アイデア出しの手法や出し方のポイント、おすすめのツールについも紹介
日々の業務のなかでは、新商品の企画や業務改善などさまざまなアイデアが求められます。しかし、なかなかいいアイデアが浮かばない、アイデアが浮かんでも具体化できないとお悩みの方も多いでしょう。
この記事では、そんな方のために、アイデア出しの手法や出し方のポイント、アイデア出しをするためのおすすめツールをご紹介します。
目次
「アイデア」とは
アイデアとは、「思いつき」や「新奇な工夫」「着想」などの意味を持つ言葉です。この意味から、アイデアとはこれまでにない新しい発想をすることと捉えている方も多いでしょう。
しかし、アメリカの実業家であるジェームス・W・ヤングは自身の著作のなかで、「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」と語っています。
つまり、アイデア出しとは真新しい発想だけを指すのではなく、既存の物事の関連性を見出し、上手に組み合わせることも含まれます。そして、既存の物事の関連性を見出す力は、才能だけに依存するものではなく、多くの部分をテクニックによってカバーできるものです。
仕事におけるアイデア出しの重要性
そもそも、仕事においてなぜアイデア出しが重要なのでしょうか。
新たな事業や商品の開発に繋がる
新しい事業や商品の開発を行う際にはアイデアが欠かせません。市場のニーズや自社の強みなどをふまえ、アイデアがどんどん出てくる組織なら、積極的に新たな事業や商品の開発が行えるでしょう。
業務の効率化・生産性の向上が図れる
業務改善やDX推進などにおいてもアイデアは重要です。効率化や生産性の向上のためには、これまでの体制や手順などを見直す必要がありますが、どのように改善し結果に繋がるかはアイデア次第です。別の現場で得た経験が他の業務の改善に繋がるケースも多くあります。
人材の育成や成長に繋がる
アイデア出しには、課題発見や現状整理、計画立案など、課題解決に必要となるさまざまなプロセスが含まれています。たとえ小さなものでもアイデア出しを行い実行する成功体験を積めば、成果を生み出す人材の育成や成長に繋がるでしょう。
アイデア出しの手法
続いて、アイデア出しをする際の具体的な手法、フレームワークを解説します。
ブレインストーミング
ブレインストーミングは、グループでアイデアを出す際によく用いられる手法で、テーマに対して各メンバーが自由にアイデアを出していきます。
自由なアイデア出しを阻害しないよう、アイデアに対する批判や否定は禁止します。議論を行うわけではないためアイデアの質は別途検討する必要がありますが、とにかくアイデアの量を出したい時に有効です。
マンダラート
マンダラートとは、3×3の9マスの曼荼羅図の中心にテーマを書き、テーマの周りに連想するアイデアを出していく手法です。
とあるスポーツ選手も、自身の目標の達成に向けてやるべきことを洗い出すためにマンダラートを作成していたそうです。マンダラートでのアイデア出しは、テーマに対して裾野を広げて考える点でも、特定のアイデアを深掘りしていく点でも有効です。
KJ法
KJ法は地理民俗学者である川喜田二郎氏が考案し、そのイニシャルを取って名付けられた手法です。KJ法ではまず思いついたアイデアを付箋に書き出していき、アイデアを出し終えた後に付箋をグループ分け、不要なアイデアを取り除いて整理します。
シンプルな手法ですが、グループ分けすることで各アイデアの関連性を可視化するとともに、不要なアイデアを精査することで無駄を削ぎ落とすことにも繋がります。
なぜなぜ分析
なぜなぜ分析とは、テーマに対して「なぜ?」を繰り返すことで原因を深掘りし、根本原因を特定する手法です。
主にトラブルの再発防止や業務改善などのアイデア出しに活用されます。シンプルな手法に見えますが、ポイントをおさえなければ根本原因の発見には繋がりません。なぜなぜ分析を行う際には、あらかじめやり方やポイントをおさえておきましょう。
なぜなぜ分析のやり方やポイントの詳細は下記で解説しています。
希望点列挙法・欠点列挙法
希望点列挙法は、「こうすればより良くなる」というアイデアを列挙し、そのアイデアをもとに具体的な改善策を検討する手法です。
一方、欠点列挙法は「この点が不満」という欠点を列挙し、その欠点を解決するためのアイデア出しを行う手法です。
それぞれ異なるアプローチ方法ですが、2つを使い分けることで思わぬアイデアが見つかるケースも多くあります。
オズボーンのチェックリスト法
オズボーンのチェックリスト法とは、アメリカの実業家であるアレックス・オズボーンがアイデア出しに使用していたチェックリストを活用する手法です。
オズボーンのチェックリストでは、テーマに対して以下の9項目の観点でアイデアを出していきます。
- 転用(他の分野・領域で活用できないか)
- 応用(他の業種・分野のアイデアを活用できないか)
- 変更(形状・機能などを変えてみたらどうか)
- 拡大(時間や頻度、長さ、幅、高さ、強度などを拡大したらどうか)
- 縮小(時間や頻度、長さ、幅、高さ、強度などを縮小できないか)
- 代用(別のもので代用できないか)
- 置換(要素や順序などを入れ替えてみたらどうか)
- 逆転(向きや役割を逆にしてみたらどうか)
- 結合(要素を組み合わせてみたらどうか)
シックスハット法
シックスハット法とは、グループのメンバーが以下の6種類から役割を選び、それぞれの発想で議論を行う手法です。
- 客観的な視点
- 消極的な視点
- 積極的な視点
- 革新的な視点
- 感情的な視点
- 分析的な視点
役割は本来の自分の視点と異なっていても構いません。むしろ本来の自分の視点と異なる発想を持つことで、これまでになかった気づきやアイデアが生まれる可能性もあります。
アイデア出しをする際のポイントや注意点
次に、効果的なアイデア出しをする際のポイントや注意点をまとめます。
発言しやすい場・環境を作る
アイデア出しを行ううえで、発言しやすい場や環境作りはとても大切です。せっかくいいアイデアが浮かんでいても、発言がなければ埋もれてしまいます。
いろいろな視点からアイデアを出す重要性を認識し、若手やマイノリティなど発言力が弱い層からのアイデアも尊重しましょう。
他人の意見を否定しない・遮らない
発言しやすい場や環境を作るために、他人の意見を否定しない、遮らないようにしましょう。発言しても否定されて受け入れられなかったり、途中で遮られて発言が中断されてしまったりしては、発言する気が削がれてしまいます。
多くのアイデアを出しその中から選定する
いいアイデアを出すためには、最初からアイデアの質を考えるのではなく、とりあえず多くのアイデアを出し、そのアイデアから無駄を削ぎ落としていくことが重要です。出たアイデアを一旦受け入れて尊重し、後から精査することが、発言しやすい場や環境作りにも繋がります。
ツールを活用し、さまざまな意見や視点をまとめる
効果的なアイデア出しを行いたい場合は、ツールの活用も検討するといいでしょう。ツールを活用すると、複数の拠点や部署の意見や視点を集めやすくなります。
クラウド型のツールで社外からでもアクセスできる環境を整えれば、アイデアが浮かんだ時にすぐ書き込みができ、いいアイデアが浮かんでいたのに忘れてしまった、という問題も防止できるでしょう。
アイデア出しをサポートしてくれるツール5選
アイデア出しをサポートしてくれるおすすめのツールを5つご紹介します。
Qast
https://qast.jp【こんな方におすすめ】
- 誰でも使えるツールをお探しの方
- 投稿を促進する仕組み作りを行いたい方
- 部署や拠点を跨いでナレッジ共有したい方
- チャットツールと連携できるツールをお探しの方
- 社員同士のコミュニケーションを促進したい方
【ポイント】
ナレッジプラットフォームQastは、シンプルな情報・ナレッジ共有ツールであり、幅広い部署でアイデアを蓄積・共有するために活用できます。
アイデア出しの会議では、参加メンバーが同じ部署や拠点の限られた人に成りがちですが、Qastなら部署や拠点を跨いでナレッジ共有できるので、ナレッジ同士の組み合わせによる新たなアイディアの創出も期待できます。
また、プロフィール機能によって社員の業務経験や知識を可視化でき、誰が何に詳しいかが分かりやすくなるため、多分野の有識者同士のコミュニケーションによってイノベーションの機会が創出しやすい点も魅力です。
【特徴的な機能】
- 簡単に自分のアイデアを共有できるメモ機能
- 発言・投稿量を可視化できるスコアリング機能
- 既読人数・既読者の確認機能
- 社員の業務経験・知識を可視化するプロフィール機能
- TeamsやSlackなどの外部サービスとの連携機能
- エンタープライズ向けのセキュリティプラン(IP制限、アクセスログ抽出、シングルサインオン、IDログイン)
Stock
https://www.stock-app.info/【こんな方におすすめ】
- 誰でも使えるツールをお探しの方
- チャットツールと連携できるツールをお探しの方
- Evernoteと連携できるツールをお探しの方
【ポイント】
Stockは、Qastと同様にシンプルかつ誰でも直感的に操作しやすい情報共有ツールです。SlackやChatworkなどのチャットツールと連携できるほか、個人向けのメモアプリであるEvernoteとも連携できます。個人がEvernoteでまとめていたアイデアをそのままStockに移行して整理することもできるでしょう。
【特徴的な機能】
- ファイルや画像の自動プレビュー機能
- SlackやChatworkなどの外部サービスとの連携機能
- Evernoteインポート機能
ひとりブレスト
https://hitori.six1.jp/【こんな方におすすめ】
- 個人でアイデア出しできるツールをお探しの方
- 無料でツールを使いたい方
- 会員登録不要で使いたい方
【ポイント】
ひとりブレストは、一人でもブレインストーミングをできるようにサポートしてくれるツールです。最初にアイデアを出すテーマを入力すると、その後にアイデア出しに繋がりやすい質問が表示され、質問に答えるうちに自然とブレインストーミングができるように仕組みになっています。利用にコストがかからず会員登録なども不要なため、気軽に試せる点が魅力です。
【特徴的な機能】
- ブレインストーミングをサポートする質問機能
- 料金無料、会員登録不要
boardmix
https://boardmix.com/jp/【こんな方におすすめ】
- 多機能なアイデア出しツールをお探しの方
- 英語対応のツールをお探しの方
【ポイント】
boardmixは、マインドマップやフローチャートなど多くの機能を持つバーチャルホワイトボードツールです。チームでミーティングをしながらブレインストーミングでホワイトボードにアイデアを書き出していく、マインドマップでアイデアを深掘りしながら精査していくなど、さまざまな使い方ができます。多言語対応のため海外拠点とコラボレーションしたい場合にも便利です。
【特徴的な機能】
- ホワイトボード機能
- マインドマップ・フローチャート・ダイアグラム作成機能
- 多言語対応(日本語・英語・韓国語・ロシア語)
MindNode
https://www.mindnode.com/【こんな方におすすめ】
- マインドマップを活用したい方
- 英語対応のツールをお探しの方
- Mac、iOSを利用されている方
【ポイント】
MindNodeは簡単にマインドマップを作成できるツールです。シンプルかつマインドマップのブランチ位置の自動補完機能があるため、誰でもマインドマップを作成しやすい仕様となっています。マインドマップのブランチをタスク管理として使うこともできます。Mac/iOS対応のアプリとなっており、WindowsやAndroidでは利用できない点に注意しましょう。
【特徴的な機能】
- マインドマップ作成機能
- タスク管理機能
まとめ
アイデア出しは才能が必要な難しい作業と思われがちですが、アイデア出しを阻害している要因は多くの場合、最初から質を重視して「あれでもない、これでもない」と頭の中だけで考えてしまうことにあります。
アイデア出しをうまく進めるためには、まずはさまざまなアイデアを出し、その後にアイデアを整理して精査するのがおすすめです。
社員からアイデアが出やすい場や環境作りには、ツールの活用も有効です。この記事でご紹介した手法やツールも活用し、自社の企画・改善に役立つアイデア出しにぜひ取り組んでみてください。