
社内コミュニケーションが不足する主な原因としては、コミュニケーション機会の減少、部署や拠点ごとの縦割り文化、経営層と社員のコミュニケーション機会の不足などが挙げられます。近年ではテレワークや時短勤務などの働き方を取り入れる企業も多く、社員間でいかにコミュニケーションを取るかがより大きな課題となっています。
また、部署や拠点ごとで独自の文化を根付かせてしまうと、業務が縦割りとなり社内コミュニケーションが阻害されてしまいます。加えて、経営層と社員のコミュニケーション機会が不足すると、全社的な視点ではなく現場視点に偏る社員が増え、情報が現場内に閉じられてしまう要因となります。
社内コミュニケーションが不足することによる影響
社内のコミュニケーション不足による影響は実務的なものだけにとどまりません。以下のようなデメリットも想定されます。
連携不足による顧客対応への影響
社内コミュニケーションが不足していると、顧客からの問い合わせに対して誰に確認すべきか分からず、迅速な対応ができなくなります。営業機会を失うだけでなく、顧客の不信感にも繋がります。
社員のモチベーションの低下
社内コミュニケーションが足りないことで他部署との交流機会がなくなると、別の視点からの考えを聞くチャンスを逃してしまいます。
また、仕事の幅を広げたいと思っても、社内に話を聞ける人や相談できる相手がいなくなってしまいます。そのような環境では自らの成長を感じることができず、モチベーションが低下してしまいます。
不正行為・コンプライアンス違反の発生
社内コミュニケーションがないと会社や組織に愛着が持てなくなり、業務の怠慢や不正行為に繋がる場合があります。
お互いの進捗を把握し情報を共有すれば、互いに信頼関係や協力し合う意識が生まれ、仕事を自分事として捉えられるようになります。その意識が不正やコンプライアンス違反の防止に繋がります。
社内コミュニケーションを活性化させる方法
社内コミュニケーションを活性化させるためには、まずコミュニケーションが取りやすい環境を作る必要があります。
物理的なコミュニケーションの場を作る取り組みはもちろん、コミュニケーションに対する心理的な抵抗を下げる取り組みの両方を考えることが大事です。
ここからは、社内コミュニケーションを活性化するための具体的な方法をご紹介します。
社員食堂・リフレッシュスペースを充実させる
社員食堂やリフレッシュスペースを充実させることも、コミュニケーションを活性化する方法の一つです。食事やコーヒーなどを楽しみながら気軽に話せる場があると、普段の打合せなどでは聞けない話を聞くことができたり、話す機会がない他部署の社員と話したりすることが可能です。
部署の壁を越えた連携や新たなイノベーションのきっかけになることも期待できます。
社員食堂を敷地内に設けられない場合、カフェやバーなどの店舗を一時的に借りて社員食堂を運営する企業もあります。
社内イベントを開催する
社内イベントとは、社員同士が集まりコミュニケーションを深める機会のことです。新年会や忘年会、お花見、社員旅行、創立記念パーティーなどが例として挙げられます。
社内イベントでは、普段業務で関わらない他部署の社員や経営層ともコミュニケーションを取れます。
社内報を出す
社内報は会社や業務についてより深い理解を促すために発行されます。掲載される内容は、会社や部署のニュース、社員紹介などさまざまです。
紙媒体での発行が長く主流でしたが、メールやpdfでの発行を経て、最近では動画の社内報も注目されています。文字の情報量よりも動画形式のほうが伝わりやすく、忙しくても簡単に会社動向を把握できます。
会社や組織の規模が大きくなればなるほど社員同士の面識が薄くなってしまいます。
どの部署にどのような方がいて、どんな業務を担っているのか、会社は何を目指しどんなビジョンを描いているのかなどを、社内報により得られます。
定期的に1on1を行う
1on1とは、マネジメント層が部下の成長をサポートするために設ける1対1の面談の場です。
1on1では、業務の相談から今後のキャリア、プライベートの悩みなど、幅広い内容を取り上げます。
定期的に1on1を行えば、部下の困りごとを吸い上げやすく、マネジメント層に相談をする部下の心理的なハードルも下げられるでしょう。
フリーアドレスを取り入れる
フリーアドレスとは、職場の座席を固定せず各自が好きな席で業務を行うワークスタイルです。
普段は席が隣同士にならない社員と隣同士になることで、コミュニケーション活性化の効果が期待できます。
しかし、部署やチーム内でのコミュニケーションがかえって不足しがちになる、孤独感を感じてストレスになる可能性があるなどのデメリットもあります。このデメリットを解消するには、フリーアドレスとあわせてコミュニケーションツールの導入なども検討するとよいでしょう。
コミュニケーションツールを導入する
コミュニケーションツールを導入することで社内コミュニケーションの問題を解決できることもあります。
コミュニケーションツールには、グループウェアや社内SNS、チャットツールなどがあります。いずれも社内のコミュニケーションを円滑化し、業務効率を上げるためのツールです。
社内コミュニケーションに便利なツールの種類
ここからは、社内コミュニケーションを活性化させるための便利なツールをご紹介します。
社内SNS
社内SNSは社員だけで運用されるメディアです。社員であれば誰でも気軽に情報発信ができます。また、その発信に別の社員が反応できるため、双方向のコミュニケーションが可能となります。
社内SNSの運用ルールは企業によってさまざまで、業務に関する内容に限定している企業もあれば業務以外のトピックも投稿してOKとする企業もあります。さまざまな情報を社内SNS上で共有できれば、同僚の別の側面が見えたり他部署の最近の活動が把握できたりするようになります。
チャットツール
チャットツールも代表的なコミュニケーションツールの一つです。Microsoftが提供しているTeamsやChatwork、Slack、LINE Worksなどがあります。
社内で連絡を取り合う場合、従来は対面やメール、内線通話が主流でした。もっとも主流であったメールは形式を整える必要があり、件名や挨拶など要件以外の部分に時間を要します。しかしチャットなら要件だけを簡潔に伝えるため、コミュニケーションコストの削減に繋がります。
グループウェア
グループウェアとは、コミュニケーションの促進により情報共有のスピードアップや業務の効率化を目指すことを目的としたツールです。
働き方改革やポストコロナによりリモートで働くことが当たり前の時代となりつつあります。オンラインで顔を合わせられる会議システムなどは、いまやビジネスには欠かせないものです。
グループウェアには、Web会議システムやスケジュール共有、施設や備品予約、タイムカードなどの基本機能から、ファイル共有システムや稟議などのワークフローシステムまで、さまざまなツールがあります。利用できる機能はグループウェアによって異なるため、自社の課題を解決するための適切なツールを選定することが重要です。
社内コミュニケーションの活性化に成功した事例
ツールを導入し社内コミュニケーションの活性化に成功した事例をご紹介します。
総合施設管理事業・エネルギーマネジメント事業に携わるJR東日本ビルテック株式会社様は、各地の支店や事業所で部門ごとに同じような業務を行っているものの、部署ごとに独自の文化が根付いてしまっている点が課題となっていました。
そこで、「全社員が一切の障壁なく助け合う風土の醸成」を図るため、ナレッジプラットフォーム「Qast」を導入しています。Qastは誰でも使いやすいシンプルなツールであり全社的に展開しやすく、Q&A機能によるナレッジの蓄積やリアクション機能によりコミュニケーションの促進が図れるため、社内コミュニケーションの活性化に繋がりました。
結果として、現場の若手社員から「質問するハードルが下がった」という声があがるなど、社内でコミュニケーションを取りやすい環境作りに成功しています。
JR東日本ビルテック株式会社様の事例はこちら
社内のコミュニケーションを活性化して課題解決に活かすなら
https://qast.jp/社内のコミュニケーションを活性化して課題解決に活かすツールをお探しなら、ナレッジプラットフォーム「Qast」がおすすめです。
Qastはナレッジの蓄積に強い情報共有ツールであり、業務マニュアルや議事録、社内報のような全社へのアナウンス情報、知見やノウハウなどの共有が可能となります。すべてのノウハウや情報を一元的にQastに蓄積することで、社員は自分で情報を探し出す力を育むことができ、生産性の向上が実現します。
特徴
Qastには自主的にナレッジを共有できるメモやユーザー起点でナレッジを引き出すQ&A機能があり、フォルダ分けやタグ付けでナレッジを整理・蓄積できます。また、シンプルで誰でも直感的に操作できるツールのため、幅広い部署で活用可能です。
高度な検索機能で蓄積したナレッジを素早く検索できるほか、活用状況や利用傾向などを定量的に分析できるダッシュボード機能も特徴的。また、チャットツールのTeamsやSlackとの連携もできるため、既にTeamsやSlackを導入している環境でも効果的に活用できます。
機能
Qastには以下のような機能が備えられています。
- Q&A:社内版知恵袋となる誰かの疑問とそれに対する回答を蓄積する機能
- メモ:自発的にナレッジを発信して共有する機能
- こましりbox:困っていることや知りたいことを匿名で投稿する機能
- プロフィール:メンバーの業務経験や過去の投稿を可視化する機能
- ワークスペース:拠点・部署・職種などの単位でワークスペースを作成する機能
- ダッシュボード:閲覧数・投稿数・ログイン数などの活用状況を可視化する機能
まとめ
業務を円滑に進めていくためには、同僚や他部署との横の繋がりだけでなく、上司と部下の縦のコミュニケーションを促進することも重要です。そうすることで社員の帰属意識が高まり、定着率の向上や新たなイノベーションの創出にも繋がります。
チャットツールとも互換性のあるQastであれば、社内コミュニケーションを大きく改善し、コミュニケーションコストを大きく削減できます。ぜひ導入を検討し、業務効率化や生産性向上を実感されてみてはいかがでしょうか。