導入事例

Case

Qastによる「思いやりの見える化」で生産性を向上し、思いやりとワクワクに溢れる組織へ

東日本旅客鉄道株式会社

業種
運輸/流通/サービス/不動産
利用人数
5,000人
ご担当者
佐々木 大輔様(盛岡支社 企画総務部 経営戦略ユニット マネージャー)/ 高柳 光様(同部) / 清水 邦治様 (同部)/ 受川 武史様 (同部)
top_img

「当たり前を超える」というミッションと背中合わせにあった構造的課題

東日本旅客鉄道株式会社(以下JR東日本)の事業について教えてください。

JR東日本グループは1都16県に広がる営業エリアを有し、モビリティと生活ソリューションの二軸で事業を運営しています。約10万人の社員がお届けする多様な商品・サービスは、毎日のべ3,500万人のお客さまにご利用いただいています。
2025年7月に発表したグループ経営ビジョン「勇翔2034」では、「究極の安全」を経営のトッププライオリティとして堅持し、「成長のための5 つのエンジン」(すべての人にとっての安心、グループ社員の働きがいと成長、ヒト起点のマーケットイン、技術力の深化と進化、融合と連携)で、グループ内におけるこれまでの常識や、ステークホルダーが当社グループに対して抱く期待水準・イメージという「当たり前」を超えていくことを掲げました。 そして、ライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)を創造し、安心と感動をステークホルダーにお届けすることを通じて、すべての人の心豊かな生活を実現します。

その中にあって、盛岡支社 企画総務部 経営戦略ユニット(経理サポートチーム)はどんな役割を担っているのでしょうか。

私たち経理サポートチームのミッションは、盛岡支社に所属する20箇所を超える駅や運輸、設備職場などの経理業務をサポートすることです。
各拠点に所属する経理担当者からの会計処理に関する問い合わせ対応や、資金・物品の管理、税務や財産に関する指導といった幅広い役割を担っています。
しかしチームメンバーは6人と、多様な問い合わせが日々飛び交うなか、その対応に時間を割かれて、思うように創造的な時間を生み出せない実情がありました。

具体的にはどのような課題があったのでしょうか。

問い合わせのほとんどが電話やメールでした。
そのため複数箇所から同じような質問が届くことが日常茶飯事で、それぞれに対応しなければいけません。
正しい回答をするためにはマニュアルや資料での確認も必要です。その工数も決して小さくはありませんでした。

もうひとつの課題が業務知識の属人化です。
一通りのマニュアルはあっても、実際の判断のポイントや経験知は、どうしても文書に残されていません。
長年働いて培ってきた“判断の勘どころ”や“背景にある理由”は、知っている人に直接聞いて、自分の知識にしていくといういわば口伝のような状況が続いていました。

Qastに出会って「存在価値を残せるツール」と確信

課題の解決には取り組まれていたんですか?

弊社には「DXプロ」と呼ばれるDX推進担当者がいます。
そのDXプロが開いた意見交換会で私たちの業務課題を相談したことがきっかけになり、DXでの課題解決に取り組むことが決まりました。

そんな中でDXプロが出会ったのがQastです。
始めて紹介されたときは「これこそ私たちの知識や経験という存在価値を残せるツールだ」と確信しました。

資料を取り込むと瞬時に要約してくれることにも驚きましたが、それ以上に感動したのがQ&Aの仕組みでした。
人と人が交わした会話が、そのままナレッジとして蓄積され、AIがそれを学習し、誰かをサポートする。「質問に答える」「困った人を助ける」という他者への思いやりが中心にあるQastの設計思想に心を打たれました。

他のサービスとも色々比較したのですが、ただ単にチャットボットのように知識を詰め込んで引き出すのではなく、“人と人のやりとり”をナレッジとして蓄積して活用できるという点が、Qastが唯一無二だと感じたところです。

上司の納得が得られたのもそのポイントでした。
もしチャットボットであれば「既存のAIツールでできないの?」となってしまい、なかなか話を進められなかったと思います。
その点、他のツールでは説明の難しい「思いやりの文化」が、Qastには明確に存在していたので、導入の障壁は高くありませんでした。

「思いやり」の文化がもともとJR東日本さんにあったということですね。

そう思います。

教えたがる先輩が多いというか(笑)、後輩のために知識を残してあげたいという気持ちを持っている人が多い会社ではないでしょうか。
退職する前に、自分が持つありとあらゆるナレッジをQastに残していってくれた先輩もいました。
“ナレッジを残す”という行為が、誰かの仕事を助ける未来につながっているという実感が、Qastを通じて見えるようになった気がします。

ナレッジマネジメントに問題意識を持っている社員はどの支社にも必ずいるんですよね。Qastを紹介すると「これだよ、欲しかったのは」と言ってくれる人が必ずいるんです。
これはJR東日本だからというわけではなく「困っている人がいたら助ける」という普遍的な人の本質なんじゃないかと、私は感じています。

「説明」より「体験」でQastの感動を社内へ

社内で活用はどのように促進されましたか?

とにかく、各拠点に足を運んで直接説明することを大切にしました。
Qastは「説明」より「体験」の方が何倍も感動が伝わるツールです。
オンライン会議は便利ですが、直接画面を見ながら触ってもらうことで、皆さん驚くほどすぐに良さを実感してくれます。

日常的に問い合わせの多い拠点からQastの説明に行き、
①わからないことがあったらまずQastの「こましりchat」で質問
②解決しなければ人に聞く
というフローをルール化しました。

その結果、1人あたりのQastの閲覧回数は18.4回/月、AIへの質問回数は3.89回/月になりました。(2025年6月時点)
また、ランキング機能を活用して月間MVPを決め、社内SNSで発表しています。
ちなみにMVPにはプチギフトを贈呈しています(笑)。

超過勤務時間45%削減と、既存の価値観の転換を実現

Qastの活用が進んだことで、どのような成果がありましたか?

まず業務に必要な情報の検索時間が、平均約31分から6.8分まで、大幅に削減されました。
これは盛岡支社内のQastユーザーに対するアンケート結果による実感値ですが、1人あたりに換算すると、年間約206時間分の改善にあたります。
また、私たち盛岡支社の経理サポートチームの超過勤務時間が昨対比で45%削減できました。

それまでは、私が不在のときには回答が遅れて誰かの業務が止まってしまうといったこともありましたが、今ではQastに聞けばまずAIが答えてくれるようになりました。それでも解決しなければQ&Aで社内の有識者が回答してくれるそんな循環が生まれています。

もうひとつ大きな成果があります。
それまで我々の組織は電話文化が根強く、聴覚に障害のある社員だと人に聞きづらいという課題がありました。
でも「質問はQastで」をルール化したことで、電話で聞かなくても失礼じゃないんだと、既存の価値観に風穴をあけられたという大きな手応えを感じています。

最近は利用者の変化も感じています。
Q&Aでは当初、匿名投稿が多かったのですが、最近は実名での投稿が増えました。
投稿のハードルが下がり、心理的安全性が社内に育ってきている表れだと思います。

投稿一覧画面

最後に、これから目指す方向について教えてください。

Qastの活用は盛岡支社の経理業務から始まりましたが、今では他の支社や本社、各部門から「うちでも使いたい」「教えてほしい」という連絡が次々に届いています。
なかでも設備系の部門では活用が一気に加速しており、業務ルールの共有、マニュアルの作成、資料作成の指導など、現場のニーズに寄り添った多様な投稿が生まれています。

今後は、お客様向けに展開しているイベントなどの各職場同士のナレッジ共有や、日々の業務におけるマーケットイン視点での気づきの共有まで、Qastでできるようにしたいと思っていますし、きっとできるようになると期待しています。

Qastによって組織全体のナレッジがつながり、助け合いながら成長していく、思いやりとワクワクに溢れる社会の実現のために、まずは私たち自身がそのような組織でありたい。そんな姿を思い描いています。