ナレッジマネジメントを実践することでコスト削減につながる理由

優秀な人材が不足している…これは少子高齢化が加速する日本の悩ましい課題です。
2020年に発表された帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」では、正社員について「不足」していると回答した企業は49.5%となり、人手不足を感じている企業ほど賃金のベースアップや賞与の改善を見込んでいるという結果が出ています。
しかし企業はまず利益を出すことを考える必要があるため、優秀な人材の確保・育成にコストをかけながらも、不要な部分は削減しなければなりません。そこで力を発揮するのが、ナレッジマネジメントです。
今回はナレッジマネジメントの実践がコスト削減につながる理由や適切な導入方法をご紹介します。
目次
企業がナレッジマネジメントをおこなう目的
ナレッジマネジメントとは、個人が持つ見えないスキルやノウハウを見える化し、誰もが同じように業務を遂行できるように管理する手法のことをいいます。
もしナレッジマネジメントをせず、皆が個人の持つ情報を自分だけのものにしていた場合、どのようなことが起こるでしょうか。成果を出せる人と出せない人に分かれ、成果が出せる人に仕事が集中するでしょう。
その状態を特定の人に業務が偏る「属人化状態」といいます。その人がいないと仕事が回らない非効率な状態になるため、人材が流動的に動く今の時代においては最も避けたいことだといえるでしょう。
しかし、ナレッジマネジメントをおこなって知識やノウハウを共有すれば、それをもとに成果を上げられる社員が増えることになります。すると企業の売り上げが伸び、企業と社員のレベルアップが期待できます。企業内のデコボコを均一にしながら基礎力を高めるための方法、それがナレッジマネジメントです。
ナレッジマネジメントで業務効率化とコスト削減ができるワケ
例えば新入社員に仕事を教える場合、今までなら誰かがそばについて教えていたとしましょう。
最初は誰でも不慣れで、同じことでも何度か確認しなければ覚えられません。教えてくれる人に何度も聞くのは迷惑になってしまうかもしれないと思うこともあるでしょう。しかし、そんな悩ましさがムダな時間につながります。
そして教える側も、新入社員の教育と自分の仕事が同時進行になるため、なかなか業務がはかどらなくなってしまいます。また、伝え漏れが生じる可能性もあり、どうしても非効率的になってしまいます。
マニュアルとナレッジ蓄積で「教える」手間を省く
ナレッジマネジメントを取り入れてナレッジを蓄積していれば、「詳しくはマニュアルを見て」もしくは「情報はここにまとめてあるから」と、ある程度手放しでも人材を育成することができます。
それでも解決できない場合はこの人に聞く、という担当さえ決めておけば、新入社員が困ることもありません。つまずきやすい項目は、マニュアルや過去のデータを見ればほとんど解決できる、そんな状態にしておくのが上手なナレッジマネジメントです。
全員がしっかりと力を発揮できる環境に
マニュアルやデータを見れば解決できる状態は、個人の成長と新たなナレッジの発見を生みます。蓄積したナレッジをもとに、すべての社員が自分に合った方法を模索して効率化していくために生産性の向上が見込めます。
また、それぞれがムダなく質の高い動きができるようになるため、作業ムラも減り、人件費も必要最小限にとどめられるでしょう。
ナレッジマネジメントの導入方法

株式会社Leaner Technologiesの調査では、自社のコスト削減に関心を持つ経営者は9割を超えているものの、実際に取り組む意欲を持っていると回答したのはそのうちの半数にも満たない、という結果が出ています。
この結果から分かるのは、多くの経営者がコスト削減に関心はあるものの方法が分からない、もしくは実施のハードルが高いと感じており、導入が進んでいないということです。変化には準備のための労力が必要ですが、一度始めてしまえば継続的なコスト削減・業務効率化が可能です。
とはいえ、いくら経営者がナレッジマネジメントの重要性を説いても、経験をもとに作り上げてきた自分のノウハウを公開することに抵抗を感じる社員も多いものです。
導入にはまず今ある課題と、何の目的のためにどんな情報を共有したいかを明確にすることが大切です。下記では、スムーズに導入するための3つのポイントをご紹介します。
課題・目的をはっきりさせる
今どんな状況にあって、どう改善していきたいのかを明確にすることで全社員にナレッジマネジメントをおこなう重要性が周知でき、積極的に参加してもらえる体制が整いやすくなります。
企業や社員の成長の先にメリットが感じられれば、自分の大切なナレッジをぜひ役立ててほしいと考える社員も少なくないでしょう。
必要なナレッジを明確に絞る
大きな目的のためにあれもこれもとナレッジを詰め込むと、情報が多すぎて管理しにくい・欲しい情報が探しにくい状況になり、継続的な活用が難しくなります。
ナレッジマネジメントといっても目的や種類はさまざまで、顧客の利便性を高める社外型や社内の業務効率化のための社内型、専門性の高い情報の蓄積型やよくある質問をまとめたもの(FAQ)などがあります。
企業が抱えている課題と達成すべき目標をきちんと決め、必要なナレッジを明確に分けるようにしましょう。
目的に合わせて使いやすいツールの導入を
ナレッジマネジメントは紙のファイルや独自で作った表などでも対応できますが、その場合は情報検索の速さや共有範囲に限界が生まれます。
近年多く公開されているナレッジマネジメントのためのツールを使えば、目的に合わせた使いやすいフォーマットやシステムを使うことができ、効率アップが見込めます。ランニングコストはかかりますが、使うツールや利用人数に合わせて調整できるのでムダな費用は発生しません。
多くのツールに無料お試し期間がついているので実際に使ってから選ぶこともできて、まず使ってみて、合うかどうか考えることもできます。
ナレッジマネジメントにおすすめのツール「Qast」

欲しい情報をすぐに引き出すには、見た目がシンプルで分かりやすく操作性のよいツールを使うのがベストです。
ナレッジ蓄積型ツール「Qast」は、FAQはもちろんコミュニケーションによるやりとりも残しておけるため、それをもとに実践しやすいマネジメントツールだといえるでしょう。
10人までなら基本機能を無料で使うことができ、コストを抑えられるのも大きなメリットです。SlackやTeamsと連携させることもできるため、チャットツール上で流れてしまいそうな情報も、スムーズにナレッジ管理を進められます。
ナレッジごとに公開範囲を変えられるため、自分用にやりとりを補足するメモも作れます。タグ付けをして管理すれば、蓄積タイプにありがちな“情報が埋もれてしまう”こともありません。
まとめ
ノウハウやスキルを持つ社員のナレッジを見える化し、形式知として残すことはとても重要です。反対に、経験の浅い新入社員が抱える疑問・質問なども見える化して周知すれば、そのための答えをナレッジとして残すことができます。
企業全体の生産性を上げコスト削減・業務効率化を目指すには、業務に関わる全員がスムーズに仕事を進められる環境作りが大切です。適切なツールを導入して、情報共有や質問をしやすい環境を目指しましょう。

Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。




