導入事例
「とりあえず電話で」の対応負荷を軽減。情報の分断を解消するナレッジ共有改革
マルヤス機械株式会社
営業から技術への問い合わせが集中し、情報共有が属人的になっていた
御社の事業内容や業務について教えてください。
マルヤス機械株式会社は、搬送機械メーカーとして、営業・設計・製造・販売まで一貫して対応しています。主力は標準品のコンベヤでありながら、顧客の工場レイアウトに合わせたラインシステムやオーダーメイドの設計にも対応している点が特徴です。
特に食品業界向けのコンベヤには長年の実績があり、「食品のコンベヤといえばマルヤス機械」と認知いただく機会も増えています。既製ユニットを組み合わせるだけではなく、現場ごとの条件に合わせて柔軟に設計できる点が、当社の強みです。
Qast導入前、社内の情報共有にはどのような課題がありましたか。
導入前は、技術情報や問い合わせ内容をExcelなどの社内グループウェアにまとめ、全社で確認できる状態にはしていました。しかし、検索に手間がかかり、必要な情報にすぐ辿り着けないことが大きな課題でした。
そのため、営業担当者も「資料を探すより、詳しい人に直接聞いた方が早い」と判断することが多く、技術部門には週20〜40件ほどの問い合わせが寄せられていました。内容は製品仕様や設計上の確認など幅広く、電話だけでなく、メールやLINEなど複数の手段で届いていた状況です。
また、同じ内容の問い合わせが別の支店や別の営業担当者から繰り返されることも少なくありませんでした。「数日前に答えた内容を、別の支店の営業担当からまた聞かれる」といったことも日常的に発生しており、そのたびに技術担当者が過去の資料を探し直して回答していました。
問い合わせ先も明確に決まっていたわけではなく、営業担当者が「この人なら分かりそう」と判断した相手に個別で連絡する状態だったため、知識を持つ一部の担当者に負担が集中し、1日のうち30分〜1時間ほどを問い合わせ対応に費やすこともありましたね。

「使いながらナレッジを蓄積できる」仕組みが導入の決め手に
Qastを知ったきっかけを教えてください。
Qastを知ったきっかけは展示会でした。もともと社内の情報共有や問い合わせ対応に課題を感じていたため、複数のツールを比較・検討していました。
チャットボット型のツールも候補に挙がりましたが、導入前にQ&Aを作り込む必要がある点や、運用管理に工数がかかりそうな点に懸念がありました。せっかく新しい仕組みを入れても、事前準備の負担が大きいと、現場に浸透しにくいと考えたためです。
最終的にQastを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
大きな決め手となったのは、使いながらナレッジを蓄積できる仕組みです。Qast上で問い合わせと回答を行うことで、その内容がQ&Aとして残り、次回以降に検索できるようになります。事前にすべてのQ&Aを作り込まなくても、日々の対応を通じて社内ナレッジが自然と蓄積されていく点に魅力を感じました。
また、ファイル容量の大きさも重要なポイントでした。製造業では図面や技術資料など、比較的容量の大きいデータを扱う場面が多くあります。ファイル容量に制限を設けているサービスも多い中で、Qastは無制限だったことから、必要な情報を蓄積しやすく、設計・技術部門での活用イメージを持ちやすかったのも大きな決め手でした。
さらに、AIによる要約機能にも可能性を感じました。設計基準などの資料をQastに登録すると内容が整理されて表示されたことには驚きました。現状は、まだQastの機能を活用しきれていませんが、将来的には技術情報の理解や検索をさらに効率化できると考えています。

問い合わせ対応の構造が変わり、属人化が少しずつ緩和されている
現在、Qastはどのような部署で活用されていますか。
導入当初は営業本部と技術本部を中心に活用が始まりましたが、現在では品質管理部や管理本部、資材、情報システムなど、複数の部署へ利用が広がっています。
技術部門では、標準機の取扱説明書や技術マニュアルの共有、営業からの問い合わせ対応に活用しています。管理部門では、出張旅費規定や就業規則などの社内規定を登録しており、必要な人が必要な情報を自ら検索できる環境が整いつつあります。

データの登録や更新はどのように行われていますか。
標準機の取扱説明書や技術マニュアルは、改定が発生するたびにQast上で差し替えています。開発部門から改定情報が届いたら、古いデータを削除し、新しいデータを登録する運用です。
従来は情報が複数の場所に分散していたため、どこを更新すればよいのか、どれが最新なのかがわかりづらい面がありました。Qastに情報を集約することで、更新先が明確になり、管理しやすくなっています。
導入後、問い合わせ対応にはどのような変化がありましたか。
Qast導入からまだ日が浅いため、問い合わせ件数が劇的に減ったわけではありませんが、問い合わせ対応の流れが少しずつ変わり始めています。以前は、知識のある技術担当者に電話やメールで問い合わせが集中していましたが、現在は、Qast上で質問・回答を行い、その内容をナレッジとして残していく流れを作っている段階です。
Qast上でやり取りをすれば、回答内容が他の社員にも共有され、同じ疑問を持った人が後から検索できます。回答に迷う場合も、詳しい人へQast上で引き継ぐことができるため、個人で抱え込む必要がなくなりました。
また、検索性の高さも現場で評価されています。こましりchatのようなAI機能に加え、投稿ページでキーワード検索をするだけでも必要な情報に辿り着ける場面があり、以前よりも情報を探しやすくなりました。
一方で、電話やメールでの問い合わせが完全になくなったわけではありません。そのため、問い合わせが来た際には「Qastで質問してください」「その情報はQastに載っています」と伝え続けながら、少しずつ利用を促しています。

「まずQastで聞く文化」を定着させ、ナレッジ活用をさらに広げていく
Qastの定着に向けて、どのような取り組みをされていますか。
正直なところ、導入当初は現場で本当に活用されるのかという不安もありました。現場の困りごとを解決したいという思いで導入を進めた一方で、新しいツールは導入しただけでは定着しないケースも多く、導入側と現場側で温度差が生まれてしまうこともあると感じていたためです。そのため、社内向けにQastの使い方を案内する「Qast通信」を配信したり、各部署の代表者に向けて説明会を実施したりしながら、継続的に活用を促してきました。
そうした中で、実際に問い合わせ対応を行っている現場メンバーが積極的に使ってくれていることは、率直に嬉しかったですね。特に、これまで問い合わせ対応の負担を抱えていた設計メンバーが、Qast上で質問・回答を行い、ナレッジを蓄積していく流れが少しずつでき始めていることには、大きな手応えを感じています。
まだ全社員が活用している段階ではありませんが、今後も引き続き声かけを続けながら、「まずQastで確認する」という文化を少しずつ定着させていきたいと考えています。

今後、Qastをどのように活用していきたいですか。
今後は、問い合わせ対応だけでなく、不具合事例や議事録なども含めて、より幅広い情報をQast上で活用していきたいですね。
製造業では、過去の不具合事例や設計上の注意点が、次の設計や現場対応に活きる場面が多くあります。たとえば、図面と不具合事例などの関連情報を紐づけて確認できるようになれば、同じミスの防止や技術伝承にもつながると考えています。
現状では、図面管理など一部の情報は別のツールで管理・運用しており、社内情報が複数のシステムに分かれています。社内では2030年に向けたDX推進も掲げているため、将来的には分散している情報をより使いやすい形で一元化していきたいですね。
今後、Qastの効果をさらに高めるために必要だと感じていることはありますか。
Qastは、導入すればすぐに効果が出るというよりも、ナレッジを蓄積していくことで価値が高まるツールだと感じています。
現時点では、まだ蓄積されている情報量が十分とは言えず、検索しても該当する情報が出てこないケースもあります。そのため、問い合わせ対応をできるだけQast上で行い、質問と回答をナレッジとして残していくことが重要です。
日々のやり取りが蓄積されれば、同じ質問に何度も対応する負担の軽減にもつながります。今後は社内での利用をさらに促進しながら、ナレッジの蓄積を進め、より大きな効果を実感できる状態を目指していきたいですね。

どのような企業にQastをおすすめしたいですか。
Qastは、部門が多く、情報共有が分散しやすい企業に向いていると思います。特に製造業では、設計、加工、組立、品質管理、営業など複数の部門が関わるため、情報の受け渡しが業務品質に大きく影響します。
また、ベテラン社員の知識や現場対応のノウハウが属人化している企業にも有効です。問い合わせ対応をその場限りの一問一答で終わらせず、次に使えるナレッジとして蓄積できるため、技術伝承にもつなげられるでしょう。
弊社のように問い合わせ対応に時間がかかっている企業や同じ質問が繰り返されている企業、情報がExcelや社内システムに分散して探しづらくなっている企業にとって、Qastは業務効率化と生産性向上を支える選択肢になるはずです。