仕事における「振り返り」とは?メリットや正しい振り返り方について
仕事においては振り返りが大事とよくいわれますが、「振り返りのやり方がわからない」「振り返りって本当に必要?」などと感じる方もいらっしゃるでしょう。では、振り返りをすることで具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。
この記事では、振り返りの目的や重要性、メリット、効果的な振り返りを行うコツなどをご紹介します。
目次
振り返りの意味とは
振り返りとは、自身やチームなどの行動や結果を内省することを指します。振り返りのなかで良かったこと・悪かったことを洗い出し、良かったことをさらに伸ばす、悪かったことを改善する施策を検討します。
結果の成功・失敗を問わず、なぜそうなったのかを考え、次に活かすことが振り返りです。
仕事における振り返りの目的や重要性
仕事において振り返りを行う目的は、過去の事例を次の成果に繋げることです。
業務のなかには、うまくいくと想定して結果通り進んだものだけでなく、うまくいくと想定していたのにうまくいかなかったこと、うまくいかないかもしれないと想定していたが結果としてうまくいったものなどもあるでしょう。
それを「たまたまだ」と捉えてしまうと、同じ失敗を繰り返してしまったり、成功の再現性がなくなってしまったりします。
なぜそうなったのかを振り返り改善を行うことが安定した成果獲得に繋がり、業務をうまく進めていくポイントになるのです。
振り返りを行うメリット
振り返りにはさまざまなメリットがあります。主なメリットを6つ解説します。
業務の改善・効率化に繋がる
振り返りを行うと、業務のなかで良かった点・悪かった点が明確になります。良かった点を他の業務に活かす、悪かった点を改善するなどの対応を行えば、業務の改善や効率化に繋がるでしょう。
自分のスキルや知識を整理できる
振り返りは、自身のスキルや知識の整理にも繋がります。スキル・知識が足りていたからうまく進められた、足りていなかったからうまく進まなかったなど、自身の現状を整理できるでしょう。それにより、今自分自身に足りてない知識やスキルは何かを知ることができます。
自身の成長を自覚することができる
振り返りを継続して行うと、今までつまずいていたところがスムーズに進められるなどの変化が起こります。振り返りを通して、前の自分と比べて成長を感じられるようになるでしょう。
モチベーションの向上に繋がる
結果として失敗した場合でも、良かった点の振り返りを行えば、従業員が前向きな気持ちで業務に励むようになります。
また、振り返りで従業員のスキル・知識を整理し、足りなかった部分が次第に改善されていることを感じられると、従業員に自信が生まれ、モチベーションの向上に繋がります。
役割が明確化される
チームで振り返りを行うと、各メンバーの役割が明確化され、誰がどのような役割を担えば効率的なのかを各メンバーが自覚できるようになります。それによりチームの連携力が高まるため、チームビルディングにおいても効果的です。
強みや得意分野を知ることができる
振り返りをすると、従業員個人やチームの強みや得意分野が見えてきます。強みや得意分野を活かして業務に取り組めば、他の従業員やチームとの差別化ができ、成果を獲得しやすくなるでしょう。
振り返りをする際に効果的なフレームワーク
効果的な振り返りを行う際にはフレームワークの活用がおすすめです。ここでは代表的なフレームワークを5つご紹介します。
PDCA
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)という4つのプロセスを循環させ、改善を実現する手法です。
多くの現場で業務改善に活用されているフレームワークで、振り返りにおいても活用できます。
PDCAの詳細は下記の記事で解説しています。
LAMDA
LAMDAとは、Look(現地現物の観察)、Ask(問いかけ・対話)、Model(モデル化)、Discuss(議論・フィードバック)、Action(改善)という5つのプロセスを循環させ、改善を実現する手法です。
PDCAの発展型といわれており、現場の状況を見て双方向コミュニケーションを行いながら改善を行うため、より現実的な改善が期待できます。
YWT
YWTとは、Y(やったこと)、W(分かったこと)、T(次にやること)を整理して改善を実現する手法です。
非常にシンプルなフレームワークで、個人や小規模のチームで多く活用されています。最後にM(メリット)を加えて整理するケースもあります。
KPT
KPTとは、Keep(良かったこと・継続すること)、Problem(悪かったこと・改善すること)、Try(挑戦・次に実行すること)という3つの視点で整理して改善を実現する手法です。
特にチームでの振り返りに活用されるフレームワークで、メンバーの意見を共有しながら振り返ることで大きな効果を発揮します。
KPTA
KPTAとは、Keep(良かったこと・継続すること)、Problem(悪かったこと・改善すること)、Try(挑戦・次に実行すること)、Action(具体的な行動)という4つの視点で整理して改善を実現する手法です。
KPTの発展型であり、Actionで具体的な行動を決めることで、すぐに改善行動に移れるフレームワークになっています。
振り返りを行うポイントや注意点
効果的な振り返りを行う際に意識すべきポイントや注意点を解説します。
客観的な視点で振り返る
振り返りには客観的な視点が必要です。主観的な視点で振り返ると、内容が本質からそれてしまったり、失敗をネガティブに考えてしまったりといった問題がでてきます。
客観的に振り返りができるよう、複数人で一緒に振り返る、上司にフィードバックをもらうなどするとよいでしょう。
反省して終わりにしない
振り返りの目的は次の成果に繋げることであり、次に繋げるために具体的にどう行動するかが重要です。
振り返りが目的にならないよう、次の行動を具体的なところまで落とし込みましょう。
相手の意見に耳を傾ける
チームで振り返りをする場合は、相手の意見を尊重し耳を傾けることが大事です。相手とは違った視点で自分の意見を伝えることは大事ですが、相手の意見を否定するような言い方をしないように気をつけましょう。
チーム全体の改善が目的であることを意識し、チームにとってよい方法を話し合いましょう。
一人のミスを責めることはしない
ミスは誰にでも起こりうるものであり、失敗を誰かのミスのせいにしてはそこで改善の芽が摘まれてしまいます。ミスを責めるのではなく、どうしてミスが起こったのか、ミスを防ぐためにはどうすればいいのかという視点で振り返りを行いましょう。
振り返りの時間に工数をかけすぎない
振り返りは大事ですが、時間をかければいいものではありません。振り返りの時間が長くなるとメンバーの負担が大きくなり、振り返りの形骸化に繋がります。
振り返る時間を設定したうえでフレームワークやツールを活用し、効率的に進められるようにしましょう。
ツールを活用する
振り返りを各自の頭のなかや口頭だけで行うと、内容の整理が難しくなり時間がかかることに加え、話し合った内容を忘れてしまう可能性も出てきます。
振り返りにツールを活用すれば内容の整理もしやすく、振り返りの結果を社内に共有することができます。
Qastで効果的な振り返りを行おう
効果的な振り返りに活用できるツールとして、ナレッジプラットフォーム「Qast」をご紹介します。
Qastの機能
Qastには自発的に意見やナレッジを共有できるメモ機能があり、メモのなかで各メンバーの意見を集約できます。ワークスペースやフォルダ分け・タグ付け機能があるため、プロジェクトやチームごとの振り返りに役立つでしょう。
また、Qastはナレッジの蓄積に強いツールで、保存した情報を高度な検索機能とAIにより簡単に取り出せるようになっています。振り返った内容を社内のナレッジとして蓄積するうえでも最適です。
Qast導入の事例
総合施設管理事業・エネルギーマネジメント事業に取り組むJR東日本ビルテック株式会社様では、各支店や事業所間の情報共有や社内コミュニケーションの促進を図るためにQastを導入されています。
Qastはシンプルな情報共有ツールであるため誰でも活用でき、ボーダーレスな利用ができるようになっています。使い方が定着した後は優良な情報が盛んに投稿されるようになり、面識のない従業員同士のコミュニケーションも促進されました。
結果として、社内のさまざまなシーンでQastが活用されるようになり、多くの改善に繋がっています。
こちらの事例について詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>社内のコミュニケーション活性化に必要なツールだと感じています
まとめ
振り返りは過去の経験を次の成果獲得に繋げる重要なプロセスです。振り返りを行うことで業務の改善・効率化が図れるほか、従業員のモチベーションアップや成長にも繋がります。
効果的な振り返りを行う際は、フレームワークやツールを活用して取り組むとよいでしょう。この記事でご紹介したフレームワークやツールをぜひ活用して振り返りを行い、成長や成果獲得を図ってみましょう。