「言った」「言わない」のトラブルを防ぐには?起こる原因や回避する方法について解説
「言った」「言わない」は身近でもよく起こり得るトラブルですが、仕事においては職場環境の悪化や取引の失注など大きな問題を招くリスクも秘めています。
この記事では、「言った」「言わない」が起こる原因や生じるデメリット、防ぐための方法と解決策となるツールをご紹介します。
目次
「言った」「言わない」のトラブルはなぜ起こる?
社内外を問わず、ビジネスシーンでありがちな「言った」「言わない」のトラブル。以下のような経験はありませんか?
- 上司や先輩から口頭で指示を受けて作業に取り組んだ
- 部下から質問をされ、その場で簡単なアドバイスを行った
- 顧客から実現困難な要望があり「検討させてください」とだけ答えた
- 取引先と長期間の商談の末、ようやく条件面の口頭合意に至った
→数日後、「そんな指示は出していない」と叱責された
→「○○さんの指示通りに作業をしました」と責任を被せられた
→後日、「○○さんはできると言った」とクレームが入った
→書面での正式契約時に「そのような条件は飲めない」と反故にされた
上記のような問題が引き起こされる原因は、次にご紹介するようなコミュニケーションの不備にあると考えられます。
「言った」「言わない」のトラブルが起こる原因
「言った」「言わない」の原因となるコミュニケーションの不備について、どのような種類があるのか、具体的に深掘りしていきましょう。
認識のズレや違いがあった
やり取りをした人同士の認識のズレや誤解は、「言った」「言わない」の原因としてよくあります。
たとえば、上司が部下に「あの書類(書類A)は○○社に提出した?」と確認した際、部下が別の書類(書類B)を思い浮かべて「昨日提出しました」と答えれば、後日そのズレが発覚し、「言った」「言わない」に発展してしまいます。
聞き逃していた・聞き間違いをしていた
聞き逃しや聞き間違いも、「言った」「言わない」を生み出す原因となります。たとえば、取引先に「再来月の15日までに納品できます」と口頭で説明した場合、相手が「来月の15日」と聞き間違えていれば、深刻なトラブルとなる恐れがあります。
また、ほかの業務の対応中に周囲から突然声をかけられ、咄嗟に「はい」と答えて詳細を聞き逃してしまうような失敗もありがちです。
メモや議事録など記録を残していなかった
重要な会話をメモや議事録などで記録しておかないと、「言った」「言わない」のトラブルが発生しやすくなります。
数時間に渡るような会議の討論内容を、それぞれの記憶だけを頼りに振り返るのでは不安が残ります。会議の結論である決定事項も、参加者ごとに認識のズレが生じているかもしれません。
情報の共有ができていなかった
当人に連絡したつもりになっていたなど、そもそも情報共有に漏れがあるケースにも注意が必要です。
たとえば、人づてにAさんたち(複数人)に連絡をお願いする場合、お願いする側は「Aさんたち(Aさん、Bさん、Cさん、Dさん)」と思っていても、頼まれた側は「Aさんたち(Aさん、Bさん、Cさん)」と思っている可能性があります。
しっかりと確認ができていなかった
ここまでの内容をまとめると、「言った」「言わない」が起こる原因は「意思疎通が正しく図られているかをしっかり確認できていなかった」ことに尽きます。「言った」「言わない」のトラブルの根底にあるのは、「連絡できているはず」「しっかり確認したはず」という思い込みです。
「言った」「言わない」が起きるとどのようなデメリットがある?
では、「言った」「言わない」が起きると自社にどのようなデメリットが生じるのか、具体的に見ていきましょう。
職場環境に影響が出る
上司・同僚・部下など、共に働く相手との間で「言った」「言わない」が起きると、職場の人間関係に悪影響をもたらします。
「言った」「言わない」のトラブルは、お互いに「伝えた」「聞いていない」との確信を持っている例も多く、そのようなケースでは「○○さんは信用できない」と思われてしまい、信頼関係にひびが入ってしまいがちです。
クレームに繋がる可能性がある
顧客からの問い合わせにおいて「言った」「言わない」が生じると、強いクレームを受ける可能性があります。「こうした使い方ができると聞いた」「気に入らなければ返品ができると言っていた」など、起こり得るクレームの内容はさまざまです。
顧客が不満をSNSや口コミで広げた場合、いわゆる炎上被害を招くリスクもあります。
会社の利益に影響が出る可能性もある
「言った」「言わない」のズレが会社の利益に直接的な影響を与えるおそれもあります。
たとえば、取引先との商談を口頭で進めて契約を獲得した結果、条件面の認識に齟齬があったり、そもそも相手は契約を締結したつもりがなかったりといった大きなトラブルも起こり得ます。
自社全体の生産性が下がってしまう
「言った」「言わない」のトラブルの増加は、会社全体の生産性の低下を引き起こします。社員のモチベーションが低下して業務効率が下がり、本来は不要な社外とのやり取りが増えて作業工数が増加するなど、非効率な事態に陥ります。
「言った」「言わない」の問題は、自社に重大な損害を与えるコミュニケーションロスだと捉えましょう。
「言った」「言わない」のトラブルを回避する方法
では、「言った」「言わない」のトラブルを回避する具体的な方法を見ていきましょう。
メモや議事録などテキストで残す
まず意識すべきは、口頭でのやり取りの内容をメモや議事録のようなテキストで残すことです。
「言った」「言わない」が水掛け論となるのは、会話の内容を確認する手段がないためです。後から確認できる記録としてやり取りを保存しておけば、当事者同士で冷静に振り返りやすくなります。
録音や録画をする
やり取りを記録しておく方法は、録音・録画といった方法でも構いません。会議であれば室内にカメラを設置する、電話問い合わせやオンラインミーティングであれば録音・録画用のツールを導入するなど、会話を記録する準備を進めましょう。
お互いの認識に相違はないか確認をする
会話の内容に認識の相違がないか、お互いに確認する習慣づけを行うことも有効です。打ち合わせや説明の後に「ここまでで何か不明点はありますか?」と尋ねるなど、曖昧な点を残さないためのルールを設けましょう。
また、「今週の金曜中」と言うところを、「○月○日 金曜日の15時までに」といったように、数値を用いた明確な表現を意識することも大切です。
密にコミュニケーションを取るようにする
コミュニケーション回数を増やすことも、認識の齟齬や連絡漏れに気づきやすくなるため、「言った」「言わない」を回避する対策の一つとなります。
10日に1度しか連絡をしない場合と3日に1度確認をするケースでは、記憶の辿りやすさが異なります。万が一トラブルが発覚した場合も迅速に対処でき、影響を小さく留めることができるでしょう。
チャットツールやメールでやり取りを残す
連絡手段を口頭からチャットツールやメールに切り替えるのも重要な対策です。自動的に記録が残る方法で連絡を行えば、メモをし忘れるなどの人為的な失敗を減らせます。
記録に残ることを意識して分かりやすく丁寧な表現でやり取りする心がけが生まれるなど、副次的な効果も期待できるでしょう。
情報共有ツールを活用する
情報共有に強みを持つITツールを導入する手もあります。チャットツールやメールと同じように、やり取りの記録を残すことができますし、チーム内のスケジュールやタスクを管理・共有できるツールを導入すれば、「○○をしてほしいと指示を出したはず」といったようなズレを避けられます。
「言った」「言わない」の対策におすすめのツール5選
続いて、自社における「言った」「言わない」の対策に活躍するおすすめツールを5つご紹介します。
Qast
Qastは、社内のコミュニケーションの活発化と記録を実現する「ナレッジプラットフォーム」です。シンプルなUIと初心者も使いやすい操作感が特徴で、部門や職種の垣根を越えた全社的なチャットツールとして日常のやり取りを記録します。
また、誰もが気軽に質問できる「社内版知恵袋」や、ナレッジを蓄積していける「社内版Wikipedia」など、チャットツールの域を超えた便利機能も搭載。「とりあえずQastを開いてみよう」と、社内のコミュニケーションや知識共有が一元化された窓口として活躍します。
【このような企業におすすめ】
- 社内での活用が進みやすい手軽な連絡ツールでやり取りを記録したい
- ナレッジの蓄積や社内コミュニケーションの活発化を実現したい
Stock
Stockは、最大100名ほどの利用を想定した比較的小規模な情報ストックツールです。議事録や日報など、後から振り返りたい情報や出来事を「ノート」として保存していけます。
Stockはオフラインでも一部の機能が利用可能です。また、削除したデータが30日間ゴミ箱で保管されるなど、ノートの誤削除を防止する仕組みも搭載されています。
【このような企業におすすめ】
- 100名以下の利用を想定してツールを探している
- オフライン環境でも使用する可能性が高い
BONX WORK
BONX WORKは「デスクレスワーカー(現場担当者)が電話やトランシーバーを手放し、両手が自由な状態で働けること」を助けてくれるツールです。イヤホン風デバイスを耳に装着することでハンズフリーな状態で通話できるだけでなく、相手がテキストで送信したメッセージも自動で音声化し読み上げてくれます。通話の内容は録音と自動文字起こしで記録可能。現場で生じる「言った」「言わない」を解消できるツールです。
【このような企業におすすめ】
- 音声の記録に優れたツールを探している
- 現場で「言った」「言わない」が頻発している
Chatwork
https://go.chatwork.com/ja/?click=header-navi
Chatworkは国内利用者数No.1をうたう最大手チャットツールです。44万社以上が利用しており、テキストチャットはもちろん、音声通話やビデオ通話にも対応しています。
Chatworkは非常に扱いやすいツールですが、通話内容を録音・録画する機能はなく、最上位プラン以外にはチャットログをエクスポートする機能もないなど、「言った」「言わない」を防ぐ観点からは気を付けておきたいポイントもあります。他の録音・録画ツールと並行して活用するのがおすすめです。
【このような企業におすすめ】
- 社内外の連絡をできるだけデジタルツールに集約したい
- 録音・録画ツールをすでに別途導入している
クロジカスケジュール管理
https://kurojica.com/schedule/
クロジカスケジュール管理は、チームメンバーの予定をクラウドで共有できるツールです。一つのカレンダー上にメンバーの予定を集約できるため、スケジュールの共有漏れを防げます。
ツールへの予定の登録が手軽なのも魅力です。打ち合わせの予定を決める際も、専用のURLを送って相手に希望の日時を選んでもらえば、それだけでカレンダーに予定が自動登録されます。
【このような企業におすすめ】
- スケジュールに関する「言った」「言わない」を防ぎたい
- 簡単操作で扱いやすいツールを導入したい
まとめ
「言った」「言わない」の問題はコミュニケーションのミスから発生するトラブルであり、企業にとってはさまざまなリスクに繋がる恐れがあります。場合によっては信用を大きく失う可能性もあるため、しっかりと対策をとりコミュニケーションのズレを回避すべきです。
そうしたミスやズレの回避には、記録が残るITツールの導入が解決策となります。日々のやり取りを記録でき社内のナレッジの蓄積・共有も進められるQastの導入をぜひご検討ください。