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御社の事業内容について教えてください。
当社は1996年設立、LINUXをGUIで扱うソフトウェアベンダーから始まり、メール配信、メールセキュリティのソフトウェアと領域を広げ、現在だと、エンタープライズ向けのBtoB SaaSを提供しております。
元々、エンタープライズを対象にソフトウェアの提供をしておりましたが、2011年の東日本震災を期に、自社内も踏まえた事業継続の観点から、自社内でのG Suiteのクラウド利用、及びに様々なクラウドサービスに対しセキュリティを補完するSaaSベンダーとして、現在「HENNGE One」というサービスを提供しております。
エンタープライズ企業のニーズに合わせ、メールセキュリティだけではなく、各種企業様が働き方を選択できるように、様々なクラウドサービスへのシングルサインオンを可能にし、業務効率をセキュリティの側面から推奨するような、そもそもの働き方を支援するサービス提供にシフトしております。
私が所属する部門の業務内容としては、新規営業が販売したHENNGE Oneの導入、サポート、そして更新に至るまでを一気通貫でフォローさせていただく、カスタマーサクセス部門に所属しております。
当部門の最大のミッションとしては、お客様に良い顧客体験を提供すること。そのためにリアクティブな対応を改善するだけではなく、最高なプロアクティブな対応について、チームみんなで模索し、実行し続ける、そんな部門になります。お客様との長期的関係を構築するにあたり、一過性のものではなく、再現性が重要と考えておりますので、各種対応履歴やご利用状況/ご要望などの各種データ利活用にも取り組んでおります。
Qast導入前にはどんな課題がありましたか?
お客様に対し、長期的に関係を維持していく上で、大事なことはお客様としっかり対峙することです。そのための時間を確保するため、社内業務を効率的に進めていくには、各種情報を適切に保管し、利活用する必要があり、どうやったら効率的かという問題意識をみんなで考えておりました。
当社は、社内の情報共有としてチャットツールを利用しており、チャットの最大の利点としては、コミュニケーションが手軽、かつスピードが抜群に早いことです。
そのため、チャットツール自体は当社の業務に絶対に欠かせないものとなっております。しかしながら、コミュニケーションの手軽さゆえに、大事な情報がスレッド内に投稿されたまま、取り残されてしまうことがありました。

Qastを選んだ理由を教えてください。
前述の情報を溜め込むことができるサービスだったこと、次にすぐに始められてスモールスタートが可能であること、無料のトライアル期間があることです。
まずはスモールでスタートしたのですが、実際に利用してみると、サービスのクオリティが高く、細かいところでいいますと、チャットに投稿してから、簡単にアドリアクション(投稿に対するリアクション)1つで記事が溜められることに非常に利便性を感じました。
また、サポート対応に関しても、質もレスポンスも良く、導入後も安心して使い続けられそうだと感じたことも大きな要因です。なぜならば、私が所属するHENNGE Oneのカスタマーサクセス部門も同じなのですが、サービス自体の品質は勿論ですが、長期的にご利用いただくためには、やはり良いサポートを提供していること、これが欠かせません。そこに安心感を感じました。
Qastはどんな用途で利用されていますか?
まずはチャットツール上でやりとりされる大事な情報を格納し、一次的に溜めるストレージとして利用しております。
チャットツールの中では、様々な板で、大事な情報、大事ではない情報、情報の利用用途の分別関係無く、活発な議論が行われます。それらは1箇所にまとまった形ではなく、チャットツールの中のそれぞれに点在しているだけの状態でした。そうなると、その点情報へのリーチの有無で、情報の格差が生まれますし、一度だけ目に触れるだけでは、記憶も理解も定着化しません。その情報ギャップを埋めるために利用しております。
もう少し詳しくお話しすると、まず前提として、情報には大きく分けて、大事な情報、大事ではない情報の2つに大別できます。また、大事な情報は用途によって、カテゴライズすべきと考えております。
しかしながら、情報には各種相関性(類似性)があるので、チャットツールの中に、点として存在する情報を切り分けることは困難です。
そのために、まずはチャットで行われた大事な情報は、一度Qastにきちんとストックさせる、ストックさせた後に、情報をカテゴライズし、それぞれの用途に即した情報を閲覧しやすい場所(各チームの社内wikiなど)へエクスポートしていくことをしております。
なぜならば、情報運用として、各チームが情報を閲覧する場所というのは、業務運用フローの中で個々に既に確立されているからです。
業務運用フローを無視し、「ここに情報を集約したので見てください」のアナウンスだけですと、混乱をきたしますので、最適解として、いつも見ているところに情報を流すといったフローによって、シンプルに運用ができていると感じています。
QastはQ&A機能もメモ機能も、どちらも満遍なく使わせていただいています。
ただチームによって差はあるかなと感じています。開発チームなどはメモが多く、お客様と関わるようなチームはQ&Aが多いかなという印象です。

社内で定着させるために工夫した点はありますか?
一次的に溜めるストレージとして利用するための最初の壁は、情報を集めることです。そのために、チャットツールの中で、Qastのための専用botを作成しました。
社内にアナウンスをするだけですと、今までやっていた運用業務ではないので、なかなか利用には結びつきません。そのためには、より簡単に、より直感的にユーザが情報を送り込める準備をしなくてはいけません。
Qast用の絵文字とそれに対するbotを作ることで、できるだけユーザがシンプルにQastのリアクションボタンが押されるように工夫しました。
例えば、誰かがチャット上で重要な情報を投稿したとします。その時に私が「これQastに載せてほしい」と思ったものにQastアイコンの絵文字を押すと、Qastの使い方や運用ルールが書いてある記事のURLを、自動でポストするという仕組みです。それが「Qastに入れてください」と提唱する形になり、Qastへ情報を集約することへの促進となりました。
新しいサービスの導入の際に、大事なことは如何にオンボーディングさせるか。そういう意味では、このbotがQastの基礎理解と利用方法をプロモーションしてくれました。
手前味噌ですが、ボタン1つ押すだけで他の人に促すことができるので、このbot作って良かったなと思っています(笑)。
運用ルールの面では、一番始めに私が情報の検索ができるような最低限のタグを用意し、その後プロジェクトのメンバーでブラッシュアップしながら使っていくようになりました。タグの作り方は、サービス名、プロジェクト名、最終的にどこにエクスポートするのかという3点で大きく分けています。
Qastに集約した情報をエクスポートする前に、週に1回ある定例の会議で「タイトルが適切か」「中身の書き方」などを日々ブラッシュアップしております。
Qast導入後の効果を教えてください。
実はまだ部門全体での利用は啓蒙途中ではあるのですが、本件の導入プロジェクトメンバーの中では、まずQastで検索すれば必要な情報があるかどうかがすぐ分かる状態になりました。
ほぼ必要な情報がQastに既にあり、それで解決することも多く、その他のメンバーに関しても、Qastからエクスポートする各チームが情報を閲覧する場所を検索することで必要な情報へたどり着けます。
そしてもしそこに必要な情報が存在しなければ、チャットで質問や議論をおこない、それを必ず「キャスる」という流れができております。
そのため、必要な情報にリーチできない、あるいは、時間が大幅にかかるといったこと状況はなくなり、元々の課題は解決できたかと考えております。
そして、HENNGE Oneを御利用してくださっているお客様に対し、もっと良い顧客体験を提供できるように時間を使っていきます。
Qastに情報が集約されたことで、情報を検索する時間が相当短縮できたと感じています。頑張って探さなくて良いという意味では、精神的なハードルも下がっていますね。
最後に、Qastについてご感想を一言で!
まずは「ありがとうございます」とお伝えしたいです!本当に助かっています。
SaaSとして規模が大きくなればなるほど、仕様を柔軟に変更することは難しいです。
でもQastさんの場合、「できない」「設計上無理」とすぐに言うわけでなく、すごく親身になって一緒に検討してくださっているなと感じています。
スタートアップの魅力でもあるのですが、実際にスピーディに色々な機能をアップデートされているのも、嬉しいです。
私の中で本当に好きなサービスの一つだと感じています。結局始めの「ありがとうございます」という気持ちしかないです。(笑)

以上、Qastの良さや定着の工夫を熱く語ってくださった芳澤さんへのインタビューでした!
編集後記
Qast上級者の芳澤さん。まずはこちらからも「ありがとうございます」とお伝えしたいです。
Slackからの投稿をメインに考えている企業の方は、Slackでbotを作って絵文字投稿を促すというのは大変参考になります。(※と同時に、標準機能として入れることを検討中です。)
Qastに入れる事を忘れないようになりますし、どんな情報をストックすべきなのかが明確になるでしょう。
また、最初にタグ付けのルールを明確にされている点もさすがです。
今後もどんどんアップデートしていきますので、ご意見、ご要望がある方はお気軽にご連絡ください!