失敗事例から学ぶ!ナレッジマネジメントを成功に導くためのポイント
今や多くの企業が取り入れ始めているナレッジマネジメントですが、実は導入するだけで必ず業務効率化や生産性向上が見込めるわけではありません。ナレッジマネジメントを効果的におこなうには、まず実践するべき大切なポイントがあります。
今回は失敗事例からヒントを得た、企業がナレッジマネジメントを成功に導くためのポイントをご紹介します。
目次
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメントとは、企業に勤めている社員たちが持つ「企業の成果につながる有益な情報(暗黙知)」を企業がとりまとめて管理・活用する手法のことをいいます。
目に見えない情報のままの暗黙知を、目に見えて誰にでも分かりやすい状態の形式知にするのは時間がかかります。また、社員のなかには自身だけが持つ「成果を上げるためのノウハウ」を、人に教えることに抵抗を持つ人もいるでしょう。
そのためナレッジ共有がスムーズにいかないこともあり、ナレッジマネジメントを導入することは決して容易なことではありません。しかしナレッジマネジメントが社内に浸透すれば、時間や伝達ロスなどを最小限に抑えることによるコスト削減・顧客満足度の向上につながるため、長い目で見れば企業全体のメリットになります。
導入する際にはしっかりとポイントを押さえ、ナレッジマネジメントを有益な投資にしていきましょう。
ナレッジマネジメント導入の失敗事例
近年、ナレッジマネジメントを導入する企業が増えています。しかし導入したものの、効果的な運用ができず、あまり効果を実感できないまま失敗するという例は決して少なくはありません。
今回はよくある失敗事例をご紹介します。ナレッジマネジメントを導入する際には参考にしてみてください。
導入目的が明確にされていない
「今話題になっているから」「とりあえず導入すれば業務改善するだろう」など、明確な目的がないままナレッジマネジメントを導入しても期待するような効果は得られないでしょう。成果が出ないばかりでなく、社員の負担を増やしてしまうことにもつながりかねません。
ツールを導入したものの、明確なリーダーを立てないまま、現場へ丸投げするといったケースはよくみられます。このように、明確な目的がない状態で情報を蓄積していっても、どのナレッジを蓄積し、蓄積したナレッジをどのように活用していくかへと結びつかないため、結果的にただ情報を残しておくだけの作業になってしまいます。
ナレッジマネジメントを導入するなら、まずは企業が持つ目的を明確にし、社員全体に徹底周知をおこないましょう。
そして部署・プロジェクトごとにどんな問題を抱えているかを洗い出し、確実に成果を出せると思える仕組みをゼロベースから検討していくのがよいでしょう。
ツールの操作性が悪い
どんなに人気の高いナレッジマネジメントツールでも、ナレッジ管理・活用の方法が現場の利用者に合わなければ利便性を見いだせず、期待するような効果は得られません。高機能・多機能のツールを導入したにもかかわらず使用するのはほんの一部の機能のみ、というのはよくある例です。
「機能が多いほど使いやすいのでは」と思われがちですが、機能を持て余すのは非効率で、コストパフォーマンスも良くありません。また、ツールは日常的に使うものであるため、機能だけでなくデザインも当事者たちが使いやすいものを選びましょう。
ナレッジマネジメントツールは、サービスによってそれぞれ強みが異なるため、実際に利用する社員たちが使いやすいものを見極める必要があります。もちろん導入コスト・ランニングコストは低いにこしたことはありませんが、多少高価なツールでも企業全体の業務効率や利益が良くなるのであれば、将来的なメリットは大きくなります。
ツールによっては導入前に無料利用期間やお試し利用を設けているものもあるので、まずはそれぞれのサポートデスクに相談して、自社に合ったツールを検討してみることをおすすめします。
ツールを使う人と使わない人がいる
これは導入目的が社内に浸透していない場合や、ナレッジマネジメントの重要さが実際利用するであろう従業員に伝わっていない場合に起こりやすいことです。
企業で働く社員は、成果を上げる人ほど多くのスキルや知識、ノウハウを持っているものです。しかしナレッジマネジメントはそれを全員に公開し、誰にでも同じような成果を出せるようにするためのものであるため、人によっては不快感を抱くことも考えられます。
また、自身のワークスタイルができあがっている人は、ナレッジマネジメントツールの導入によって新たにスタイルを組み直すことになり、手間だと感じる人もいるでしょう。すると、必然的にツールを活用する人としない人に分かれてしまい、活用しない人が持つナレッジが抜け落ちてしまうことになります。
人にはそれぞれのやり方や価値観があるため、非常に難しいところですが、社員同士で解決させるのではなく、企業側の姿勢としてしっかりとナレッジマネジメント導入の大切さ、全員に返ってくるメリットの説明をおこなう必要があります。
ナレッジマネジメントを成功させるためのポイント
ナレッジマネジメントを成功させるためには、目的を明確にすることや、自社の部署・プロジェクトに合ったツール選びをおこなうことが大切です。しかし、忘れてはならないのがスモールスタートから始めることです。
なぜなら大人数でいきなり始めてしまうと、失敗やミスをフォローしきれず本来の業務に影響が出てしまう可能性があるからです。どんなに素晴らしいツールや手法でも、導入してすぐに大きな効果が現れるわけではありません。
長期的な運用を想定しているのであれば、まずは少人数で始めて試行錯誤を繰り返し、企業全体で有効利用できる方法を模索していきましょう。うまく活用できる仕組みができれば、少しずつ活用する範囲を広げていくといいでしょう。
シンプルで気軽にナレッジ蓄積できる便利さが魅力「Qast」
ナレッジマネジメント実践に特化したツールである「Qast(キャスト)」は、シンプルな機能&インターフェースが特徴で、誰でもすぐ簡単に操作・ナレッジ蓄積を始められるのが大きな魅力です。
キーワードやタグでの検索が可能なので、蓄積の際に難しく考える必要はありません。また、Qast内でのメンバーとの簡単なチャットのやりとりも、すべてそのままナレッジとして蓄積できます。
グループウェアツールとの連携も可能なので、大切なメッセージややりとりの流れを丸ごと保管しておけば、検索閲覧者はそのときの雰囲気や空気感まで鮮明に知ることができるでしょう。
10人まで招待可能なデモも無料で利用できるため、検証にもぴったりです。人数や使いたい機能などは有料で増やすことができます。
まとめ
ナレッジマネジメントは企業のなかの有益な暗黙知を形式知に変え、業務に関わる全員が同じように実践できるようにするための方法です。
そのため、メンバー全員に積極的に参加する意識が求められ、足並みがそろわなければ効果的に運用していくことはできません。
ナレッジ管理をする際は、責任ある立場の人がしっかりと目的を説明し、活用を促すことが大切です。活用による効果を目に見える形で示し、定期的に全員で進捗を確認することでモチベーションを上げやすくなります。
自社に合ったツールの導入や、運用ルール決めを行い、ナレッジマネジメントツールの活用を習慣づけられるようにしていきましょう。
Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。