「テレワークで情報共有がうまくいかない」問題を解決するツールとは?

新型コロナウイルスの流行によって、働き方の見直しが余儀なくされています。 試行錯誤する中で、企業それぞれのやり方が定着し始めている頃かもしれません。 しかし、テレワークを実践していくと、どうしても課題が顕在化されやすいのが「情報共有」に関する問題です。 オフィスに出社するよりも集中して業務を進められる人がいる反面、気軽にコミュニケーションを取ることが難しくなり、どのように社内文化を醸成していくのかに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 今回は、テレワークで発生しやすい「情報共有に関する課題」を解決ツールとその方法をご紹介していきます。

コロナウイルスによりテレワーク化が進む

テレワークとは、「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語です。ICT(Information and Communication Technology)と呼ばれる「情報通信技術」(=通信技術を活用したコミュニケーション)を活用することで実現する、場所や時間にとらわれない働き方の事を指します。 2020年、新型コロナウイルスの流行により、在宅勤務を含むテレワークへの移行が余儀なくされています。 オフィス内で感染するリスクを考慮して、遠隔地で業務を進める必要性が出てきました。 テレワークを導入することによって、まず満員電車に乗る必要がなくなります。さらには密室での社内会議、お客様先への訪問を回避し、人と会う機会を減らすことによって、コロナウイルス感染の可能性を下げる効果があるでしょう。 安倍首相が最低目標と掲げる「人と会う機会を7割減らす」を達成するには、職種を問わずテレワークへの移行が必要となっています。 業種によってはテレワークをすることが難しい場合もありますが、経済活動を維持しながらもコロナウイルスの感染を抑えるには、テレワークを導入し、うまく業務を進めていくことが必要です。  

テレワークの課題

コミュニケーションを取りづらい

テレワークにおいて一番の課題として挙げられるのは、コミュケーション不足でしょう。 Face to Faceで会話ができるオフィスにいる際は可能である、会議はもちろんのこと、同僚や上司に相談や質問をするということが困難になります。 テレワークにおける普段のコミュニケーションはチャットツールで行うのが一般的です。 従来使われていたメールでのやりとりよりも格段にスピードを持って会話が可能になりますし、メールのような定型文も必要ないので気軽なやりとりができるでしょう。 しかし、昨今ビジネス版チャットツールは増えていますが、活字だけのやりとりとなると、どうしても会話のニュアンスや意思をうまく伝えるのは難しくなってしまうかもしれません。

ノウハウが属人化しやすい

オフィス勤務でも業務のノウハウは属人化しやすいものですが、テレワークでの業務となると、さらにその可能性は高まってしまいます。 物理的に離れて業務をしていると、個人の中にノウハウは溜まっていきますので、それを社内に還元することは難しくなってしまいます。 新人は指示待ちの時間が増え、業務効率も下がってしまいます。 ノウハウやナレッジを属人化させないための仕組みやツールの導入が必要不可欠です。

気軽に質問しづらい

チャットツールを導入することで質問しやすくはなるでしょう。 親しい先輩や上司との1対1のチャットルームで質問し、解決することもできます。 しかし、メンバー全員で確認すべき質問事項や、不特定多数のメンバーに質問や相談をしたい場合、チャットツールで気軽に質問するハードルはまだ少し高いのではないでしょうか。 気軽に質問しやすい環境を構築しておく必要があるでしょう。 ▼関連記事 テレワーク(リモートワーク)を開始するにあたって、心がけておくべきポイントをご紹介しています。 併せてご覧ください。

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テレワークの課題を解決する「Slack ⇔ Qast」

テレワークにおける情報共有での課題を解決するには、「Slack」と「Qast」という2つのツールを同時に導入することをおすすめします。 まずはそれぞれのツールが一体どういうものなのか、ご紹介いたします。

 

【 Slack 】とは

https://slack.com/intl/ja-jp/

Slackは、ビジネス向けのコミュニケーションツールです。 2013年8月にリリースされ、2017年11月には日本語版が公開されました。 コロナウイルスの感染拡大によりテレワーク企業が急増している影響もあり、既に日本国内でも11万社以上が有料契約をしています。(※2020年2月〜3月で7,000社増えたと公表している) 誰でも使いこなせるシンプルなUI(ユーザーインターフェース)や、動作のスムーズさ等、使い勝手の良さはもちろんのこと、外部ツールと連携しておけば、さらに利便性が向上します。

【利用用途】

❶ 密なコミュニケーション 従来、多くの企業で使用されてきたメールでは、定型の挨拶文等が必要で、簡単な情報共有を行う場合でも、不要に時間を要するものです。 Slackであれば、文化として定型文を必要とせず、すぐに本題に入れます。これだけでもコミュニケーションの速度は格段に向上するでしょう。 また、口頭での会話と違い、履歴が残りますので過去の会話を遡って確認することが可能です。 会話の内容ごとにチャンネルを作って、コミュニケーションを分類することもできます。業務における会話はもちろん、雑談をしながらチームワークの向上を図るのも良いでしょう。 ❷ 絵文字で反応 どうしても感情が伝わりにくいテキストでのやりとりですが、Slackではリアクションボタン(絵文字)を押して、「いいね」以外の反応を示すことができます。絵文字によって、文章に感情をのせることができるのでコミュニケーションの質も変化します。 絵文字をオリジナルで作成(カスタム絵文字)することも可能です。 ❸ 通話 Slackにはビデオ通話機能もあります。 テレワークには必要不可欠であろう、複数人でオンラインミーティングを行えます。画面を共有して作業内容を見せながらの通話も可能です。 海外で産まれたツールですが、2018年に日本支社が立ち上がったことにより日本語でのサポートもありますので安心して使用できます。

【特徴的な機能】

・文章だけでは伝わりにくい感情をリアクションボタンで伝えられる ・メンション機能を使って、宛先を指定できる ・外部ツールと連携し、通知を受け取れる ・使いやすいスマホアプリ   ▼関連記事

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【 Qast 】とは

https://qast.jp/

Qastは、Q&Aとメモでナレッジを蓄積するストック型の情報共有ツールです。 「ヤフー知恵袋の社内版」のようなイメージで、誰でも簡単に質問や回答ができ、フォルダとタグで分類できるため、知りたい情報をすぐに探し出すことができます。 とにかくシンプルで使いやすく、はじめてツールを導入する方でも簡単に操作できるでしょう。 2018年7月にβ版がリリースされ、サービス提供開始から1年9カ月で利用する企業数は1,000社を超えています。急成長中の情報共有ツールです。 Qastを使う利点は以下の3点が挙げられます。 ・社内の情報を探す時間を削減できる ・何度も同じ質問に回答する社内対応の時間を削減できる ・情報共有での貢献を、人事評価に連動させることができる

【利用用途】

❶ 気軽に質問できる場所

他の社内wikiツールと比較したときに、Qastの特徴となるのが「Q&A」機能です。 テレワークの状況で、「わからないことがあればQastで質問する」というルールがあれば、いつでも気軽に質問することができるでしょう。 Qastの投稿画面はとてもシンプルなので、タイトルと本文を書くだけで質問が可能です。また、匿名での質問も可能なため、大人数でも質問しやすい環境が作れます。 ❷ web会議の議事録 テレワークになると、当然社内会議もオンラインで行うことになります。 web会議を行った後には、議事録を残しておくことが必須です。その会議で何を話し合うのか、何が決まったのか、誰が担当するのかを文字で明確にしておかなければ、認識の相違をすぐに招いてしまいます。匿名での質問も可能なため、大人数でも質問しやすい環境が作れます。匿名での質問も可能なため、大人数でも質問しやすい環境が作れます。 Qastには「メモ」として情報を残しておくことができるので、議事録を残す習慣が作れます。 テンプレート機能もあるため、一度フォーマットを作っておければ次からはその項目に沿って埋めていくだけで良いため、投稿時間を削減できるでしょう。 また事前にある程度会議の内容を投稿すると、事前に概要を把握したり、資料に目を通すことができます。会議の時間の削減にもつながります。 これを習慣化できるか否かで、テレワークの生産性は大きく異なります。 ❸ 日報 テレワークでは、その日の動きが分かりにくくなってしまいます。 そこで、Qastを使って日報も投稿していきましょう。 コメント機能を用いて、次の課題やアイデアを出し合いながら次の日の業務に活かすこともできます。 ❹ 業務マニュアル 業務フローやポイント、マニュアルを残していきましょう。 文字として情報を残すことはもちろん、画像や動画でマニュアルをアップロードすることも可能です。 また、投稿内にファイル添付をすると、そのファイル内の文字列をQast上で検索することができます。 既にPDFやPowerPoint等で資料としてマニュアルを作成している場合、Qastにアップロードしていくことで、情報を探す時間が大幅に削減できるでしょう。

【特徴的な機能】

・ファイル内の文字列を検索 ・スコアで情報共有での貢献を可視化 ・テンプレートを保存し、投稿作成の時間短縮ができる ・既読人数、誰が既読か、を確認できる ・大手向けのセキュリティプラン(IP制限、アクセスログ抽出、シングルサインオン)あり  

フローはSlack、ストックはQast

チャットツールのSlackでテレワーク中の情報共有をすべて行っている企業も多いかと思いますが、Slackだけではどうしても情報が流れてしまい、いざ情報を探したい時になかなかたどり着けない問題が発生します。 気軽にコミュニケーションが取れることにより、メールでは考えられなかったようなスピード感で情報が溜まっていく一方で、過去の情報はどんどん流れていってしまいます。 ここで、Slackのメリットの一つである「外部ツールとの連携」を活かさない手はありません。 QastをとSlackを連携しておけば、Slack上でストックしておきたい投稿に絵文字を押すだけで、それをQastに蓄積できるようになります。 その導線がこちらです↓

質問/回答/メモ/コメントそれぞれに割り当てられている絵文字を押すと、Slack上のメッセージをそのままQastに投稿することができるのです。 今まで流れていった「フローの情報」が一瞬で「ストックの情報」に切り替わり、より検索性の高いQastですぐに知りたい情報を探し出すことができるでしょう。 Slack上で情報共有をして、それを別のツールに書き直すのは手間ですが、これなら簡単にナレッジとして社内に蓄積できるのではないでしょうか。 上記のように「Slack⇒Qast」の使い方と、もう一方で「Qast⇒Slack」の使い方も可能です。 Qastで投稿された情報をSlackに通知することができるので、リアルタイム性が増すでしょう。 さらに、Slackの検索窓で「in:qast 検索キーワード」を入力すれば、Slack内でQastの投稿を検索することも可能です。 これが定着すれば、よりシームレスな連携が可能になるでしょう。 「情報共有」と言っても、フローとストックでは全く種類や重要度が違うため、SlackとQastをセットで導入し、情報を整理していくことが重要です。 ▼関連記事 SlackとQastの連携方法はこちらの記事でご紹介しています。 併せてご覧ください。

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テレワークでも生産性を下げないために

テレワークでは、社内全体で意識して情報共有の頻度と密度を上げなければ、すぐに認識の相違と安心感が欠如してしまいます。 ZoomやTeamsを使って顔を見合わせてweb会議を行うことももちろん重要ですが、その情報を記録(保存)しておくことが、後の生産性に大きく影響します。 例えば、重複する質問への対応、書類や過去事例等の探索時間、質問する相手を探す時間、指示待ちの時間、ミーティングの時間等が削減でき、生産性の高い業務に時間を割くことができるのです。 テレワークでの情報共有に課題を抱えている企業の方は、この機会に「Slack」と「Qast」を導入してみてはいかがですか? テレワーク期間を終えても、その習慣は企業にとって重要な財産となるでしょう。     ▼関連記事

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Qastラボ編集部

Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。
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