インクルージョンとは?ダイバーシティとどう違う?導入のメリット等を解説

近年、ビジネスシーンにおいて、ダイバーシティと並んでインクルージョンという言葉がよく利用されるようになってきました。しかし、ダイバーシティとインクルージョンの違いが明確にわからないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、インクルージョンの意味やダイバーシティとの違い、導入のメリットなどを解説します。インクルージョンへの理解を深めたい場合はぜひ参考にしてください。

インクルージョンとは

インクルージョンは「包含」「包摂」という意味を持つ言葉です。社会的弱者を支える福祉政策上の概念として、1980年代にヨーロッパで生まれました。組織内のすべての従業員が等しく仕事に参画する機会を持ち、お互いの多様な経験や技能、考え方が尊重されている状態を指します。

インクルージョンが重要視される背景

現代は第三次産業の比率が高まる一方、インターネットの普及も相まって、流行のサイクルが年々早まっています。そんな状況の中で常に新しい価値を提供し続けるために、多種多様な考え方や個性を受け入れる重要性が高まっています。インクルージョンは、こうした現代の社会的背景のもとで多くの企業から注目を集めています。

日本国内での動向

日本国内においてはインクルージョンよりもダイバーシティのほうが前面に出ている印象がありますが、2017年には経団連から「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」という資料が公開されています。また、インクルージョンを重要な経営戦略として挙げる企業が出てきていること、インクルージョンを教育に取り入れたインクルーシブ教育が注目を集めていることなどもあり、日本においても今後ますます重要な考え方となると予想されます。

インクルージョンとダイバーシティの関係

ダイバーシティは多様なバックグラウンドや価値観を持つ人材が集まる・受け入れられている状態を表します。一方インクルージョンは、その多様な人材が個々の能力を活かして働ける環境を表します。幅広い人材を受け入れる環境作りがダイバーシティ、受け入れられた多様な人材が最大限の能力を発揮できる環境作りがインクルージョン、と考えるとよいでしょう。

ダイバーシティとインクルージョンの違い

ダイバーシティ経営については以下の記事で詳細に解説していますので、あわせてぜひ参考にしてください。

ダイバーシティ経営とは?推進することで得られるメリットや事例を紹介
ダイバーシティ経営とは?推進することで得られるメリットや事例を紹介
価値観の多様化やグローバル化が進む昨今では、多様な人材を活かす経営手法が重要となっています。この多様な人材を活かす経営手法として経済産業省が推進しているのが「ダイバーシティ経営」です。今回は、ダイバーシティ経営の概要や推進によって得られるメリット、推進事例などを解説します。

インクルージョン導入のポイント

インクルージョンを導入する際にはどのような点に注意すればよいのでしょうか。そのポイントをまとめます。

従業員に認知してもらう

インクルージョンの実現には従業員の協力が不可欠です。多様な人材を受け入れ共に働くことには戸惑いを感じる従業員も決して少なくないでしょう。そんな従業員に対し、インクルージョンの概要だけを伝えるのではなく、なぜインクルージョンに取り組む必要があるのか、インクルージョンに取り組んだ結果どのような未来があるのかを説明し、従業員の協力を得ることが重要です。

新しい働き方を許容できるルール・制度を設ける

多様な人材が働きやすい環境作りのためには、既存のルールや制度を変えていく必要があります。テレワークや時短勤務といった働き方やそれにあわせた人事評価、給与制度など、新しい働き方を許容できるルール・制度を設けましょう。

コミュニケーションツールを導入する

多様な人材が働く環境で成果を出すためには、コミュニケーションが非常に重要なポイントになります。円滑にコミュニケーションが取れれば、それだけ多様な人材の能力を発揮、連携しやすくなります。

情報共有・蓄積に特化したナレッジ経営クラウド「Qast」のようなツールを利用すれば、円滑なコミュニケーションと過去のやりとりでうまれたナレッジの蓄積ができるようになります。また、過去の投稿状況やスコア機能などにより、適切な人事配置や評価もできるようになるでしょう。

インクルージョンの導入で得られるメリット

インクルージョンの導入によって得られる具体的なメリットもご紹介します。メリットを知れば、導入の効果を具体的に理解することができるはずです。

優秀な人材の確保

インクルージョンの取り組みを行うと、個々を認め活かせる社風・文化が整っていきます。また、インクルージョンの取り組みと成果を発信することで「働きやすい環境だ」と認知してもらえるようになるでしょう。結果、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材が集まり、優秀な人材を確保しやすくなります。

従業員エンゲージメントの向上

画一的な価値観ではなく、多様性を許容していく社風・文化が整っていくと、従業員のエンゲージメント向上にも繋がります。従業員同士がお互いを尊重しながら連携できるようになるため、生産性向上や離職率の低下といったメリットも得られます。

インクルージョンの導入によるデメリット

インクルージョンに取り組もうとしても、古い慣習や考え方が根付いている従業員がその取り組みに馴染めないと、かえって生産性が悪くなる可能性があります。特に役職者が積極的にインクルージョンに取り組んでいる姿勢を見せなければ、その下の従業員の取り組みも進まなくなってしまうでしょう。

インクルージョン導入によるそんなデメリットを避けるためにも、経営陣や役職者が積極的にインクルージョンに取り組む姿勢を見せ、制度やルール作りと共に定着を推進していく必要があります。

まとめ

今回は、インクルージョンの意味やダイバーシティとの違い、導入のメリットなどを解説しました。

インクルージョンは組織内の多様な人材がお互いを尊重し、最大限能力を発揮できる状態をさします。ダイバーシティが多様な人材の受け入れを表すのに対し、インクルージョンは集まった多様な人材が能力を活かせる環境の実現を表します。

インクルージョンの取り組みを成功させるには、従業員のインクルージョンへの認知や新しい働き方を許容する制度・ルール作り、コミュニケーションの強化が重要なポイントです。それらを実現させたい場合は、ナレッジ経営クラウド「Qast」の導入をおすすめします。Qastを活用すれば、円滑なコミュニケーションやナレッジの蓄積に加え、適切な人事配置、評価なども可能となります。

インクルージョン推進の際には、ぜひQastの導入をご検討ください。

Qastラボ編集部

Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。

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