導入事例

Case

Qastの浸透でナレッジマネジメントの有用性を実感しました

株式会社集英社

業種
総合出版業
利用人数
80人
ご担当者
西河 淳 様(株式会社集英社 デジタルソリューション部 部長代理)/ 浜田櫻一郎 様(株式会社集英社アーツ&デジタル メディアコンテンツ1部 リーダー)/ 渥美麻実 様(株式会社集英社アーツ&デジタル メディアコンテンツ1部)
top_img

分散していたデジタル資産や知見をQastに集約

御社の事業内容と、Qastをご活用いただいているデジタルソリューション部の役割についてお伺いできますでしょうか。

株式会社集英社は「週刊少年ジャンプ」をはじめとした漫画誌やファッション誌などの雑誌、コミックや書籍などの出版事業を主軸とした総合出版社です。近年では、紙媒体にかぎらずウェブなどのデジタルを含めたさまざまな媒体でメディアを展開しています。

雑誌メディアはそれぞれに歴史があり、編集部ごとにノウハウや文化を持っています。各メディアでデジタル展開する際も、編集部の自主性を重んじてそれぞれに課題解決や予算の確保に取り組んでいました。

あらゆる面でメディアには個性がありますし、編集部ごとにデジタル事業を運営することでスピーディな意思決定ができるという良い面もあったのですが、一方で編集部横断でシステム統一化や共通基盤の構築を進める必要もありました。。

そこで、雑誌由来のコンテンツやオリジナルコンテンツをウェブメディアで立体的に展開しているファッション誌や取材誌横断で、システムやデータ、施策を共有・支援していこうと2021年に立ち上がったのが、デジタルソリューション部です。それによって各編集部に分散していたデジタル資産や知見といったものを集約することで課題解決しようという目的でした。

なるほど。デジタルソリューション部は各編集部からご担当者が集まって組成されたのでしょうか。

そうですね。編集部から来た人もいますし、関連会社である集英社アーツ&デジタルからもデジタルに関するナレッジが豊富な人材が多数参画しました。いろいろなカルチャーを持つ各分野のスタッフが集まったという形です。

そのデジタルソリューション部の組成がQastご導入のきっかけだったのでしょうか。

実はQastはデジタルソリューション部設立より約1年ほど前、当部の前身であるブランド事業部で導入しているんです。きっかけはコロナ禍でした。

それまではスペシャリストが集まってコミュニケーションをとりながら業務を進めて来たのですが、コロナ禍でリモートワークが余儀なくされる中、スタッフ同士が分からないことを気軽に質問したりナレッジを共有したりできるツールが必要だということで、Qastを導入しました。

その後、より大きな部隊としてデジタルソリューション部が立ち上がったのですが、Qastはそのまま引き継いで活用しています。

各領域のスペシャリストがナレッジ共有することで業務がスムーズに

 Qastではどのようなナレッジを共有されているのでしょうか。

私たちの主な業務のひとつとして広告タイアップコンテンツの制作があるのですが、ひとつのコンテンツは、進行管理やデザイナー、フロントエンジニア、ウェブディレクターなどさまざまな職種のメンバーによって形になります。それぞれに専門領域を持って取り組むので、そのナレッジをQastに投稿して共有することで、業務をスムーズにするのが目的です。

また、職種による違いはもちろんですが、同じ業務領域でもメディアによる違いもあります。「このメディアではこういうルールや方法で取り組みます」といったナレッジもあるので、メディアごとにフォルダを作ってナレッジを整理しています。

そのため、最初から網羅感のある統一されたナレッジというよりは、細分化されたナレッジをそれぞれが投稿するといった方法でQastを活用しています。例えば、タイアップコンテンツもプランによって進行プロセスが異なるので、それぞれの手順を各担当者がメモ機能で投稿するといった使い方です。

同じプランだけれどクライアントによる違いやイレギュラー対応については、Q&A機能で質問して担当者の回答を得るようにしています。そうすることで、次から同様のイレギュラーが発生した場合は、どう対応すればいいのかがQastで分かる状態にできます。

既存のマニュアルをQastに投稿するような使い方もされていますか?

実はもともとマニュアルのようなものはほとんどなかったんです。そのため既存のファイルをQastに投稿するといったことはあまりなくて、メモ機能に直接ナレッジを記入することが多いです。

Qast導入当初は、チャットツールとして社内で使用しているMicrosoft Teamsでプロデューサーなどに質問することが多かったのですが、当時の導入担当者が「今の質問はおそらく今後も役立ちそうなので、ぜひQastに投稿してください」とリクエストしたり、「みんなで自己紹介を書いてみよう」と呼びかけたりして利用促進に積極的に取り組んでくれたことで、今ではQastでナレッジ投稿したり質問したりすることが当たり前のようになりました。

一歩進んだナレッジ共有で、1週間で自走できるオンボーディングを実現

ナレッジを自発的に投稿するのは難しいと感じる方もいらっしゃるのではないですか?

蓄積されている投稿がお手本になります。「このナレッジが役立ったから、あの情報も投稿しておこう」とか、内容も書き方も既存のナレッジを参考にしながら投稿しています。

書き方のルールやQastの使い方を改めて教えたり、習ったりといったことがなくても直感的に投稿できるので、その点で投稿のハードルは低いですね。

ただ、メモ機能でナレッジを投稿するスタッフはなんとなくメンバー化してきているのも確かなので、もっと気軽に幅広くナレッジ投稿してもらえるような対策はこれから必要かもしれません。

Qastの利用による具体的な成果を感じられたことはありますか?

業務の引継ぎがとてもスムーズになりました。

新入スタッフの研修やオリエンテーションの前に「これとこの投稿を見ておいてね」と伝えることで予習が可能になるのでイメージがついた状態で話が聞けるようになりました。同時に後で立ち返ることもできるので、研修や引継ぎ後に質問されることもほとんどありません。

むしろ、「見ておいてね」と言われた投稿の周辺ナレッジも同じフォルダ内で見つけることができるので、プラスアルファの情報も収集して、一歩進んだ会話ができるようになるので本当に助かっています。オンボーディング後、1週間ほどで自走できるようになるのはQastのおかげです。

また、質問される機会の多いプロデューサーから、Qastでスタッフの自己解決が促進されたことで対応の負担が軽減されたと聞きました。プロデューサー自身も思い出したり確認したりするためにQastを見に行くそうです。

分からないことがあったら、プロデューサーに聞く前にまずQastで検索してみようという意識は浸透してきていますね。

Qastの浸透でナレッジマネジメントの有用性を実感

みなさん、ナレッジマネジメントの意識が高いように感じるのですが、もともとナレッジ共有の文化があったのでしょうか。

正直言って、専門的な業務が多いこともあり、かつては昔ながらの「見て覚える」というカルチャーが根強くありました。

ですが、コロナ禍もあり社会情勢が変わる中で、属人化したナレッジをもっとシェアし蓄積していかなければいけないという大きな意思を持って導入されたのがQastだったと思います。だから当時の導入担当者は、誰にでも使えるシンプルな操作性や機能性にもこだわったのではないでしょうか。

そのおかげで、今Qastが良いサイクルで機能するようになり、業務を効率的に進めるためにナレッジマネジメントが効果的だということに気付けた状況だと思うので、今後も積極的にQastの利用を浸透させていきたいと思っています。