ナレッジマネジメントの観点で業務を改善!効率化が見込めるアイデア5選
少子高齢化による労働力人口の減少が問題とされている今、少ない人数でいかに効率よく会社を運営していくか、というアイデアが求められています。
そこで活用したいのがナレッジマネジメントの観点です。「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがありますが、多くの従業員が知恵を出し合えば、業務効率化のアイデアは意外と集まるものです。
従業員が出し合ったアイデアは、ナレッジマネジメントツールを活用してデータベース化し、いつでも参照できるようにしておきましょう。
目次
企業が抱える課題
現在多くの企業が抱えている課題は、少子高齢化に伴う労働力人口の減少です。従業員の減少が毎年のように続く状況においては、業務を効率化し生産性を向上させる取り組みが求められます。
それを実現するために有効とされる方法のひとつが「ナレッジマネジメント」です。
これは会社が保有している知識と、一人一人の従業員が持つノウハウを「集約」し「共有可能」にすることを意味します。全ての従業員がそれらを「いつでも」「求めるとき」に活用できるようにした上で、業務効率化と生産性の向上を図る経営管理の手法のことをいいます。
会社あるいは個人が保有しているナレッジ(知識)を、広く全体に活用することができれば、生産性が向上し、少ない人数でも業務の運営が可能になります。
業務効率化に活用できる身近な5つのアイデア
業務を効率的に行うためにはさまざまなアイデアが求められます。ここからは、ナレッジマネジメントの観点からみた業務改善のアイデアについて、身近なところからご紹介します。
机の上や引き出しの中の利用法をマニュアル化
業務効率化を妨げる原因として、業務で使用するデスク周りが散らかっていることが挙げられます。
整理整頓は業務効率化のために欠かせませんが、そのスキルは人それぞれであり、知らず知らずのうちに散らかしてしまう人もいます。そのため、整理整頓の水準を一定以上に引き上げる必要があります。
整理整頓を誰でも確実に行えるようにするには、机の上や引き出しの使い方をマニュアル化する方法があります。マニュアルの事例としては下記が挙げられます。
【机の上】
・机の上には今日の作業で使う道具を置く
・文房具やファイルは、今日使うものだけを置く
【机の引き出し】
・真ん中の引き出しには道具を一切入れず、右側の引き出しだけを使う
・1番上:必要最小限の文房具のみ入れる
・2番目と3番目:自由に使ってOK(道具であふれないように)
・1番下:ファイルを取り出しやすいように入れる
机の上を最小限の道具だけにしておくことで作業スペースが十分に確保できるため、作業が円滑に行えるようになります。
また、引き出しに入れる道具を最小限とし、ファイルを見やすく収納しておけば、探す時間も省けます。
ささいなことのように思われるかもしれません。しかし周知徹底することで、多くの従業員に整理整頓のスキルが身につきやすくなり、作業効率の向上が期待できます。
ファイルは色分けして管理する
ファイルを利用する場合、色分けして管理すると一目でわかりやすく、目的のファイルをすぐに探し出せます。
例えば、営業先に関する資料は緑色のファイル、商品の情報に関する資料は黄色いファイル、事務的なマニュアルに関する資料はピンク色のファイル、と分けておきます。
同じ色のファイルだけを使っていると、背表紙に書かれている文字でファイルの内容を判断しなければならないため、選び出すのに時間がかかってしまいます。
ファイルの色分け管理はちょっとした工夫ではあるものの、業務効率を高めるためには効果的な方法です。
PCのショートカットキーを利用する
業務効率化が見込める方法として、PCのショートカットキーの利用も挙げられます。下記は一般的によく知られ、使われているものを例にあげます。
・Ctrl+C → 範囲を指定した文字やデータをコピー
・Ctrl+X → 範囲を指定した文字やデータの切り取り
・Ctrl+V → コピー・切り取りした文字やデータの貼り付け
・Shift+英字キー → 英字の大文字を入力できる
例えば、文字データをコピーして貼り付けする作業はショートカットキーを使用しなくてもできますが、マウスを操作し「コピー」「貼り付け」などの表示を探さなければならないため、多少の煩わしさが伴います。
その点、ショートカットキーを利用すれば、Ctrlキーを押しながら「C」や「V」のボタンを押すだけなので、素早く作業が行えます。
ショートカットキーはたくさんあり、全てを覚えるのは大変ですが、日常的によく使われるいくつかのものを一覧にまとめ、会社で共有できるようにすれば、業務を行う上での参考になります。
営業トークのマニュアル作成
営業トークは、営業担当者なら経験するうちに自然と身についていることが多いものですが、中には「いつまでたっても慣れない」「なかなか成果につなげられない」という人もいます。
このような場合に、営業成績が高い人のノウハウを集め、営業トークに関するマニュアルを作成しておけば、営業が苦手な人や初めてでどうすればよいかわからず不安を抱いている人の助けとなります。
基本的なことですが、営業スキルのひとつにお客様に話しかけるときは「心を落ち着かせて自信を持つ」「落ち着いた雰囲気でゆっくり話し、相手に安心感を与える」というものがあります。
「そんなことはわかっている」という内容でも構わないのです。大切なのは、知識や経験が「営業のテクニックの1つ」としてマニュアル化されたとき、客観的に受け止め習得しやすくなるという特性を持つということです。
効率よく会議を終わらせるアイデアを集める
業務効率化を実現するためには、社内での会議を効率よく終わらせる必要があります。そこで、従業員から無駄なく会議を終わらせるアイデアを集めてみましょう。
「参加人数を最小限にしぼる」「会議資料は事前に作成し、あらかじめ内容を把握してもらう」というものから、「会議は立って行う」といったユニークなアイデアも出てくるかもしれません。
また、会議のコスト削減もあわせて行うなら「ペーパーレス会議の導入」も1つの方法です。タブレットの導入には初期コストがかかりますが、紙の資料を印刷・配布する手間が省けるため、会議の時短が実現し効率化につなげることができます。
組織単位で業務効率化を実現するには
上記では、個人が実践できる業務効率化の身近なアイデアを紹介しました。各社員が個人レベルで成長していくのは重要なことですが、組織として業務効率化を図るためには、より規模の大きい取り組みが必要になります。
ここからは組織単位でできる業務効率化の取り組みをご紹介していきます。
蓄積したナレッジを元にマニュアル作成
ここまで、ナレッジマネジメントの観点からみた業務改善策についてみてきました。集められた情報は業務を効率的に行うための共有財産、つまり「ナレッジ」となります。
これらを言語化、または図示化できれば、業務に必要なナレッジを熟知していない従業員であっても、マニュアルを参照することによって業務を行う「ノウハウ」を効率的に習得できます。
ナレッジマネジメントの基本は、ノウハウが言語化されていない状態、つまり「暗黙知」から、ノウハウが言語化された「形式知」に変化させることです。
多くの暗黙知を形式知に変えていくことができれば、業務はよりスムーズに改善されるでしょう。
優秀な社員のノウハウ・テクニックを伝授
業務効率化を目的としたマニュアルを作成するためには、スキルの高い社員や熟練した技術を持っている社員からノウハウを譲り受けることが効果的です。
優秀な社員のスキルは多岐にわたり非常に高いものですが、当の本人たちは、意識せず自然に行っていることも多いものです。
「このスキルはぜひ今後のために活かすべきだ」と感じたなら、優秀な社員からそのスキルについて説明してもらいましょう。それらのノウハウを伝授してもらい、言語化できれば、質の高いマニュアルができあがり、従業員のレベルの底上げにつながります。
ツールの導入とデータベース化でさらに業務効率化
ナレッジマネジメントツールを導入することで、さらなる業務効率化が期待できます。
その理由は、ナレッジマネジメントツールを利用することで、社員の知恵やノウハウが集められ、データベース化されるためです。
データベース化によって効率化が見込まれるのは、引き継ぎの業務です。現在は少子高齢化によって労働力人口が減少しているため、業務を引き継ぎする側よりも、業務の引き継ぎを受ける側の人数が少なくなっています。
ナレッジマネジメントツールを活用して業務の引き継ぎに関する内容をデータベース化しておけば、そのアイデアは長年にわたって残されるため、引き継ぎが十分に行えなかったとしても、必要なときにいつでも参照できるようになります。
また、ナレッジマネジメントツールを活用すれば、仕事を行う上で必要な知識やノウハウが手軽に収集できるため、業務の効率化につなげられます。
業務効率化が実現すれば、重要な業務に時間をかけられるために業務の質が向上し、顧客満足度のアップが期待されます。
知識やノウハウを手軽に投稿できるナレッジマネジメントツール「Qast」
業務改善のアイデアをデータベース化し、そのデータを手軽に参照するなら、シンプルで使いやすいナレッジマネジメントツール「Qast」を利用してみましょう。
Qastの特徴は、知識やノウハウなどをメモする感覚で手軽に投稿できることです。そのため、社内全体で共有したいアイデアが浮かんだ時に、すぐに投稿できます。
また、Qastはアイデアを投稿するだけでなく、蓄積されたアイデアを簡単に参照できます。業務が円滑に進まない場合は効率よく業務を行うためのヒントがほしくなりますが、Qastに蓄積されたアイデアを参照することで問題の解決の糸口をつかむことができます。
そのほか、Qastは積極的な利用を促すため、投稿数や反応数によって投稿者にスコアが付与される仕組みとなっています。
投稿してスコアが得られれば「また投稿しよう」という気持ちになるため、多くの従業員に利用され、多くのナレッジが自然と蓄積されていくことでしょう。
まとめ
業務を効率化するために考えられる方法はいくつかあるでしょう。その中でも、一人の社員が持つノウハウを社内全体に普及させることで得られる改善効果は非常に高く、期待が持てるものです。会社の大きな成長を望むならぜひ、ナレッジマネジメントツールを活用しましょう。
Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。