ノウハウ共有・蓄積に便利なツール10選!属人化を防いで知的財産を増やす

入社歴が長くなると、必然的に蓄積されていくのがノウハウです。

そのノウハウは、「こんな時はこう対応する」「この業務はここがポイント」など、暗黙知として個人に蓄積されていきやすいものです。

そのノウハウを事業部内や、全社的に共有することで、他の人に同様の事象が発生した時にすぐに対応できるようになります。

今回は、社内でノウハウを共有し、蓄積していくことのメリットを再確認し、手助けしてくれる情報共有ツールをご紹介していきます。

 

社内でのノウハウの共有や蓄積に役立つ「Qast」

ノウハウの共有や蓄積に便利なツールの1つとして、「Qast」が挙げられます。

Qastは、「シンプルさ」を追求したノウハウ共有ツールで、誰でも使いやすい仕様となっています。

さらに投稿の公開範囲を自由に決めることができるため、中小企業から大企業まで、幅広い組織で利用できます。

「ノウハウ」とは?何を共有すべきか

ノウハウの語源は英単語の「know(知る)」と「how(方法)」を組み合わせた「know-how」であり、一般的には、ある物事を解決するための技術やコツ、知識、秘訣のことを指しています。

ビジネスにおいても同じような意味合いで用いられるケースは多いものの、より専門的な知識やスキルを指して「ノウハウ」と呼ぶ場合もあります。企業において「ノウハウを共有する」ということは、「社内業務に関連する専門的な知識やスキルを社員同士で共有する」という意味を持っています。

ノウハウについては、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

ノウハウとは?類語や活用に便利なツールも紹介
ノウハウとは?類語や活用に便利なツールも紹介
「ノウハウ」という言葉は、仕事のあらゆるシーンにおいて日常的によく使われています。しかし、その言葉の本来の意味や類似語との違いについて詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか。今回は、ノウハウの意味や類語との違い、ノウハウを管理するメリットやノウハウの管理におすすめのツールなどを紹介します。

ノウハウ共有のメリット

まずは、ノウハウ共有が習慣化されることの3つのメリットをご紹介していきます。

検索が可能になる

ノウハウ共有を行うことのメリットの一つとして、「検索が可能になる」という点が挙げられます。

個人の中でノウハウを蓄積していくだけでは、感覚値として残っているだけで、まだ言語化するには至っていません。

言語化されていなければ、その再現性は低く、ノウハウを蓄積したはずの個人が再利用しようとしても難しいでしょう。

ノウハウを共有する際は、蓄積されたノウハウをどのように検索できるようにするかを考慮することも重要です。キーワードによる検索精度はもちろん、カテゴリやタグの使い分け、階層構造の有無など、使用するツールや社内の管理方法によってさまざまな検索方法があります。特に日本語特有のひらがな、カタカナ、漢字の検索精度が高いかどうかは確認しておく必要があるでしょう。無料トライアル期間が設けられているツールも多いので、実際に試してみることをおすすめします。

業務の効率化が図れる

ノウハウ共有が習慣化されれば、業務効率化にも繋がります。

個人に蓄積されているノウハウが公開されていない状態で起こってしまう問題は、「何度も同じ質問に回答する必要がある」というものです。

みなさんも、一度は経験があるのではないでしょうか。

質問者側からすると初めての質問でも、回答者側からすると過去に同じ質問を受けていた、というのは定期的に新人採用を行っている企業ではよくあることです。

始めは丁寧に回答していても、人数が増えれば増えるほど工数も増加し、立場によっては1日のうち2〜3時間を社内対応に費やすということも出てきます。

さらに前提知識が不足していると、"質問に対してどこからどこまで説明する必要があるか"を都度考えていく必要があります。ノウハウを共有することで、このコミュニケーションコストを削減することに繋がり、業務を効率化することが可能になります。

社内の財産として蓄積される

入社から月日が経ち、さまざまな業務を経験していくことで、個人にノウハウが蓄積されていきます。

しかし、ノウハウ共有ツールを導入していなければ、それはあくまで個人に留まってしまいます。

つまり、その人だけが知っている情報であり、社内のノウハウには変換されていません。

日々の業務で培われる個人の気づきやノウハウを、積極的に社員同士で共有することにより、それは社内のノウハウに変換されます。

社内の人間のみが知り得るノウハウは、インターネット検索では出てこない貴重な情報です。それをうまく活用することができれば、社内の財産となるでしょう。

ノウハウ共有・蓄積を成功させるコツ

ノウハウの共有・蓄積を成功させるためには、次の3つのポイントを意識することが大切です。

ノウハウ共有の必要性を周知する

なぜノウハウを共有する必要があるのかを社員が理解していないと、ツールは積極的に利用されにくくなります。経営層がリーダーシップを取ってノウハウを共有することによるメリットを周知し、社員が自主的にノウハウを共有しようと考える環境を整えることが重要です。

共有・蓄積方法をマニュアル化する

ノウハウの共有・蓄積方法をマニュアル化することも、ノウハウ共有を習慣化するための手段の一つです。どのような基準でノウハウを共有すればよいのかが明確になっていない場合、共有する作業が面倒に感じられてしまい、結果的に放置されてしまう可能性が高まるからです。

もしツールを導入する場合は、ツールの使い方自体もマニュアル化しておくとよいでしょう。

ノウハウを管理するツールを導入する

ノウハウを共有するための管理ツールを導入すると、誰でも手軽にノウハウを登録できるようになります。ツール導入によってノウハウを共有することへのハードルが下がると同時に、検索性が高まってスムーズに業務を進められるようになります。

最近では多くの企業からノウハウ管理ツールが提供されているため、自社の目的に合ったものを選びましょう。

ノウハウ共有ツール、選定のポイント

ノウハウを共有するためのツールはいくつもありますが、毎日のように使う可能性が高いので、自社にあったツールを選定しましょう。

ここでは、ツール選定のポイントをお伝えします。

自社の使い方に合っているか

まず始めに、「どんな使い方をするか」を明確にしましょう。

外出先からの利用が多いのか、社内からが多いのか、全社的に使うのか、それとも事業部ごとに使うのか。

ツールによって、PCでの利用をメインに作られているものや、少人数での利用に向いているもの、大規模での利用に向いているもの等、特性はさまざまです。

利用人数や利用シーンによっても必要な機能は異なります。権限設定や通知設定、スマホでの使いやすさなどはツールによって異なりますので、自社にとってどのような機能が必要となるか洗い出してみましょう。

さらに、既に導入しているツールとの連携機能があれば、社内での定着も容易になるでしょう。

ちなみに、グループウェアでのノウハウ共有はおすすめできません。

グループウェアにはノウハウ共有の他にもスケジュール共有やタスク管理、勤怠管理などさまざまな仕組みがあり、情報共有は機能としては存在しても、他の機能に埋もれてしまい、活用が二の次、三の次となり、結局誰もノウハウを発信しない、という状態になりやすいためです。

操作性はシンプルか

毎日のように使用するノウハウ共有ツールにおいては、誰でも簡単に操作できるUI(ユーザーインターフェース)であることが重要です。言い換えると、シンプルな操作で使えるツールということになります。

複雑なUIや機能過多なツールでは、何を投稿すればいいのか、どの機能を使えばいいのかわからなくなり、結果的に現場に浸透させることは困難になります。

日々の業務に追われる中でも、簡単に使えるシンプルなUIであれば、現場の負担は少なく、実際に使われるツールとなることでしょう。まずは、直感的に誰でも操作できるのか、ITリテラシーが高くない社員でも使いこなせそうかを第一で見極めていくことが大切です。

ITツールに不慣れな社員や、新人などにもわかりやすいように、シンプルなものを選定しましょう。

検索性はどうか

ノウハウ共有ツールの最終的な目的は「検索できる状態にする」ことですので、ノウハウが蓄積された後に、どんな方法で検索できるかも重要です。

キーワードによる検索精度はもちろん、カテゴリやタグの使い分け、階層構造の有無など、ツールによってさまざまな検索方法があります。特に日本語特有のひらがな、カタカナ、漢字の検索精度が高いかどうかは確認しておく必要があるでしょう。

無料トライアル期間が設けられているツールも多いので、実際の利用シーンを想像しながら試してみましょう。

セキュリティ対策がとられているか

セキュリティ対策が万全かどうかも重要なポイントです。

ノウハウ共有ツールに登録するノウハウの中には、社外秘のさまざまな情報が含まれている場合があります。もしセキュリティ対策が十分でなく、悪意のあるアクセスによって情報が流出してしまうと、顧客からの信頼が大幅に低下したり、自社だけのノウハウが他社に流れて不利益を被ったりする可能性があります。

IDやパスワード情報の管理性、二段階認証など、どのようなセキュリティが設けられているのか事前に確認することをおすすめします。

導入や運用実績があるか

他社の導入事例や運用実績が充実したものを選ぶことも、安心して使えるツールかどうかを判断するコツの一つです。

メモ機能や質問機能をURL化できるなど社内共有やリマインドが簡単で、かつ検索性が高いツールほど、多くの企業で導入されています。

ノウハウ共有ツール導入のメリット

では、ノウハウ共有ツールを導入する具体的なメリットもご紹介しましょう。

時間や場所を選ばずに共有・蓄積ができる

ノウハウ共有ツールを導入すれば、全社員がどこからでも好きなタイミングでノウハウの共有・蓄積ができます。

社員同士が会議によって自身のノウハウを持ち寄って共有する方法は、参加者全員が同じ場所に集まらなければならないため、時間や場所の制約が生まれます。しかし、クラウド型のノウハウ共有ツールを使えば、インターネットに接続できる環境さえあればどこにいても自身の知識やスキルをツールに落とし込めます。

新人教育を効率良く行える

入社したばかりの新人は業務を覚えるうえでさまざまな疑問を持つものです。教育担当の上司に質問してその都度疑問を解決していくこともできますが、あらかじめ社内にノウハウが蓄積されていれば、質問する前に自己解決できるようになり、新人と上司双方の工数を削減できます。

「デジタルネイティブ世代」である現代の20代の新入社員たちは、「わからないことがあればまずは検索する」という行動が習慣化されています。

そのため、ノウハウ検索ツールにノウハウを蓄積しておき、入社後に新入社員がすぐに疑問を検索できる状態にしておくことで、主体的に、かつより早く業務を覚えることができるようになります。

さらに、新人向けに簡単なマニュアルをまとめておけば研修の時間削減にも繋がります。

「働き方改革」に対応できる

ノウハウ共有ツールを導入すると社内全体の業務効率が向上するため、無駄な残業が削減でき、働き方改革への対応も促進されます。

たとえば、すでに社内に存在する資料を一から作り直したり、過去に対応した例があるトラブルの対処法を一から考え直したりする必要がなくなり、既存のノウハウを流用したスピーディーな解決が図れるようになります。

また、「どこからでも利用できる」という点も働き方改革には有効です。場所を選ばない働き方を実現できるので、自宅やサテライトオフィスなどから業務に携わることも可能になります。

ノウハウ共有ツール導入のデメリット

ノウハウ共有ツールの導入にはメリットがある一方、デメリットも存在します。2つのポイントをご紹介します。

導入にはコストがかかる

ツールの導入・活用には初期費用や月額費用がかかることが避けられません。トライアル期間が設けられ一定期間は無料で利用できるツールもありますが、もちろんいつまでも無料で使い続けられるわけではありません。

浸透しなければ無駄になってしまう

せっかくツールを導入しても、社内に浸透しなければ、導入にかけた労力やコストが無駄になってしまいます。なぜノウハウを共有しなければならないのかを社員に周知し、マニュアルを整備してツールの利用に対する心理的なハードルを下げることで、浸透率を高めてツールが気軽に利用される環境を生み出すことが重要になります。

おすすめのノウハウ共有ツール

ここまでご紹介した内容を踏まえ、おすすめのノウハウ共有ツールを6つご紹介しましょう。

Qast

Qast トップページ

https://qast.jp/

【特徴的な機能】

  • スコア機能
  • よく使うタグ
  • ファイルプレビュー機能
  • 全文検索機能
  • ダッシュボード分析機能

【おすすめポイント】

とにかくシンプルなノウハウ共有ツール。ノウハウやナレッジの共有に特化しているので、使い方に迷うことはありません。

PC、スマホともに最適化されたUIで利用できるほか、投稿の公開範囲を設定できるため、どんな規模感の組織でも簡単に使いこなすことができるでしょう。

投稿のジャンルわけは、タグと階層式のフォルダで簡単に行うことができます。トップ画面の「よく使うタグ」から選択すると、キーワード入力不要で必要な情報にたどり着くことができます。何を検索すれば良いかわからない状態でも、フォルダを辿っていくことで、必要な情報を見つけ出すことができるでしょう。

特徴的なのは、「スコア機能」です。投稿の数や反応の数によってスコアが付与され、ランキング形式で表示されるため、個人のノウハウを社内に共有する一つの動機づけになります。

【Qast サービス紹介】

Qastについて詳しく見る Qastの導入事例を見る 無料デモでQastを試してみる

NotePM

NotePM トップページ

https://notepm.jp/

【特徴的な機能】

  • ファイル全文検索
  • 誰が既読かわかる

【おすすめポイント】

こちらもQast同様にUIがシンプルで使いやすいツールです。特徴は、Word・Excel・PDFなど、ファイル内の文字が検索対象となる点です。既に資料としてノウハウをまとめている場合は、こちらにアップロードすると検索できるようになります。

外部のチャットサービスとの連携、マルチデバイス対応なのでスピードをもって共有が可能になります。

アクセス制限も豊富であり、変更履歴は自動的に記録されるなど、セキュリティ面も安心です。

esa.io

esa io トップページ

https://esa.io/

【特徴的な機能】

  • 書き途中で保存
  • 記事のバージョン管理
  • 記事の外部公開

【おすすめポイント】

「最初から完璧なものなんてない」をスローガンに、作成途中のノウハウを公開し、その後少しずつ情報を作り上げていく使い方を想定しています。最大の特徴は、WIP機能というドキュメントを書き途中の状態で共有する機能です。

この機能によって、記事が不完全であることが明確なまま情報を共有できるので、「早めの情報共有」が可能になります。

記事のバージョン管理がされているので更新のチェックや、過去記事へロールバックも可能です。情報の分類は、タイトル編集をするだけで階層式に整理ができるカテゴリとタグによって管理が可能です。

Scrapbox

Scrapbox トップページ

https://scrapbox.io/product

【特徴的な機能】

  • 分類や整理不要のページ間リンク機能
  • ドラッグアンドドロップによる投稿

【おすすめポイント】

wikipediaのようにフォルダ階層構造ではない管理方法で、ノウハウを恒常的に一ヶ所にまとめられます。

Scrapboxでは単語を[カッコ]で囲むだけでネットワークが構築でき、整理に頭を悩ませずに、書いたものが参照されやすくなることが特徴のツールです。

同時並行で会話が可能なので、一つの文書を複数人で同時に書き込むことが可能なため、生産性を下げません。また、スクリーンショットや手書きの図を共有することでイメージでの図解ができます。

Qiita:Team

Qiitateam_トップページ

https://teams.qiita.com/

【特徴的な機能】

  • プレーンテキストで読みやすい記事に
  • 統一性の高いテンプレート

【おすすめポイント】

「かんたんに書けて、かんたんに共有できる」ことがコンセプト。エンジニア向けブログサービス「Qiita」のビジネス版。そのため、コード共有のしやすさなど、エンジニアにとって嬉しい機能が盛り込まれています。

Markdown記法に対応しているので、文字を装飾して読みやすくきれいな記事の作成が可能です。テンプレート機能で整備することで、過去に投稿したノウハウと同じテンプレートで書き込むことができます。

Slack、HipChat、ChatWorkなどのチャットツールと連携可能です。そしてWebhook機能をつかって他のツールと連携させることもできます。

Confluence

Atlassian Confluence 製品ページ

https://ja.atlassian.com/software/confluence

【特徴的な機能】

  • 記事のフィードバックができる
  • テンプレートが豊富
  • 期間を絞って検索できる

【おすすめポイント】

Confluenceは、海外製品のため英語での利用が可能です。海外支社のある企業や、グローバル人材を採用している企業におすすめです。議事録はもちろん製品管理や企画管理など、予めテンプレートが豊富に用意されています。

最初にどのように書いて良いのかわからない企業にとって、豊富なテンプレートが手助けとなるでしょう。投稿された内容を、PDFやワードに変換することも可能です。また記事を協力して編集するだけでなく、フィードバックを提供できます。協力を依頼するチームメンバーにメンション、チームの意志決定プロセスを可視化します。

分類方法はタグやフォルダではなく、「ラベル」と「スペース」という形で分類できますが、慣れるまで時間が必要かもしれません。

まとめ

個人にのみ蓄積されやすいノウハウを、社内に共有することを習慣化できれば、業務効率化のみならず、さまざまなメリットがあります。

自社にあったツールを見つけて、いつでも誰でも検索可能な状態を目指しましょう。

Qastラボ編集部

Qastラボ編集部では、これからの働き方において必要な"未来のナレッジマネジメント"について研究しています。 ナレッジ共有、業務効率化、経営戦略、コミュニケーションツールなどテーマ別に役立つ記事をご紹介します。

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